※メールマガジン「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」2017年10月27日 Vol.147 <そろそろ鍋が美味しい季節号>より
関東地方では連日雨が続いているせいで、車で出かけざるを得ない日々が続いている。窓の水滴で視界が悪くなるため、普段よりも用心して運転しているつもりだが、ここのところ「もうちょっと考えれば?」という事例に遭遇することになったので、今日はそのことについて書いてみたい。
今週の月曜日に、一般道では希に見る大渋滞に巻き込まれた。交通量はそこそこあるが、普段は渋滞することのない交差点である。
・デッドロックあるある
筆者の車は図の一番下の青い四角だが、目の前の赤い車がT字路を塞いでいるため、そこを右折したい車が入れない。この右折車を待って後続の車が詰まっているわけだが、大きな交差点でもそこの詰まりを原因とする、二重のデッドロックとなっていて、どうにも身動きが取れない状況になっている。
この赤い車の前はまだ車間に余裕があり、少し詰めて右折車を行かせればこの渋滞は解決するわけだが、このドライバーはまったく周囲の状況を見ておらず、自分がこの渋滞を引き起こしているとは気がついていない。筆者もパッシングで合図してみたが、後ろも見ていないのでどうにもならない。
この右折車が右折を諦めればいいんじゃないかというご意見もあろうかと思うが、ここはスーパーマーケットの駐車場に続く道なので、よく右折車があるところなのだ。
そのぐらいのことで腹を立てるな、と思われるかもしれないが、この車はその直前でもやらかしている。片側で舗装工事が行なわれていたのだが、この道は片側1車線ずつでありながら、道幅はそれなりにある。工事中でも、こちら側が少し横に詰めれば、対向車がすれ違えるだけのスペースはあるのだ。
・工事区間でのやらかし
そこで頑として車を横に寄せず、対向車を1人でせき止めている。そこぐらいまでは気が利かないなと思っただけだったが、そこを抜けるとすぐにT字路を塞ぐように停車し、1人でこの周辺の交通を麻痺させているのは、さすがにいただけない。
周りを見ない原因とは
バスや大型トラックなど、業務で大型車両に乗っているドライバーは、右折車に対して配慮してくれる人が多いように思う。高い位置からだから全体がよく見えるという部分もあるだろうが、業務ドライバーの責任として、周囲の円滑な交通の実現に協力するという姿勢が見て取れる。あのあたりは見習いたいところである。
一方で例のドライバーがなぜ周りを全然見ていないかというと、車高が低い一般車だからということではない。信号待ちや渋滞で止まるたびに、スマホでメールだかメッセージだかSNSへ投稿だか、テキストを一生懸命打ってるからである。
スマートフォンを固定治具でダッシュボードに固定して、カーナビアプリを動作させているだけなら、違反とはならない。加えて渋滞で停止中に、スマホのナビアプリで渋滞迂回ルートを再検索するといった操作を行なうのは、ある程度は仕方がないことである。これまで禁止してしまったら、逆に渋滞の早急な解消に悪影響が出ることになる。
一方で運転中に手で持ってのスマートフォンの使用は、道路交通法違反で減点および反則金の支払い対象となる。ただ、信号による停止中が運転中に当たるかどうかは、判断が別れるところだ。法的には信号停止は運転中にはあたらないとする弁護士もいる一方で、実際にそれで違反切符を切られたという事例もあるようだ。
何か急ぎの用事があるのかもしれないが、それならいったんどこかの駐車場に入れるとか、邪魔にならない路肩に停車するとか、ある程度自分の車の処理をしてから、取りかかるべきだろう。このようなケースが増えて、円滑な交通に支障があるということになれば、信号停止中のスマートフォン操作も、法改正や解釈の厳格化によって、違反側にはっきりと倒される可能性も出てくる。
停車中、特に何らかの事情で渋滞している場合には、渋滞に巻き込まれたという受動的な立場ではなく、渋滞を構成する一員として、早期解消のためにはどう動くべきか、また他のドライバーにどのような動作を促すべきか。
世の中には、「オレ様は運転が上手い」と自信満々の人も多いが、そういう人こそ、こうした「交通における指揮者的役割」の意識を持ちたいところである。
小寺・西田の「金曜ランチビュッフェ」
2017年10月27日 Vol.147 <そろそろ鍋が美味しい季節号> 目次
01 論壇【西田】
「iPadで仕事」環境を考える・iOS11編
02 余談【小寺】
交通指揮者という視点
03 対談【小寺】
沖縄から全国へ。撮影機材通販を展開する「プロ機材ドットコム」の秘密 (2)
04 過去記事【西田】
アマゾン・ベゾス氏はなぜワシントン・ポストを買ったのか
05 ニュースクリップ
06 今週のおたより
07 今週のおしごと
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