名越康文
@nakoshiyasufumi

朝日カルチャーセンター新宿出版記念講座より

対人関係の9割は「自分の頭の中」で起きている

この記事は、2017年8月2日に、朝日カルチャーセンター新宿教室で行われた、『Solo Time 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』の内容を採録したものです。

 

 

 

 

なぜ『ソロタイム』はこれほど受け入れられたのか

 

これだけ多くの人に読んでもらえると思えていなかったんですよね。

いや、正直に言うと、『ソロタイム 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』というタイトルがついた時は、「あ、もしかして売れるかも?」とは思いました(笑)。

でもね、内容的には、結構ややこしい話をしているし、「なんだかよくわからない」と思われちゃうんじゃないか、と心配していたんです。

でも出版後、いくつか、好意的な書評をしていただき、テレビやラジオで質問されたり、いくつかのインタビューを受けるなかで、「ああ、これは結構、今の日本の世情にあった内容だったんだな」ということがわかってきた。

そう思ったきっかけの一つは、インタビューしてくれる人たちが、口を揃えたように、同じ質問をしてくれたからです。

それは「本当の『ひとりぼっち』って、どういうことなんでしょう?」という質問です。

この質問が出るということ自体が、僕にとっては「わが意を得たり」というところがあってすごく嬉しかったんですね。

僕の考える意味での「ひとりぼっちの時間」を過ごせなくて、苦しんでいる人がたくさんいる。そして多くの人は、そのことになんとなく気づいているけれど、うまく言葉にできていない。

いやむしろ多くの人は、「私は人付き合いが苦手だ」「もっと人とうまく関わらなければ」と焦っているからこそ、本当に足りないのが「ひとりぼっちの時間」であることに、気がつかずにいるのでしょう。

 

対人関係の9割は「自分の頭の中」で起きている

イラスト:伊藤美樹

 

僕の考える「ひとりぼっちの時間」というのは、脳、あるいは心……まあ、どう呼んでもいいのですが、要するに「自分の中の他人」を追い払い、心、あるいは脳の中を一人にする、ということなんです。

対人関係というのは、どんな心理学でも取り扱う、非常に範囲の広いテーマです。ただ、あえて僕の心理学の特徴を申し上げるなら、「他人は、自分の内側にいる」ということを出発点にするところだと思っています。

たとえば、ここにAさんとBさんがいたとする。僕の心理学においては、「Aさんの頭の中にあるAさんとBさんの関係性」と「Bさんの頭の中にあるAさんとBさんの関係性」というのは、まったく別々のものとして捉えるわけですね。

両者は、無関係なわけではもちろんないのだけど、まずはAさんの頭の中と、Bさんの頭の中を切り分ける。そこからスタートする。

「ひとりぼっち」というと、私たちは普通、「友達や恋人がいない」「家族と疎遠で連絡を取り合っていない」という、現実の人間関係における「ひとり」の状態を思い浮かべます。

でも、僕の心理学でいう「ひとりぼっち」というのは、自分の頭の中から「他人」を追い払って、頭の中を「ひとり」にして過ごす時間を指すんです。

僕がこれまで相談を受けてきたクライアントのほとんどは、頭の中にあふれるほど「他人」を抱えたまま、日常生活を送っていました。

「会社に行ったら、あの人からこんなことを言われるかもしれない」
「恋人に出したLINEが既読になっているのに、返事がない」
「先月、母親から言われたあの言葉が忘れられない」

こうした「頭の中の他人」の言葉によって、四六時中、苦しんでいる人がたくさんいて、そういう「頭の中の他人の声」からどうやって自由になるか、ということを僕の心理学では、ずっとやってきた。

今回の本では、それを「ひとりぼっちになる」というキーワードで考えてみた、ということなんです。

 

「ひとりぼっち」は「孤独」ではない

 

ひとりぼっちというのは辛いものだと、誰もが考えています。でも、その「辛さ」が起きるのは、実は「頭の中の他人」がいるからです。「頭の中の他人」こそが、孤独感を生み出している原因なのです。

そういう意味では、「頭の中をひとりぼっちにすることができない」からこそ、私たちの孤独感は強くなり、日々が辛くなる、ということがある。

土日にいっぱい予定が入っていても、孤独な人もいれば、ひとりぼっちで過ごしていても、心の中に他人からの声が聞こえない人は「孤独」ではない。むしろ、そういう人はしっかりとした居場所感を持って、この世界で生きることができているケースが多い。

頭の中の他人が騒いでいないとき、

頭のなかが「ひとりぼっち」になっているとき、

人は孤独感にさいなまれず、明るく過ごすことができるのです。

 

ソロタイム=ひとりぼっちの時間の作り方、教えます。

 

早速3刷! 『ソロタイム(Solo Time) 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』


著者:名越康文
四六版並製、256ページ
ISBN:978-4906790258
定価1600円+税
夜間飛行 2017年6月12日刊

アマゾン→http://amzn.to/2raktov

honto→https://honto.jp/netstore/pd-book_28512870.html

 

■内容

他人の言葉や常識に振り回されず、
納得のいく人生を送るために必要な
新時代のライフスタイルの提案!

5000人のカウンセリング経験から得た精神科医の結論!

「会社や家族、友人や恋人といったさまざまな人間関係を維持していくことだけに、人生のエネルギーと時間の大半を注ぎ込んでいる人は少なくありません。しかし、そのことが、現代人の不幸を生み出しています。
人間関係は大切だけれど、それ自体は人生の目的ではないのです」

「日ごろの人間関係からいったん手を離し、静かで落ち着いた、ひとりぼっちの時間を過ごす。たったそれだけのことで、何ともいえないような虚しさが、ふっと楽になった、という人は、少なくありません」
(本書より)

<<各所で絶賛!! 話題沸騰!!>>

繋がりを繋がりに戻すためにはひとりの時間が必要です。「ひとりになってみる!」とひとり宣言をしてみる。そしたら思っている以上に勇気が出たり、自分の力を取り戻せていけますよ。(しいたけ占いのしいたけさんブログより)

ラジオ「伊集院光とラジオト」「ハフポスト日本版」「ビジネスブックマラソン」など、各メディアで大きく取り上げられました!

 

 

 

 

名越康文
1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、京都精華大学客員教授。 専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:大阪府立精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。 著書に『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』(角川SSC新書、2010)、『毎日トクしている人の秘密』(PHP、2012)、『自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン』(医学書院、2012)、『質問です。』(飛鳥新社、2013)、『驚く力 さえない毎日から抜け出す64のヒント』(夜間飛行、2013)などがある。 名越康文公式サイト「精神科医・名越康文の研究室」 http://nakoshiyasufumi.net/

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