※高城未来研究所【Future Report】Vol.319(2017年7月28日発行)より
今週は小淵沢にいます。
ここ数ヶ月、小淵沢に通っているのは、あたらしいプロジェクト「サウンドメディテーション」のためで、駅からほど近い神社の能楽堂で、まるで「未来の能」(場合によっては、「未来の狂言」)のような実験を追求しています。
多くの方々もご存知のように、ここ数年マインドフルネスなる言葉が跋扈し、宗教色を取り除いた瞑想方法として、米国西海岸を中心に世界中で爆発的な人気を博しています。
2年以上にわたるオックスフォード大の研究では、抗うつ剤とマインドフルネス認知療法(MBCT)の効果をくらべると、ほぼ同様の効果があることもわかってきました。
このマインドフルネス認知療法とは、その名のとおり従来の認知療法のテクニックにマインドフルネス瞑想を取り入れたもので、「第三世代セラピー」とも呼ばれているメソッドです。
簡単に言えば、第一世代セラピーとは、ある出来事に対する不適切な行動を修正する「行動療法」を指し、第二世代セラピーとは、何らかの出来事の認知(解釈)によってエモーションが発生する前に思考を変える「認知療法」を指します。
そして、第三世代セラピーとは、発生した感情を無理してコントロールしようとするのではなく、状態そのものを「距離を置いて」「客観視する」意識を作るということを目的として開発されました。
そこで、このようなストレス軽減やリラックスのためだけのセラピーや瞑想ではなく、人間のあたらしい知覚の扉を開くような「第四世代」の取り組みができないものかと、ここ数年考えていました。
かつて2000年代初頭に、自分の脈拍の音を機械的に大きくして、本人に聞かせたらどのようになるか? という実験がありまして、一般的に心拍に注意を向けると、不安が強まることは古くから知られており、その理由は、身体的な変化を生命の危機と捉えやすいためだと言われてきました。
そこで、あえて自分の脈拍の音を機械的に大きくして、まるで克服するように客観的に距離をおき、観察するよう指示し、良い悪いの判断をしないよう注意を向ける実験を米国で続けたところ、想像以上の大きな効果が見られたことから、サウンドと精神性や能力の関係性に関する意欲的な取り組みが世界中で行われるようになりました。
その後15年、脈拍に限らず、ある一定の「ゆらぎ」のある音を聞きながら瞑想すると、様々な効果があることがわかってきました。
いわば、誰でも変性意識の入り口に立つことが、可能になるのです。
また最近、チャクラと言われる心身をつなぐ、7つのエネルギーの中枢には、異なった周波数があることも判明してきました。
そこで、活性化したいチャクラにたいして、正位相と逆位相の特定周波数を同時もしくは交互にあてることで、いままでにはない感覚を得ることができないか、と僕は考えました。
それが、「サウンドメディテーション」です。
ヘッドフォンから、輻輳するいくつかの「ゆらぎ」を同時に聞きながら、より効果を高めるために、体験者にはCBDオイルをとっていただき、小淵沢にある神社の能楽堂をお借りして、メディテーションの実証実験を続けています。
この夏は、精神性と周波数の「ゆらぎ」の相関性をもう少し深め、あたらしい旅路を探りたいと考えています。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.319 2017年7月28日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 未来放談
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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