高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

目のパーソナルトレーナーが脚光を浴びる日

高城未来研究所【Future Report】Vol.346(2018年2月2日発行)より


今週は、東京にいます。

数日間でシンガポール→京都→台北→東京、そして週末から那覇と渡航が続き、南国と雪降る日本を短期間に移動していますと、まるで、暖かいサウナと冷水を浴びるのを交互に行なっているような不思議な感覚になります。
こう書くと、一見健康的のように思えますが、不健康極まりない日々を送っているのは間違いありません。

さて、いよいよ冬季トレーニングも後半に差し掛かりました。

例年、12月から2月はアジアに多く滞在し、トレーニングに勤しみます。
その後、北半球の春がはじまる3月ごろから秋までの日照時間が長い季節は、撮影やイベント、また観光にも適したシーズンで、北半球を中心に移動が続きます。
このような年間サイクルは、野球選手のペナントレースと似ており、ハードな渡航者は一種のアスリートなのかもしれませんし、なにより体力と怪我をしないことが求められます。

一般的にシーズンオフのトレーニングといえば、ウェイト・トレーニングやラン、ストレッチなどで、もちろん僕も体力増強のために、それらを取り入れていますが、ケアも重要です。
僕も含め、多くの人は「いまよりプラス」になるトレーニングを考えるのでしょうが、あわせて「マイナスをゼロまで戻す」作業も並行して行う必要があります。

そこで、今年はいくつかの映像プロジェクトが控えてることもあって、視力回復に力を入れました。

まず、MRIのシーケンスである拡散画像強調を用い、視覚野「V1」の血流を調べ、ピンポイントで停滞していると思われるところを探し出し、鍼灸などの代替医療を中心に、眼輪筋トレーニングとケアを2ヶ月弱試みました。
その結果、両目とも1.2まで回復させることに成功。
もともと視力が1.0と0.8ほどありまして、日々、目を酷使している割りには、そこまで悪くなかったと思いますが(周囲は、働いてないからだ、と言いますが)、1.2まで戻すと、視力だけでなく、輝度や視界が広がったように感じます。

ただし、どの施術やトレーニングが効果的だったのか自分でもわからず(同時に、いつまで持続するのかも不明です)、もしかしたら、様々な組み合わせがよかったのかもしれませんし、ただの偶然かもしれません。
一方、話題ばかりが先行し、効果が不明瞭な「ジクアス点眼液3%」や、「えんきん」をはじめとするサプリ各種は、一切使用しませんでした。
あくまでも、トレーニングとケアに努めた結果です。

今回、検査から網膜等に異常がありませんでしたので、僕の視力回復の鍵は「視覚野 」(Visual cortex)にあると考えました。
大脳新皮質のうちでも比較的研究が進んでいる一次視覚野は、ブロードマンの脳地図「V1」(17野)と呼ばれ、接続している「V2」(18野)、「V3」(19野)に複雑なフィードバックがあり、いわゆる「視力」を作り出しています。
「V1」は、様々な動物に共通しているため、視覚進化の比較的早い段階で獲得したと考えられており、現代人特有のデジタル・ディバイスの使用過多による疲れ目や視力の低下は、まず、ここから起きるはずです。
つまり、目そのもののケアではなく、脳の後頭部にある「V1」のケアを徹底的に行い、補助的に眼輪筋トレーニングに集中したのです。

このトレーニングとケアを続けたところ、6週間程度で見事視力が回復。
ダイエットやボディ・トレーニングの方法が人によって異なるように、誰もの視力が同じように回復するわけではないのでしょうが、今後、視覚野のケアや目のトレーニングは、情報化時代を生き抜く必須術になるかもしれませんし、目のパーソナルトレーナーが脚光を浴びる日が来るかもしれません。

冬季トレーニングも後半に入りました。
今年も、もう少し挑戦と実験を続けてみたいと思います。

 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.346 2018年2月2日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 未来放談
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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