高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

想像以上に脆い世界で生き残るための条件

高城未来研究所【Future Report】Vol.452(2020年2月14日発行)より

今週は、ハバナにいます。

新型コロナウイルスの影響で渡航スケジュールが大幅に変わってしまい、急遽キューバにきています。

過去を振り返れば、2001年9月に起きた米国同時多発テロほどではありませんが、次々とプロジェクトが頓挫もしくは延期され、移動規制も相まって、動けない状態が続くことは、数年に一度は起きる「当たり前の出来事」です。
SARSの流行やリーマンショックなど原因は多岐に渡り、世界は想像以上に脆いことを感じます。
それゆえ、このような世界的事変が起きる前提で、常に「プランB」を用意する必要があると経験から理解しており、結果、ピンチに即座に対応できる人が「生き残れる人」とそうでない人たちの違いに思えてなりません。

撮影であれば、すぐにロケ地を変え、場合によっては組んでしまった美術セットをバラす「損切り」を直ちに判断する必要もあり、時には企画やアイデアすらも大幅に変更しなければなりません。
「もったいない」と考えはじめたら、いつまでも正しいゴールに到達できません。

そのため、その時期に適した太陽光が燦々と降り注ぐロケ地を、常に頭に入れておく必要があるのです。

例えば、この2月後半から3月が素晴らしいのは、カリブ海です。
クリスマスから正月まで続いた喧騒が去り、ハリケーンシーズンが訪れる前の海がとても美しいシーズン。
これが、カリブ海全般で5月初旬まで続きます。

また、地中海沿岸も6月10日を境に天気がガラっと変わって夏模様になります。
この人々を虜にする地中海生気候が10月いっぱいまで続き、それからは南半球が美味しいシーズンとなるのです。

さて、眩しい太陽光を求めて訪れたキューバは、現在、エネルギー問題に直面しています。

朝3時にガソリンスタンドに並んでも、9時にガソリンが配給される可能性は極めて低く、これは米国による経済制裁の一端ですが、このまま続けば社会問題に発展する可能性も高く、それこそ米国が望むところです。

表向きは、キューバがベネズエラのマドゥロ大統領を支持していることへの報復として、トランプ政権が対キューバ制裁を強化し、ガソリンやディーゼルの燃料供給がストップしたことになっていますが、実態は、フロリダの大票田である、かつてキューバを追い出された人々の票の獲得が狙いです。

マイアミから、飛行機でわずか1時間の距離にある社会主義国キューバ。
一方、米国では若年層を中心に、社会主義へ向かう力が年々強まっています。

キューバは、米国の未来なのか?
それとも、周辺諸国同様、米国の軍門に下っていくのか?

街角のガソリンスタンドに並ぶ人々を見ると、岐路はそう遠くないと感じます。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.452 2020年2月14日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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