読者の皆様への夜間飛行からのお詫びと『寝そべり宗教学』についてのご説明
日頃より、夜間飛行メールマガジンおよび、ニュースサイト「プレタポルテ」へのご愛顧をいただきありがとうございます。
このたび、メールマガジン「寝そべり宗教学」および、プレタポルテ掲載の「宗教学たん」記事について盗用等の指摘を受けた件について、読まれていた読者の皆様に不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。経緯につきましては、「宗教学たん」筆者からの説明をご覧ください。
夜間飛行は「価値あるコンテンツを読者のもとへ届ける」ということを使命としています。紙媒体であれ、ネット媒体であれ、実名であれ、匿名であれ、そのことに違いはありません。「宗教学たん」は仮想のキャラクターであり、匿名の筆者ですが、それは決してコンテンツの価値や信頼性を損ねるものではない、というのが我々の見解です。
メールマガジン「寝そべり宗教学」は、筆者のキャリア・知見をもとにした記事内容であり、読者に提供する価値があるものと判断し配信して参りました。
しかし、今回、盗用等の指摘を受けた点について十分に説明し、読者の皆様の理解を得てメールマガジン発行を継続させていく上で、実名公開は必須であると考えました。そこで筆者と編集部で話し合った結果、実名公開はせずメールマガジンを打ち切ることになりました。
メールマガジンをご購読してくださった方には大変ご迷惑をおかけしたこと、心よりお詫び申し上げます。これまで購読してくださった皆様には、全額返金の手続きを進めさせて頂きます。
このような事態となったことは大変残念ですが、読者の皆様はじめ関係者の皆様にお詫び申し上げます。
夜間飛行 編集部
【追記 2015.3.19】
本件について、池内恵先生のブログエントリーをリンクさせていただきます。
『イスラーム国の衝撃』を剽窃した記事についての対応
http://chutoislam.blog.fc2.com/blog-entry-286.html
なお、夜間飛行編集部としても今回の出来事を重く受け止めており、現時点で以下の対応をさせていただいております。
(1)池内恵先生への謝罪と経緯説明について
3.16以降数回、筆者本人より池内恵先生への謝罪と経緯説明を行っています。
(2)宗教学たんメールマガジン読者への対応
3.17付でメールマガジンの配信停止および、購読者への全額返金を行うことを決めました。(返金処理そのものは、決済機関ごとにタイミングが異なるため、順次行わせていただきます)
(3)社会への影響について
問題となった記事については削除する必要がありますが、本件について検証可能な状態を保つため、一定期間、夜間飛行プレタポルテ掲載記事および転載された東洋経済オンラインの記事(※)から、上記の池内先生のエントリーおよび本エントリーへのリンクを貼ることとします。その後、2015年3月23日を持ちまして、問題となった記事の削除をさせていただくこととします。
※問題となった記事の配信元は夜間飛行であり、東洋経済オンラインは二次利用契約に基づいて記事掲載を行っています。本件についてのご連絡、お問い合わせは夜間飛行にいただければ幸いです。
以上を、本件についての夜間飛行の対応とさせていただきます。池内恵先生、お騒がせをした皆様には、改めて深くお詫びを申しあげます。
また、筆者(宗教学たん)より、3.19付で追記がありましたので、以下に掲載いたします。
「宗教学たん」からのご説明
このたびは、「宗教学たん」のメルマガに書かれた内容の件で、池内恵先生をはじめ読者の皆様に大変不愉快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます。
経緯をご存じない方のために簡潔に説明いたします。メルマガの執筆者である私は、参照元を明らかにしないままに、池内先生のご著書やブログに書かれている内容を参考に原稿を執筆し、それが「夜間飛行」のプレタポルテおよび「東洋経済オンライン」のサイトに掲載されました。その後、池内先生からFacebook上で剽窃であるとのご指摘を受けました。
以下に池内先生がご指摘くださった箇所をあげておきます。メルマガでイスラム国を扱った部分は全体で3回、18項目あります。ここではとくに先生がFacebookで指摘された3箇所、および明らかに先生の記述を参考にしたと自覚している1箇所、計4箇所について回答いたします。これらの箇所の多くは、まず先生のご著書やブログを読んで、そのほかの資料を読み、私が文章を書くというプロセスを経ています。なお、メルマガの目次は本文の末尾に掲載しています。
*第2回「6 宗教を語るためのリテラシー」および「イスラーム国」の呼び方について
池内先生のブログ『中東・イスラーム風姿花伝』「「イスラーム国」の表記について」の前半を参考にしました。メルマガで使われる「リテラシー」という言葉や前半の内容が、とりわけ先生の論旨に沿ったものでした。
*第3回「2 イスラム国の終末思想」
章末の終末論が「1990年代には、雑誌や読みものを通してけっこう流行していた」という記述は、『現代アラブの社会思想』の第2部「高まる終末意識」のなかに書いていらっしゃったのを覚えており、それをもとにしました。
*第3回「3 終末へ向けた7つのステップ」
「終末へ向けた7つのステップ」は池内先生の『イスラーム国の衝撃』第3章「甦るイラクのアル=カイーダ」「組織の変遷」の部分を参考にしました。できるだけ『アッ=ザルカーウィー:アルカイーダの第2世代』の出版に近い頃の情報をと思い、2005年8月12日のSpiegel On Lineに掲載されたThe Future of Terrorismという記事を翻訳・要約しました。先生のご著書と用語が異なるのは、最終的にSpiegelの記事を見ながらメルマガを書いたためです。
*第3回「4 機関誌「ダービク」は終末のシンボル」
『ダービク』に関する記述も池内先生の『イスラーム国の衝撃』の第3章を参考にしました。そのほかにメルマガで引用したのはイスラム国の機関紙である『ダービク』の創刊号です。終末に起こるハルマゲドンとの類比はその箇所に示唆されています。
以上です。
池内先生がおっしゃる「東洋経済オンライン」の不当な利益について、何か言える立場にはありませんが、私を信頼して掲載してくださったものと考えています。ですから、当然のことながら、一切の責任は私にあります。
「宗教学たん」のメルマガは当該記事を削除し、打ち切ることにいたします。ツイッターのアカウントはこの謝罪文へリンクを貼るためにしばらく残しておきますが、最終的にはこちらも閉鎖いたします。
最後になりましたが、もう一度池内先生と読者の皆様にご迷惑をおかけいたしましたことを心よりお詫び申し上げます。
メールマガジン『寝そべり宗教学』筆者
追記
記事の内容を検証できるよう、以下にこれまでプレタポルテ掲載分のリンクと目次を載せておきます(編集部注。見出しについては「夜間飛行プレタポルテ」掲載時に編集部にて変更しています。また2015年3月23日をもちまして、リンク先の記事を削除いたしました)。問題になった上記の4箇所については*をつけています。ただし、そこに書かれていることすべてが池内先生のご意見というわけではありません。誤りについてはすべて私に責任があります。
第1回 教えて!宗教学たん!「イスラム国ってなんであんな怖いことするの?」
1 イスラム教とテロリズム
2 カリフ制とジハードはイスラム国の宗教的イデオロギー
3 「世俗vs宗教」という見せかけの戦略
4 イスラム原理主義ってなに?
5 純粋だけど厳しいイブン・タイミーヤ
6 サウジのイデオローグ、ムハンマド・アル・ワッハーブ
7 20世紀最大の原理主義者、サイイド・クトゥブ
第2回 イスラム国はイスラム教と無関係という意見は、ちょっと危ないと思うよ!
1 前回までのおさらい
2 イスラム国の基礎を作ったザルカーウィーと宗教的な理念
3 アフガニスタンからイラクへ
4 カリフを名乗ったバグダーディーのイメージ戦略
5 「暴力的な原理主義の原因はイスラム教じゃない」という意見の危うさ
6 宗教を語るためのリテラシー *
第3回 イスラム国が思い描く「2020年のハルマゲドン」へのロードマップ
1 イスラム国が世界の終わりを信じてる!? *
2 イスラム国の終末思想
3 終末へ向けた7つのステップ *
4 機関誌「ダービク」は終末のシンボル *
5 リアルな終末思想の危険性
謝罪文の追記(2015.3.19)
3月17日の謝罪文に不明確かつ不十分な点があったため追記いたします。
今回の件に関して、池内恵先生がたびたびFacebookでご指摘くださったことに間違いはありません。池内先生のブログ記事「『イスラーム国の衝撃』を剽窃した記事についての対応」についても同様です。
http://chutoislam.blog.fc2.com/blog-entry-286.html
私の3回にわたるメールマガジンの冒頭の記事は、池内先生のご著書、『イスラーム国の衝撃』と『現代アラブの社会思想』、そしてブログ、『中東・イスラーム学の風姿花伝』を無断で用いた剽窃でした。さらにそこに書かれている内容を不正確に写した部分が複数箇所存在し、池内先生のお書かきになったものを歪曲、劣化させ、世に広めることになってしまいました。これは無断引用よりもさらに悪質であると反省しています。池内先生がおっしゃるように、剽窃は社会に対して行う行為であるという認識がなかったことを認めます。私が書いた記事は撤回いたします。
なお、メールマガジンの配信はすでに停止しています。私から「夜間飛行」のプレタポルテ、ならびに「東洋経済オンライン」の記事も削除をお願いしました。
すでに申し上げたように、「宗教学たん」のメールマガジンは当該記事を削除し、発行を打ち切ることにいたします。ツイッターのアカウントはこの謝罪文へリンクを貼るためにしばらく残しておきますが、最終的にはこちらも閉鎖いたします。ただしこれらの判断は、私と夜間飛行が行ったものです。
池内先生に重ねてお詫びを申し上げるとともに、私の記事が読者の皆様だけでなく、社会全体を欺くものであったことを深く反省いたします。申し訳ございませんでした。
メールマガジン『寝そべり宗教学』執筆者
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