やまもといちろうメルマガ「人間迷路」より

「スマホde子育て」族に悲報、というか取り返しのつかない事態について


 いやまあ何となくそうだろうなと思っていた問題について取り組んだ研究が、ついに結果発表となりまして、スマホを子供に与え続けてきた山本家にとっても残念な結果になったわけであります。

Association Between Screen Time and Children's Performance on a Developmental Screening Test

Findings In this cohort study of early childhood development in 2441 mothers and children, higher levels of screen time in children aged 24 and 36 months were associated with poor performance on a screening measure assessing children's achievement of development milestones at 36 and 60 months, respectively. The obverse association (ie, poor developmental performance to increased screen time) was not observed.

 
 なぜかテッククランチが嬉しそうに報じているので、日本語でサマリーを観たい方はどうぞ。

幼児のモバイル端末使用は成長を妨げる、との研究結果

 つまりはスマホ見ている間は人とも話さないし運動もしないので、スマホ依存した子供の発育状況に悪い影響を及ぼすという話であり、いやまあそうなんですがどうにかなりませんかね大将、という内容。

 何を隠そう、私自身が長男次男が生まれて三男が生まれたての2013年にこんな記事を書いております。

「スマホde子守」の是非

 もちろん、一日に5時間も6時間もスマホを与えているわけでもないのですが、最近は学校から帰ってきてスマホを観るのが習慣になってしまい、夕方の貴重な2時間を兄弟でスマホ占領も当たり前になってきました。

 また、マインクラフトなどゲームにハマり始め、結構子供の興味と親が何を子供に与えるべきかというミスマッチに悩み始める時期に差し掛かったなあ、と思うわけであります。

「ヒカキンさえいなければ」で自己嫌悪。親の葛藤を痛感する

 この記事は超読まれたんですが、たぶん正しい解答なんてないんですよね。おそらくは、拙宅山本家もさることながら、どのご家庭でも育児面で悩んでおられる内容なのでしょう。私も自分の育ってきた環境で言えば、一人っ子として暮らしてきて趣味はパソコンとゲームだった幼少期とは違う時代が来たはずが、結局は動画観てんじゃんというのは忸怩たるところがありまして。

 いずれにせよ、学術的に幼少期の発育にスマホは悪い影響があるということがほぼ確定した形ですので、もう取り返しがつかないところではありますが涙を拭いて前を向きたいと思います。
 

やまもといちろうメールマガジン「人間迷路」

Vol.250 スマホは子育てに良くないという悲報を受け止めつつ、ゲーム依存症問題の新局面や迷走気味のFacebookについて触れてみる回
2019年1月31日発行号 目次
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【0. 序文】「スマホde子育て」族に悲報、というか取り返しのつかない事態について
【1. インシデント1】「ルートボックス問題」ふたたび。今度は「ゲーム依存症」対策でGO
【2. インシデント2】この世の春を謳歌していたはずのFacebookの最近の暗中模索ぶり
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A

 
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やまもといちろう
個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。

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