内田樹&平川克美のメールマガジン「大人の条件」

「小文字」で執筆中

こんにちは、平川です。

8月に膀胱ガンだと思って入院しました。
手術したら、ガンじゃなかったんです。
まだおしっこする時に痛いけど。
もしかしたら、しなくていい手術をしちゃったんじゃないかという話もあって。でも、これが治ればすべて水に流します。
NZAqb

隣町珈琲にて
さて、最近私が何を書いているのかを少し。

この間出したのが、『路地裏人生論』でしょ。
その前が『あまのじゃくに考える』、その前が『復路の哲学』でしょ。

かつては、『移行期的混乱』『グローバリズムという病』『株式会社という病』など、大きな社会問題を扱って大文字の言葉を書いてきたけれど、ここにきてずっと、小文字の、小声でしゃべるようなことを書いてます。
ZcJQv
あと3本くらい、そんなことをするつもり。
今は、小声でしか語れないことを書く。

なぜか?

もともと、そういうことがやりたかったんですよ。
ジャンルで言うと、文芸エッセイ。一番売れないんです。
出版社にとって営業的には一番出したくない本なんですが、出してもらってます。

無名の詩人が詩集を書くようなものを、敢えて。
本当は、私の経済としても売れなくちゃいけないんだけど、そういうものにとりつかれるように、書いてます。

必要なんです、これは。
日本の出版社も捨てたものじゃない。

次に出るのは『なにかのためではない、特別なこと』。
なんのためでもない本、「何にも役立ちません」と宣言した本です。
まあ、象の鼻がどうのという話をしているんですよ。
大きな期待などせずに、お待ちください。

 

内田樹&平川克美のメールマガジン「大人の条件

2015年8月26日配信 vol.114 目次

★01 小文字で執筆中(平川克美)
★02 小田嶋隆のグラフィカルトーク+平川克美のグラフィカルトーク「解題」
第20回<ぞうさんのお返事>+<自立の思想>
★03 内田樹の「大人になるための本」
第45回 レヴィ=ストロース著『野生の思考』

ご購読はこちらから
http://yakan-hiko.com/uchida.html

 

平川克美さんの新刊発売中!

復路の哲学 されど、語るに足る人生

復路の哲学帯2

日本人よ、品性についての話をしようじゃないか。

成熟するとは、若者とはまったく異なる価値観を獲得するということである。政治家、論客、タレント……「大人になれない大人」があふれる日本において、成熟した「人生の復路」を歩むために。日本人必読の一冊!!

amazonで購入する

その他の記事

レストランからバルへ、大きくかわりつつある美食世界一の街(高城剛)
秋葉原のPCパーツショップで実感するインフレの波(高城剛)
AlphaGoから考える「人とAIの関係」(西田宗千佳)
いまの銀座に「粋」な場所を求めて彷徨う(高城剛)
蕎麦を噛みしめながら太古から連なる文化に想いを馳せる(高城剛)
エッセンシャル・マネジメント(本質行動学)とは何か(西條剛央)
太古から変わらぬ人間の身体と変わりゆく環境の間を考える(高城剛)
世界的観光地が直面するオーバーツーリズムと脱観光立国トレンド(高城剛)
気候変動や環境毒のあり方を通じて考えるフェイクの見極め方(高城剛)
衰退する日本のパラダイムシフトを先導するのは誰か(やまもといちろう)
なぜ若者に奴隷根性が植えつけられたか?(前編)(岩崎夏海)
依存癖を断ち切る方法(高城剛)
ロシアによるウクライナ侵攻とそれによって日本がいまなすべきこと(やまもといちろう)
観光バブル真っ直中の石垣島から(高城剛)
ひとりで「意識のレベル」を測る方法(高城剛)

ページのトップへ