小寺・西田の「金曜ランチビュッフェ」より

Macを外でどーすんだ問題を解決する「cheero Power Deluxe」

※メールマガジン「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」2018年6月22日 Vol.177 <梅雨がはじまるよ号>より

筆者はまる1日取材と執筆で出かけているという事はそれほど多くないのだが、場合によっては記者発表会を2件ハシゴする合間にネカフェに籠もって仕事、というパターンはある。持ち歩き用のMacBookPro 2016はその間稼働しっぱなしになるが、最大10時間稼働は伊達ではなく、大抵は充電無しでなんとかなる。

ただ、こういう日が2日続くと、つい家に帰って充電するのを忘れて、翌日もカバンに入れたまま出かけてしまうという事がある。こうなると2日目は2時間程度しか保たず、あとはリュックの中でただの「重り」と化すわけだ。ACアダプタを持ち歩けばいいじゃないかと思われるかもしれないが、純正アダプタはサイズが大きく、サードパーティのものもそれほどサイズに代わりはない。

そもそも、その日の日程でそうそううまいことACコンセントにありつける可能性もそんなにないのだ。なのでモバイルバッテリーのほうが、個人的には使い道がある。時間的にもカバンの中でも充電できるので、無駄がないからだ。

これまでは、スマホやタブレットとの併用も重視して、cheero Power Plus 3 Premium 20100mAhを使っていた。人気の高いcheero Power Plus 3の限定バージョンで、容量が通常の1.5倍となる20100mAhもある。

これさえあれば、iPhone + Android + iPadの充電がカラでも、問題なくカバーできる。ただ、MacBookProは別だ。スリープ中であれば充電できなくもないが、使用しながらの充電ではほぼ役に立たない。トントンで推移するか、内部バッテリーだけよりは減りが少ないといった程度で、プラスに充電されるわけではない。

それでもないよりはマシということで我慢してきたのだが、cheeroから5月末に発売された「Power Deluxe 20100mAh」は、USB PD 45Wに対応するという。ということは、MacBookProも相当の速度で充電可能になるわけだ。早速試してみた。


・この5月に発売開始されたcheero Power Deluxe 20100mAh

充電も給電も大容量

まず本体だが、 Power Plus 3 Premiumは明らかに内部バッテリーとして18650リチウムイオン電池が横並びで5本入ってますよねわかりますわかります的なサイズ感であったのに対し、Power Deluxeは縦長形状となった。厚みはほぼ同じなので、18500ぐらいのサイズに変更されたのかもしれない。電池容量は同じである。重量は約368gと7gほど軽くはなったが、重量感はほぼ同じである。


・手前は3年前に購入したPower Plus 3 Premium。容量は同じ


・厚みはほぼ同じ

 
端子は、PD 45Wに対応したUSB Type-Cが充電と給電の両対応のほか、出力としてはUSB Type-Aがある。加えて充電専用のMicro USB端子だ。Power Plus 3 Premiumが3系統同時出力だったのに対し、実質2系統となった。ただ、USB PD対応機器が相手なら急速充電できるので、ポートを長時間占有すると言うことはなさそうだ。

実際に会議中に約50%までバッテリーが減ったMacBookProを、動作使用しながら充電してみたところ、約1時間で80%ほど充電できた。これぐらい充電できれば、当日はまだしばらく活動できる。Power Deluxeのバッテリー残量は、インジケータ4セグメントのうちのこり1つとなったが、それでもiPhoneぐらいならまだまだ充電できる。コンセントに頼らず、2日間動けるバッテリー環境が整った事になる。

その一方で、Power Deluxe側をどう充電していくかが運用のポイントとなっていくだろう。汎用性の高いMicro USBからの充電では、満充電まで約11時間かかる。寝る前に充電仕掛けて翌朝、では微妙に足りないわけである。

一方でUSB Type-Cからも充電可能だ。USB PDとは、USBケーブルの形状で充電方向が決まるのではなく、機器同士の通信によって充電方向が決まる。したがってUSB PD対応で30W以上の出力が出る充電機から充電すれば、3時間で満充電となる。MacBookPro用ACアダプタを使うと、これだけの容量でありながらみるみる充電されていくのは圧巻だ。電力入出力量が従来の4倍ぐらいになるわけだから、まさにモバイルバッテリーの次世代である。

とはいえ、USB PD対応で30W以上のACアダプタまで持ち歩くとなると、これまたそれなりのサイズ感と重量になってしまうのが悩ましい。そこで同じくcheeroから発売されている、PD 18W対応充電機、USB-C PD Chargerを購入してみた。

これを使ってPower Deluxeを充電してみたところ、約3時間で半分まで充電できた。フル充電までおそらく6時間。これだったら、「寝てる間のフル充電」は可能だ。しかも小型軽量なので、常時カバンの中に入れておいて邪魔にならない。


・小型でPD 18W対応、cheero USB-C PD Chargerを導入

 
Power Deluxe + USB-C PD Chargerで、割と理想のモバイル電源対応が構築できた。次の出張が楽しみである。

 

小寺・西田の「金曜ランチビュッフェ

2018年6月22日 Vol.177 <梅雨がはじまるよ号> 目次

01 論壇【西田】
 WWDC・E3から読む2020年の世界
02 余談【小寺】
 Macを外でどーすんだ問題を解決する「cheero Power Deluxe」
03 対談【小寺・西田】
 丹治吉順さんに聞く「#私かわいい」の底にあるもの(5)
04 過去記事【西田】
 新MacBookから見える「アップル」の真価
05 ニュースクリップ
06 今週のおたより
07 今週のおしごと

12コラムニスト小寺信良と、ジャーナリスト西田宗千佳がお送りする、業界俯瞰型メールマガジン。 家電、ガジェット、通信、放送、映像、オーディオ、IT教育など、2人が興味関心のおもむくまま縦横無尽に駆け巡り、「普通そんなこと知らないよね」という情報をお届けします。毎週金曜日12時丁度にお届け。1週ごとにメインパーソナリティを交代。   ご購読・詳細はこちらから!

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