名越康文
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名越康文のメルマガ『生きるための対話(dialogue)』より

自分の心を4色に分ける——苦手な人とうまくつきあう方法

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苦手な人とのおつきあいを「人生の糧」にする

「どんな人と付き合うか」ということは、人生を左右する大きな課題です。もちろん、自分に取って良い影響を与える人とお付き合いするほうが、自分を傷つけたり、さいなんだりする人と付き合うよりいいのは間違いありません。

一緒にいるだけで苦しくなってしまうような人間関係からはできるだけ距離を取る。それだけで、抱えていた悩みが自然にフッと軽くなることも少なくありませんから。

しかし現実には、僕らが「大人」として生きていく以上、「好きな人とだけ付き合う」というわけにはいかず、時には自分にとって苦手な人ともお付き合いしていく必要もあります。

さらに付け加えれば、「自分によい影響を与える人、悪い影響を与える人」ということをきっちり判断できるようなモノサシを作ったからといって、そもそも人間関係というのは自分の思い通りにコントロールできるものではありません。「ちょっとこの人は苦手だな」と思っても付き合わなければいけない相手とは付き合わなければいけないし、こちらがお付き合いしたいと思う相手だけどご縁がない、ということも当然あります。

よって、対人関係において大切な事は「付き合う相手を損得勘定で選ぶ」というよりは、「さまざまな人間関係の中で、自分自身をどう成長させていくか」ということに尽きるのです。苦手な人とのコミュニケーションで疲れ果ててしまうのか、苦労しつつもそこから「糧」を得るか。それによって人生の豊かさはまったく違ってきます。

そして、その観点から見たときに重要なことは、「できるだけ自分の心が健やかな状態にあるときに他人と付き合う」ということです。

心が疲れていて、他人とコミュニケーションを取るのがきついときは、ひとまず精神的に距離を置く。しかるのちに、やはりきっちりと話をする必要があると判断するなら、きちんと自分のコンディションを整えてからもう一度チャレンジする。

少なくともそのほうが、疲れ切ったままコミュニケーションを続けるよりも、僕らが人間的に成長できるチャンスは広がるはずです。

ただ、気をつけてほしいのは、僕らは疲れ果てて、落ち込んでいるときほど、逆に、他人とのコミュニケーションを求めてしまいがちだということです。

このように考えてみると、他人とうまくコミュニケーションを取るための基礎として、「自分の心と上手に付き合う」スキルを高めておくことが重要であることがわかります。僕は『自分を支える心の技法』という本で「心とは付き合いにくい隣人のようなもの」ということを書きましたが、「自分の心と上手に付き合う」ということができて初めて、僕らは他人とのコミュニケーションに臨めるようになるのです。

では、具体的にはどうすればいいのか? 自分の心との付き合い方については書籍を読んでいただくとして、ここでは「自分のコンディションをモニタリングする」簡単な方法をご紹介したいと思います。

 

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名越康文
1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、京都精華大学客員教授。 専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:大阪府立精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。 著書に『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』(角川SSC新書、2010)、『毎日トクしている人の秘密』(PHP、2012)、『自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン』(医学書院、2012)、『質問です。』(飛鳥新社、2013)、『驚く力 さえない毎日から抜け出す64のヒント』(夜間飛行、2013)などがある。 名越康文公式サイト「精神科医・名越康文の研究室」 http://nakoshiyasufumi.net/

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