※高城未来研究所【Future Report】Vol.339(2017年12月15日発行)より

今週は、大阪にいます。
いよいよスターウォーズ「最後のジェダイ」が日本でも公開となり、そのシリーズ最新作を観るため、わざわざ大阪のIMAXシアターまでやってきました。
IMAXは、カナダの特殊映像規格を持つ会社で、60年代に設立された古い企業です。
動画用フィルムでもっとも大きな面積を持つ70mmを、横送りにしてさらに大型映像にした超高解像度の映像フォーマットで、横幅のピクセルがおよそ16Kもあり、今後登場する8Kの4倍の情報量を持っている、現在、世界最大画素数の動画規格となります。
いま、多くの映像がHDと言われる2Kに対して、IMAXフィルムの情報量は、HDのおよそ40倍以上ありまして、70年代に世界中で開催された万博や各地の常設科学館、そして観光戦略の目玉として、巨大なIMAXシアターが次々とオープンしていました。
しかし、あまりに革新的な技術だったために、撮影コストが驚くほどかかり(フィルム1ロールで可能な撮影時間は、わずか3分)、その後は、徐々に忘れ去られていく存在になります。
一方、時を経て各家庭に安価になった大型テレビが次々と導入され、映画館にわざわざ出向く必要もなくなってきました。
Netflixなどの台頭により、わざわざ映画館に出向かなくても、UberEATSで食事を頼み、家庭内の巨大モニターでオンラインで映画を楽しむようなライフスタイルへと、21世紀に入り大きく変わることになりました。
そこで、映画会社としては、なんとしても人々の足をもう一度映画館に向けさせる必要があります。
家庭内のモニターが年々巨大化していることから、映画館は、より一層大きなスクリーンで圧倒的な体験を提供しなければ、観客はお金を落としません。
このような苦境に喘ぐ映画会社の最後の希望として、失われたIMAXが復権することになりました。
まるで、「最後のジェダイ」のような話です。
時代に早すぎた高解像度を持つIMAXは、この数年、クリストファー・ノーランをはじめとする劇場に強いこだわりを持つ監督に支持され、少しづつファンを獲得してきました。
そして、今年ディズニーがIMAX社と契約し、今後の大作はIMAXで制作されることが発表されました。
ですが、IMAXシアターには、実は二種類あります。
日本国内のIMAXデジタルシアターは20館以上ありますが、そのほとんどは「ウソMAX」(英語でLIEMAX)と言われる2KHDの上映形態なんです。
それゆえ、秋には「ダンケルク」を見に、僕も大阪のIMAXシアターまで足を運びましたが、まるで別作品のようでした。
IMAXカメラで撮影された映画は、IMAXで見なければ、製作者の真意がわからないと言われるのも納得です。
スターウォーズの前作「フォースの覚醒」でもファンが大問題としてあげていましたが、IMAXシアターでの上映と「ウソMAX」上映では、あまりに映像(画角)が違います(STAR WARS: THE FORCE AWAKENS IMAX Details Revealed)。
「ウソMAX」シアターでは、ミレニアムファルコン号のフルショットが、本物のIMAXシアターと比べ、上下が大きくカットされてしまっているのです。
現在、日本で上下がカットされていない、かつ高解像度を保つ本物のIMAXシアターは、大阪エキスポシティ一1館しかありませんが、ほとんどの人たちは、この事実を知りません。
絶賛、大キャンペーン中のスターウォーズ「最後のジェダイ」。
大半の劇場が上下がカットされたスクリーンなのは、映画会社や配給会社の不都合な真実です。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.339 2017年12月15日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 未来放談
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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