※高城未来研究所【Future Report】Vol.649(11月24日)より
今週は、長野県上田にいます。
上田市は新幹線も止まる人口約15万人強の県内中堅都市で、「信州上田」として知られる観光地でもあり、上田城址や真田丸、安楽寺、北向観音などの歴史的建造物がありますが、どこもインバウンドを呼び込むことに成功しておらず、正直閑散としています。
現在、長野には「2040年問題」が存在します。
年々県内人口が著しく減少する中、85歳以上人口が現在の約1.5倍と大きく増加する高齢者人口のピークが2040年と推定されており、世界に類を見ない「超々高齢化社会」になることが判明しています。
また、団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年に、長野は全国で3番目に企業などで働く人手不足率が高くなる予測も明らかになっています(1番目は京都、二番目は新潟)。
特に農業セクターの働き手減少は顕著で、すでに長野県の農業生産額は平成2年をピークに減少を続けており、当時の約60%まで低下しているのが現状です。
このような明確な見通しがあるゆえ、早急な社会構造の見直しが求められているのは明らかですが、県政に対策する様相は見られません。
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が公表した2045年までの地域別将来推計人口によると、長野県の人口は2045年には15年比23%減の161万人となる見通しで、17市町村で人口が15年の半分以下になり、1000人未満の村は倍増すると発表されています。
もはや長野県の豊かな自然同様、人口動態は「神のみぞ知る」ように見えますが、現実的にはもう少し集まって暮らさなければ、どこかでインフラが維持できなくなると思われます。
これは、長野だけの問題ではありません。
さて、日中が4度まで落ちる上田市から30分ほど離れた山中におりますが、この気温だと体脂肪10%前後だと一段と寒さが身に染みます。
例年、この時期から徐々にmTOR遺伝子をスイッチングし、飢餓モードから蓄積モードへとゆっくりと変えていると、このメールマガジンでも自著でも何度もお伝えしてきました。
移動が多い春から秋口は、生物の細胞質にあるmTORというタンパク質にラパマイシンが結合し、mTORの働きを抑えて細胞修復モード(飢餓モード)を維持し、オートファジーが起こりやすくなる状態にします。
一方、この時期は徐々にインスリン様成長因子1(IGF-1)を増やしてmTORを活性化し、蓄積モードへスイッチします。
IGF-1は、成長ホルモンが肝臓の受容体に働いて生成される物質で、インスリンと同様、糖質やタンパク質を食べると分泌されます。
つまり、移動が多い時期は脂中心の食事を心がけ、冬が近づくに連れ、徐々に糖質やタンパク質を増やし、FCPのバランスを見ながら適度に体脂肪を増やして真冬を乗り切っているのがこの数年です。
長い間、人類は衣替えをするように季節によって食事を変え、冬季には冬眠する動物同様体脂肪を増やして、寒く食事にありつけない冬を乗り越えてきました、と忘年会シーズンに突入する言い訳をもっともらしく語っていますが、実際、季節にあわせて食生活を変化させるのが、もっとも体調がよろしい。
先日お伝えした日照時間が短くなる時期からのビタミンD3接種もそうですが、四季折々食事からサプリメント、さらには生活習慣そのものを変えることを心がける。
これこそ本当の「オーガニック」なのではないか、と道の駅などで「有機」と書かれた多くの札を見ながら考える今週です。
もうじき冬がやってきます。
インフルエンザが猛威を震い、学級閉鎖も増えてきました。
ケト・サピエンスの皆様におかれまして、そろそろ蓄積モードに変えて衣替えを進めましょう。
どうかご準備を。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.649 11月24日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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