【連載】元卓球世界王者の「上達の法則」

(1)上達し続ける人だけがもつ「謙虚さ」

一生上達し続ける人だけが持つ「謙虚さ」

卓球に限ったことではありませんが、スポーツしている人の中には強い・弱いということとはまったく別に、思わず「素敵だな」とハッとさせられる人がいます。そういう人に共通するのはある種の「謙虚さ」です。

つまり、常に上達を続ける努力を惜しまないのは、謙虚さがあるなんですね。

そういう謙虚さを備えた人は、どれほど実力を持っても、相手を貶めることはなく、励まし合い、助け合い、高め合うことができます。スポーツをすることによって心に充実感を得て、家族や周りにいる人に、明るい影響を与えることができる。そして、年を取って、多少体力が衰えることがあっても背筋がシャキッと伸び、明るく過ごすことができるんです。

スポーツを長く続けるなら、そうありたいものですし、本来、スポーツを続けることにはそうした効用があるはずだと私は思います。

しかし残念ながら、スポーツをしている人、卓球をしている人のすべてがそういう効果を実感できているわけではありません。実際には、スポーツは必ずしも、上に述べたような「良い効果」だけをもたらすものになっていないんです。

 

スポーツが、人としてのバランスを崩してしまうこともある

例えば練習しすぎて故障してしまうことがあります。あるいは「勝つ」という結果に執着するあまり、相手の足を引っ張ったり、姑息な手段を使うということが習慣づいてしまうこともあります。

あるいは、目先のボールを入れたいと思うばかりに、腕だけを伸ばしてボールを取ろうとして、崩れた姿勢でプレーする癖がついてしまう。その結果、運動が偏ってさらに故障が発生しやすくなる。

実際、「卓球をやっています」という方の中には、(かなりの結果を残している人の中にも)背中を丸め、首を突き出した姿勢や、左右に身体が大きく揺れてしまうような歩き方をしている人がおられます。

少なくとも私はそういう人を見て「素敵だな」とは思えないし、「絶え間ない上達」の道からは外れていると思います。

1 2

その他の記事

カメラ・オブスクラの誕生からミラーレスデジタルまでカメラの歴史を振り返る(高城剛)
「近頃の新入社員は主体性に欠ける」と感じる本当の理由(名越康文)
真の働き方改革、いや、生き方改革は、空間性と移動にこそ鍵がある(高城剛)
可視化されているネットでの珍説や陰謀論に対するエトセトラ(やまもといちろう)
『声の文化と文字の文化』ウォルター・オング著(森田真生)
対人関係の9割は「自分の頭の中」で起きている(名越康文)
鉄腕アトムの呪い(西田宗千佳)
ネットメディア激変の構図とサブスクリプション問題(やまもといちろう)
ファッショントレンドの雄「コレット」が終わる理由(高城剛)
スマホv.s.PC議論がもう古い理由(小寺信良)
「和歌」は神様のお告げだった〜おみくじを10倍楽しく引く方法(平野多恵)
ボブ・ディランとぼく(ロバート・ハリス)
「リボ払い」「ツケ払い」は消費者を騙す商行為か(やまもといちろう)
なぜ今、「データジャーナリズム」なのか?――オープンデータ時代におけるジャーナリズムの役割(津田大介)
「ストレスを溜め込まない」って、意味あります?(やまもといちろう)
【DVD】軸・リズム・姿勢で必ず上達する究極の卓球理論ARP
「今のままで上達できますか?」元世界選手権者が教える、新しい卓球理論!

ページのトップへ