若林理砂
@asilliza

若林理砂のメルマガ『鍼灸師が教える一人でできる養生法』より

それ「悲報」でもなんでもないから――化粧品はお肌に浸透しません!

大好評! 若林理砂さんの新刊!

pet_coversmall
若林理砂著『安心のペットボトル温灸

火を使わないから安全で安心! 
誰でもできて効果を実感できる!
火をつける従来のお灸よりも簡単に効果を出せると評判です!!

定価:1500円+税

amazonで購入する

化粧品はお肌に浸透……しません!

 

つい先日。面白い記事がFacebookのタイムラインに流れてきました。

【悲報】「お肌の奥まで浸透」はウソだった!! 化粧品の粒子はお肌の表面にさえも浸み込んでいないと判明

+++++++以下引用+++++++++
Richard Guy教授によると、一般的な化粧品に使われている粒子は、人間の髪の毛の100分の1ほどの大きさだそう。そこで、20~200ナノメートルの大きさの ポスチレンビーズに蛍光タグをつけ、肌に浸み込むかどうかを共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察したところ、これらのビーズは角質層と呼ばれる表皮の一番外側の層にさえも浸透することはできなかったという。
++++++引用終わり+++++++

「悲報」ってところが笑いを誘いました。いや、ほんと女性にとっては悲報のようなのです。あっちこっちから阿鼻叫喚が聞こえてきたもん、ホント。

一応結論から書いておきますが、どれだけ高い化粧品を塗ったとしても、上等の食事を定期的に食し、規則正しく睡眠を取り、適度な運動をすること以上の効果は期待できません。まずここで「ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!」としておいてください。追って説明しますから。

 

…ところでコレについては、私のメルマガを初期の頃から読んでくださっている方にとっては、「突然の悲報」でもなんでもないのよね。なんども繰り返し書いてきてるからね…。ああまたか、って気分になるでしょうけど、また書いちゃうよー。

今回のこの記事は、ナノ粒子についての話でした。

「ナノってなんナノ?」

というのは時々私の周囲で聞かれるオヤジギャクですが、それはさておき。ナノについてとりあえず簡単に説明。 記事の中には「髪の毛の太さの1/100程度の粒子」と書かれておりました。コレがだいたい20~200ナノメートルの大きさだそうな。

1ナノとは、10億分の1メートル、100万分の1ミリ。まあよくわかんないけど小さいよね。ここに出てくる比喩が分かりやすいかなあ。

甲子園球場のバッターボックスから外野フェンスを1mmとしたら、球場の砂粒1つが1ナノメートル相当だって。どのくらい小さいかなんとなくわかるかな。なんかねえ、通常私たちが過ごしている世界観とは全く違うもんだから、理解しにくいんだよね、こういう単位の比喩ってば。とりあえず、「うわ、すごく小さいね」って思えたかなあ。

で、だ。20から200ナノメートルのポリスチレン粒子は(本文にはポスチレンとありましたが、原文にはfluorescently-tagged polystyrene beadsとありましたのでポリスチレンの間違いでしょう)、一切皮膚を透過しなかった、というのがこの記事の話でした。まあいつもの話だよ…皮膚はバリアのためにあるので、何らかの物質が簡単に皮膚を透過するんだったら、感染症にかかりまくり、触った物が体内に取り込まれまくりだもん。

 

1 2 3
若林理砂
1976年生まれ。鍼灸師・アシル治療室院長。高校卒業後に、鍼灸免許を取得し、エステサロンの併設鍼灸院で、技術を磨く。早稲田大学第二文学部卒。2004年、アシル治療室開院。現在3ヵ月先まで予約が埋まるほどの人気を集めている。

その他の記事

女の体を食い物にする「脅し系ナチュラル」との戦い方(若林理砂)
東京と台北を比較して感じる東アジアカルチャーセンスの変化(高城剛)
フースラーメソード指導者、武田梵声の大阪講演2017開催決定!(武田梵声)
言語を問うことの意味(甲野善紀)
真の映画ファンが、ピンク映画にたどりつく入口! 高校生から観れる「OP PICTURES+フェス2021」がテアトル新宿で開催中(切通理作)
「コンテンツで町おこし」のハードル(小寺信良)
なぜ昔の絵本はロングセラーであり続けるのか?(岩崎夏海)
総ブラック社会はやっぱり回避しないといけないよね~~『人間迷路』のウラのウラ(やまもといちろう)
思考実験のための『もし、トランプさんが米大統領になったら』(やまもといちろう)
コロワイド買収のかっぱ寿司が無事摘発の件(やまもといちろう)
今村文昭さんに聞く「査読」をめぐる問題・前編(川端裕人)
ロシア人が教えてくれた人生を楽しむための世界一具体的な方法――『人生は楽しいかい?』(夜間飛行編集部)
「アジカン」ゴッチと一緒に考える、3.11後の日本(津田大介)
ルンバを必要としない我が家でダイソンを導入した話(小寺信良)
『もののあはれ』の実装は可能か(宇野常寛)
若林理砂のメールマガジン
「鍼灸師が教える一人でできる養生法」

[料金(税込)] 550円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回発行(第2,第4月曜日配信予定)

ページのトップへ