高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

美食にサーフィンに映画と三拍子揃ったサンセバスチャンの「美味しさ」

高城未来研究所【Future Report】Vol.432(2019年9月27日発行)より

今週は、サンセバスチャンにいます。

いまから7年前に出した自著「人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか―スペイン サン・セバスチャンの奇跡」は、おかげさまで、いまも増刷を続ける超ロングセラーの一冊となりました。

いったい、なぜこんな通年天気が悪い小さな街が、世界有数の美食都市になったのでしょうか?

小さな地方都市が大躍進した秘訣は本書に譲りたいと思いますが、当時は、バルセロナに住んでいたこともあり、頻繁にサンセバスチャンに足繁く通っていました。
その記録をまとめた自著がヒットするにつれ、日本でもサンセバスチャンに脚光があたり、スペイン・バルブームが日本中で巻き起こるきっかけともなりました。
日本の旅先で訪れるバルで、店主から自著を読んでスペインに行ったお話を伺う度、筆者冥利に尽きます。
今週も多くの飲食業を営む方々から、街角で何度もお声がけをいただきました。

さて今回の旅路は、美食家と名乗る(実際は偏食家)友人たちとともにサンセバスチャンに訪れていますが、名店からバル巡りと、二日で1キロは太る覚悟で行程が続き、まるでアスリートのように(フードファイターのように)、新店を中心に巡っています。

実は、この時期のサンセバスチャンの魅力は、みっつもあります。
ひとつは、名店と言われるレストランが長い夏休みを経て、新作メニューを一斉に公開するタイミングなんです。
秋の味覚はスペインも同じで、旬のキノコなど、季節の食材が盛りだくさん。
年間を通じて、「おいしい季節」の到来です!

ふたつめは、良い波のシーズンがはじまったこと。
実は、サンセバスチャンからビアリッツの間は、欧州有数のサーフポイントとして知られ、街を歩いてバッタリ友人のプロサーファーに出くわすのもこの時期です。
ビーチが3つあり、メインのサーフポイントは一番北にあるスリオラビーチ。
海でたっぷり遊び、丘に上がってバル三昧。
気候も良いこの時期のビーチは、ダメ人間で溢れています(笑)。

そしてみっつめは、この時期に開催されるスペイン最大の国際映画祭、サンセバスチャン国際映画祭です。
世界有数の映画祭として躍進しつつあるサンセバスチャン国際映画祭は、1000を超すメディアも駆けつけるほど国内外からの注目度も高く、世界三大映画祭(カンヌ、ベネチア、ベルリン)に次ぐ重要な映画祭として躍進しています。
街を歩いていて、何度海千山千の映画関係者にバッタリ会ったことか!

こうして、今週のサンセバスチャンは、異なる三方向からロクデナシが集まり、尋常ではない盛り上がりを見せているのです。

美食にサーフィンに映画。
サンセバスチャンの「美味しさ」は、食事に限りませんね。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.432 2019年9月27日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

その他の記事

新宿が「世界一の屋内都市」になれない理由(高城剛)
ゴジラは「映画」だーー本多猪四郎を語るために欠かせなかった7つの課題(切通理作)
週刊金融日記 第295号【ビットコインで儲けたお金をベンチャー企業につっこもう、米国法人税率20%が実現すれば空前の好景気が到来する他】(藤沢数希)
ウクライナ問題、そして左派メディアは静かになった(やまもといちろう)
歴史に見られる不思議なサイクル(高城剛)
ソフトキーボード、ほんとうに「物理キーと同じ配列でいい」の?(西田宗千佳)
「わからない」という断念から新しい生き方を生み出していく(甲野善紀)
もう少し、国内事業者を平等に or 利する法制はできないのだろうか(やまもといちろう)
コロナ後で勝ち負け鮮明になる不動産市況(やまもといちろう)
「本気」という無意識のゴンドラに乗るために(名越康文)
古い枠組みから脱するための復活の鍵は「ストリート」(高城剛)
「嫌われJASRAC」が地裁裁判で無事勝利の報(やまもといちろう)
YASHICAブランドのスマホ向け高級レンズを試す(小寺信良)
「交際最長記録は10カ月。どうしても恋人と長続きしません」(石田衣良)
「節分」と「立春」(高城剛)
高城剛のメールマガジン
「高城未来研究所「Future Report」」

[料金(税込)] 880円(税込)/ 月
[発行周期] 月4回配信(第1~4金曜日配信予定。12月,1月は3回になる可能性あり)

ページのトップへ