若林理砂
@asilliza

若林理砂メールマガジン「鍼灸師が教える一人でできる養生法」より

お悩み相談室 スナックりさちゃんへようこそ!

※若林理砂のメールマガジン「鍼灸師が教える一人でできる養生法」より

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ここはスナック。お酒も出せば葛根湯のお湯割りも出す、夜の社交場。人生の酸いも甘いもかみ分けた、鍼灸師りさママがいろんなお悩み、ばっさばっさ切り飛ばすわよ。 ……あら、いらっしゃーい♪ お二人連れね。今日はどんなお悩み?
 
購読者からの相談

性被害について考えてほしい

 
りさママの思うことを聞いてみたいです。そしてコレを読む方にも考えてほしいと思いました。

私は、子供のころに「悪質な性的イタズラ」をうけました。いままでこの話は、誰にも家族にもしたことがありません。

いまネットを見ているとやはり性的な犯罪は絶えず起こり、またその被害者が言われない悪意を向けられています。意味のない創作の規制の動きなども。そうしたことについて考えてほしいです。

私は、性被害を人に知られることなく、男性を忌避することもなく、趣味に楽しく過ごしています。それは誰からも性被害者であるところを知られていないので、いわれない悪意を向けられることもなく、オタク趣味で楽しく過ごせる友人ができたからだと思っています。漫画やアニメ、小説から多くのことも学びました。

なので今の流れが疑問でしかありません。ずっと誰にも言わず、このままでいようかと思っていたのですが、友人、知人が子供を持つようになり、その子供たちが同じ目にあうのは悲しいです。被害にあったときに悲しい思いをしてほしくないです。そして自由に本やアニメに触れてほしいです。

私も、多くの女性と同じく何度か痴漢などにはあっていますが、もっとも悪質な被害は、小学校高学年のときです。20代から30代の男性に道案内をたのまれ人通りのない場所で、下着をおろされ恥部を触られたことです。

当時、二次性徴もなく、やせすぎのチビでした。ださい長ズボンをはいたクラスでもいじめられる陰気な子供です。私は足も遅く、相手は車でした。通りに大人の姿もない。なにより怖かったので逃げることもできませんでした。

実は、自転車で走っていたのですが、幅寄せしてくる車に阻まれて止められたのです。まさかそんな事とは思っていなかったため、後ろからくる車に幅が狭い箇所を前に徐行したために止められてしまったのです。

その異常な止め方に恐怖しかなく、逃げた方が怖いことが起こるような気持ちでした。車の中から、近くの施設を案内してくれというので、口で道案内をしたのですが、一緒に行ってくれと言われ、細い道に差し掛かったところでの行為です。触るだけで解放されましたが、気持ち悪さと怖さしかありません。

もともと元気な子供でもありませんから、沈んでいたところで気が付かれなかったのか、両親とも忙しい人だったので、気が付かなかったのか。解放されてからのことは、正直覚えていません。

誰にも言えませんでした。言っても、当時の自分が慰められたとは思いません。このことを誰かに話したら、きっともっと傷ついたと思います。

同情されたり、たいしたことじゃないと言われたり、あんたにスキがあったんじゃないか、オマエも悪いんじゃないか。なんで逃げなかったんだ。

そう言われるんじゃないか。今も怖いです。なぜ自分だったのかは、単に弱い個体がそこにいたからとしか思えません。

とにかく、今日までなかったことにして生きてきました。時々、フラッシュバックしますが、思い出さないように生きてきました。

誰にも言わなかったことで、中学、高校は男女関係なく友達ができています。エロ漫画やゲームもも見ました。オタクですので、わりとひどいものも見ています。幼女が犯されるようなものも見ました。

そんなものまったく傷つきません。

いまでも思うのは、私を触った犯罪者が、はじめから存在しなければよかったのに。同じような犯罪者が、存在しなければいいのに。

犯罪を犯す彼らが、エロ創作を見てようが見てまいが関係ないです。どちらかと言うと、私の男友達はエロ創作みてましたし、一緒に見てたぐらいですよ。

彼らのおかげで、私は男性が怖くありません。多くのことを教えてくれた大切な友人たちです。オタク趣味に救われたのが実際です。

お願いです。性被害者のことを考えてください。オタク趣味なんかほっといて、性犯罪について考えてください。
 
りさママのお答え

そうね、似たような悩みを持っている人と
お話してみるのもいいことよ。

 
ああ、お二人かと思ったら、お一人がお二人になってるのね。

そちらの、泣きべそかいてる小さいお嬢さんにははちみつ入りのココアでいいかしら? クッキーあるわよ?

おねえさんは、葛根湯のお湯割り? 養命酒のほうがいい?

……こういうねえ、性犯罪って、受けたときにいったん殺されてるのよね。魂が。だからこうやってその時のまま、一人が二人に分裂しちゃうのよねえ。

分裂しちゃったらもう一回統合しないとならないんだけど、これがちょっと厄介でね。なかなか一人じゃ統合できないのよ。だから、専門家の力を借りるのがいいんだけども。

あたしは高校時代にDV受けていたんだけど、まあその時はいろいろあってねえ。性的な虐待もあったし。路上で殴られてメガネふっ飛ばされたり、腹殴られてうずくまったり一晩中背中を殴られ続けて仰向けで眠れなくなったこともあったわねえ。しっかり脱力しておくと痛みが少ないってその時実地で覚えたのよ(苦笑)。

だから、私のかたわらにも高校時代のままで時間が止まっちゃって育たない人が一人いたのよ。

これを育てて、もう一回統合したのが、今のあたしなのよ。結構な手間がかかったわー。あんな目にあわなければもっと楽しかっただろう、どうしてあんなのと付き合ったのか、とかとか、たらればの話をいーっぱい、考えたわねえ。だけど、起こったことはもう消せない。

あったことは、あったこと。なかったことにはできない。じゃあ、どうするのか。

育たなかった自分の言い分をちゃんと聞いて、気が済むまでよしよししてやって、それで、「もういいわ、だいじょうぶ。」って言うまで一緒にいたのよね。そしたら、ちゃんとわたしは”一人前”になったのね。

そうなるまで気が済むまで泣かないとね、お嬢ちゃんは。その時怖かったのに泣いてわめいて助けてもらいたかったのに助けてもらえなかったから、パキっと凍っちゃったみたいになってたわけだから。ね。温かくなって溶けてちゃんと、その隣のおねえさんと同じ年になるまで育たなきゃならないからね。プリンとかもあるわよ? 食べる? いちごのケーキのほうがいい?

おねえさんのほうは……そうね、似たような悩みを持っている人とお話してみるのもいいことよ。しばらくここで飲んでて。たぶん、誰かいらっしゃると思うから。
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若林理砂
1976年生まれ。鍼灸師・アシル治療室院長。高校卒業後に、鍼灸免許を取得し、エステサロンの併設鍼灸院で、技術を磨く。早稲田大学第二文学部卒。2004年、アシル治療室開院。現在3ヵ月先まで予約が埋まるほどの人気を集めている。

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