藤沢数希のメルマガ『週刊金融日記』第289号(2017年10月23日発行)より、冒頭部分をお届けします。
〘第289号 目次紹介〙
// 週刊金融日記
// 2017年10月23日 第289号
// ビットコイン・ゴールド 金の雨が天から降り注ぐ
// 自民圧勝で日経平均未踏の15連騰か
// 赤坂の北京ダックの名店
// タイで予算10万円のおすすめスポット
// 他
こんにちは。藤沢数希です。
このメルマガを受け取るころには超大型の台風が関東地方に直撃しているかもしれません。近畿にはすでに接近しており、大和川が氾濫しそうで大変なことになっております。大和川は天井川になっており、堤防が決壊すれば、大阪や奈良の多くの地域が大変な洪水になってしまいます。なんとか持ちこたえてほしいですね。しかし、どのテレビ局も、もう結果が出た選挙の報道ばかりで、この未曾有の台風に関して報道しておりません。困ったものです。
●台風21号 紀伊半島中心に記録的な大雨 23日に上陸のおそれ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171022/k10011187941000.html
●大阪、和歌山など避難指示 風で転倒、けが人相次ぐ
http://www.sankei.com/west/photos/171023/wst1710230028-p1.html
TBSで中居正広さんの新しい番組がはじまりました。この番組は、なかい君が自分が知りたいことを専門家の人たちに聞いて、専門家がそれに答えるというのが趣旨です。しかし、専門家の人が直接話すことはあまりなく、基本的に、芸人さんが専門家から聞いてきた内容をわかりやすい授業にするという構成になっております。
初回のテーマは結婚と離婚で、たくさん稼いでいるなかい君に、結婚でどのように金が動くのかを教える専門家として僕も協力しました。僕の本も番組で紹介されました。すこしでも多くの方が結婚と離婚の正しい知識を身につけてくれれば、と思います。
●『なかい君の学スイッチ』初回の授業は銀行と離婚 なかい君の2大疑問解決スペシャル
http://www.tbs.co.jp/hot-jyouhou/201710161905.html
『損する結婚 儲かる離婚』 http://amzn.to/2iyj2jF
今週も面白い投稿がいくつもありました。見所は以下のとおりです。
—オナ禁54日目で射精テスト突破できました
—BLOGOS週刊金融日記のバックナンバーの保存と検索ツール
—留学の費用調達方法
—タイで予算10万円のおすすめスポット
—とんでもなく可愛い女子大生と出会ってすぐにセックスできたのですが非モテコミットしています
—アラサーですが学園祭に参戦していいのでしょうか
—アポが3週間後の場合のLINEのやりとりについて
それでは今週もよろしくお願いします。
1.ビットコイン・ゴールド 金の雨が天から降り注ぐ
ビットコインのハードフォークが再び起こりそうだ。香港の暗号通貨開発者やマイニング・グループが、ビットコインのブロックチェーンから分岐させた新たな暗号通貨をローンチする。上手くいけば、一夜にして1兆円以上の価値を持つコインが誕生することになる。
●BITCOIN GOLD - Official Site
https://btcgpu.org
ビットコイン・キャッシュのときと同様に、こうした安易なハードフォークは、古くからのビットコイナー(=ビットコインを愛している人)には不評である。それは長期的にはビットコイン、そして、暗号通貨市場全体の信頼性を毀損していくものだからである。今回は、特にプレマインが行われることに対して批判が集まっている。
ビットコイン・ゴールドはビットコインのブロック#491407を引き継ぐことになる。それが10月25日だ。つまり、その時点ではビットコイン・ゴールドの所有者とビットコインの所有者は完全に一致する。しかし、実際にビットコイン・ゴールドが使えるようになるのは11月1日からである。その間に、香港のビットコイン・ゴールドのチームが先にマイニングしてしまい、いくらかのビットコイン・ゴールドを手に入れるのである。
これは安定稼働させるためだとか、さらなるセキュリティのチェックのためだとか、いろいろと正当化する理由があるし、確かにそれはもっともなことでもあるのだが、彼らが濡れ手に粟のボロ儲けをすることは間違いなさそうだ。ハードフォーク自体がコイナーたちには許されざる行為なのだが、このプレマインは犯罪的でさえあるのだ。
(筆者はプレマインがどう行われるのか完全に把握しているわけではないので、上記の説明は間違っている可能性があるが、間違っていても大した問題ではない。トレーディングでは正しく理解しないと死活問題になることと、どうでもいいことがある。この問題はどうでもいいことのほうだ。)
しかし、僕たちにとっては、彼らがプレマインで10億もらおうが20億もらおうが、どうでもいいことである。なんせ生み出される価値は1兆円以上なので、彼らがひとり10億もらおうが大した問題ではない。むしろ、正当な報酬と言ってもいいぐらいだ。ビットコイン・ホルダーの上に1兆円以上の文字通りの金の雨を振らせてくれる人たちなのだ。彼らを歓迎しないわけにはいかない。一部のコイナーを除き、僕たちは単に儲かるからビットコインに関わっているだけである。ハードフォークのような錬金術が頻繁に行われた結果、ビットコインの信頼性がなくなり、ビットコインそのものが将来死んでしまったとしても、僕たちには何ら関係のないことだ。そのときには、何か別の儲かるものを探して、それを弄っているだけである。
このように、すでに人気を確立したビットコインのような暗号通貨のハードフォークが非常に安直な錬金術であり、今後、それはがん細胞のように暗号通貨市場全体の信頼性を蝕んでいくことになるだろう。これは非常に面白いテーマなのだが、そうした議論はまた別の機会に譲ろう。今回は、水曜日のビットコイン・ゴールドのハードフォークからいかに儲けるか、ということにフォーカスする。
結論から言うと、ビットコイン・ゴールドもまた、ビットコイン・キャッシュと同様にフリーランチなのだ。そして、僕たちはそのフリーランチのありつき方をよく知っているというわけだ。驚くことに、ビットコイン・キャッシュのときのトレーディング戦略が、今回もそっくりそのまま使える。
以下のバックナンバーを何度も読んで、自分のものにしてほしい。そうすれば、自ずと何をすればいいのかは簡単にわかるはずだ。
『週刊金融日記 第277号 ビットコイン分裂の経済学 〜ハードフォークを正しくプライシングする』
『週刊金融日記 第278号 ビットコイン・アービトラージ 〜市場に札束が落っこちていた』
ビットコイン・キャッシュの際は、メディアが分裂騒動が起こっていると非常にネガティブなトーンで報道し続けたため、ハードフォークまでビットコインの値段は上がらず、いくつかの大きな下落を経験した。本来なら、ビットコイン・キャッシュはビットコイン・ホルダーにとってのフリーランチだというのに、それがまったく誤解されていたのだ。さらに、暗号通貨に詳しいと思われていたコイナーたちも、ビットコイン・キャッシュを酷評していた。なぜ、コイナーたちが、短期的には自分たちに利益をもたらすはずのこうしたハードフォークを忌み嫌うのか、というのも面白いトピックなのだが、それもまた今回は触れないでおこう。
とにかく、こうして本来、非常にポジティブなイベントであるにもかかわらず、大衆向けのメディアからも暗号通貨の専門家からも叩かれ、プライスを極端に下げられていたのだから、その後のビットコインの急激な上昇も当然のことだったのである。
(続きは藤沢数希のメールマガジン『週刊金融日記』第289号にてお読みください)
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藤沢数希・著『損する結婚 儲かる離婚』
男女双方とも、簡単に全財産以上の金額が吹っ飛ぶのが結婚という金銭契約です。 「結婚はデリバティブ取引と同じでゼロサムゲーム。こと金に関しては夫婦は食うか食われるかの関係にある」。金融工学と恋愛工学について研究を重ねてきた藤沢数希が、適切な結婚相手の選び方を具体的なケースを元に解き明かす!
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