城繁幸
@joshigeyuki

期間限定公開! 新刊『「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話』

【第4話】キャンプイン――静かな戦いの始まり

cover_0605 6月20日発売! 『「10年後失業に備えるためにいま読んでおきたい話』(城繁幸 著)

 

strong>6月20日発売! 『「10年後失業に備えるためにいま読んでおきたい話』(城繁幸 著)

取り扱い書店一覧

amazonで買う

プロ野球史上初の〝終身雇用球団〞連合ユニオンズへの出向を命じられた総務畑ひとすじのサラリーマン山田明男(45歳)。

ドラフトで有力選手に逃げられる中、トライアウトでは各球団を自由契約になった有力選手が集まるが……

 

第1話 日本型雇用の未来は君の肩に……

第2話 波乱の記者会見

第3話 見よ、あれがユニオンズの星だ!

 

第4話 キャンプイン――静かな戦いの始まり

 

2月に入ると、ユニオンズは春季キャンプに入った。多くの球団同様、ユニオンズも宮崎でキャンプを張ることにしている。

「バブルの頃はハワイとかグアムでやってたんだよ。あの頃は良かったなぁ......」

ベテランの球団職員の中には、バブルの頃の派手なキャンプをおぼえている者もいる。

「でも海外だと僕ら裏方はかえって大変そうですね。九州くらいが楽でいいですよ」

山田は基本的にめんどくさがりなので、事務手続きの面倒そうな海外よりも国内の方が性に合っている。それに、子供と一ヵ月以上会えないのはつらい。

国内でのキャンプはメディア受けも悪くない。巨人をはじめとして、宮崎には5球団がキャンプインしている。ユニオンズのように、はっきり言って人気も実力も無いB級球団は、コバンザメみたいに有力チームに張り付かないと、なかなか取材してもらえないのだ。

今年は例年に比べれば注目されていた。オーナーが変わったというのも大きいが、FAやトライアウトを通じて大物選手を何人も獲得したというのが大きい。特に、元二冠王で球界の名物キャラだった中森は注目の的だ。他にも、数年前まで他球団でローテーションの一角をつとめていた10勝クラスの投手が何人かいる。

今日も、フリーバッティングをする中森の周囲には記者の群れが自然とできていた。

 

1 2 3 4 5
城繁幸
人事コンサルティング「Joe's Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』等。

その他の記事

思い込みと感情で政治は動く(やまもといちろう)
目的意識だけでは、人生の中で本当の幸せをつかむことはできない(名越康文)
「来るべき日が来ている」中華不動産バブルの大崩壊と余波を被るワイちゃんら(やまもといちろう)
iPhone6の画面サイズにみる「クック流Apple」の戦略(西田宗千佳)
福永活也さんの「誹謗中傷示談金ビジネス」とプロバイダ責任制限法改正の絶妙(やまもといちろう)
電気の「自炊」が当たり前の時代へむけて(高城剛)
脳と味覚の関係(本田雅一)
すべてがオンラインへ(高城剛)
都知事・小池百合子さんは希望の党敗戦と台風対応の不始末でどう責任を取るのか(やまもといちろう)
花見で教えられるこの世の唯一の真実(高城剛)
自己セラピーダイエットのすすめ:酒好き、食いしん坊のスーパーメタボなアラフィフでも健康と若さを取り戻せた理由(本田雅一)
多くの若者がホリエモンを誤解している(岩崎夏海)
4月4日自民党党内処分云々の是非と今後(やまもといちろう)
中島みゆきしか聴きたくないときに聴きたいジャズアルバム(福島剛)
就活の面接官は何を見ているか(岩崎夏海)
城繁幸のメールマガジン
「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」

[料金(税込)] 550円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回配信(第2第4金曜日配信予定)

ページのトップへ