キメラを立ち上げてから、ここ数年ずっと距離を置いていた起業家や経営者の知り合いと、久しぶりに会う機会が増えました。LEANは、企業向けと個人向け、ふたつリリースする予定なので、企業向けの方は「こういうのをやろうと思っているんだけど、どうかな」と企業に相談をします。そうしたことも含めて、起業家や経営者と会う回数が少しずつ増えてきていて、なんだかうれしい。
変な話だけど、「戻ってきてくれてうれしい」「ビジネスの世界、ITの世界におかえり」みたいなことを言ってもらえたりもします。
同じフィールドでがんばっている彼らと話すと、やっぱり僕自身刺激になる。例えば、「メルカリ」をやっている(山田)進太郎くん@suaddとか、ドリコムの内藤(裕紀)くん@no7110。
※メルカリ
http://mercari.jp
※ドリコム
http://www.drecom.co.jp
彼らはおおむね僕と同世代で、進太郎くんなんかは10年くらい前からの付き合い。彼は2回目の起業で、僕と似たような境遇なんです。一回会社を売って、メルカリを2年くらいで今の規模にした。すごいなぁ、負けてられないなぁと思います。
これまで、いろんな分野でがんばっている同世代の人と会ってきたけど、やっぱり起業家に対しては好きだと思うし、嫉妬もすごくする。そう考えると、僕が未練があるのはこの分野なのかなと思う。別に線をひく必要はないけれど、今やるべきはやっぱりここだという気がしています。
起業家や経営者のどういうところが好きかって、ビジネスで自己表現している感じがするところ。少なくとも僕はそのつもりでビジネスをしている。「この時代、この社会において、自分はこういうことを思っているので、こういうビジネスを展開してみます」と。「それを通じて、こういう課題を解決していきます」っていうのは、すごくアートっぽい。現代アーティストって、実は起業家なんじゃないかと思います。
それと同時に、起業家は思想家でもある。自分の思想を持っていて、しかも机上の空論ではなく行動が伴っている。以前、僕は講演会のオファーをすべて引き受けていて、月に何度も登壇していたことがありました。そのときに、だんだん自分のことが嫌になってしまったんです。なんだか、口先だけだなって。登壇したり、本を書いたり、思想で食べている人もいるけれど、僕にはそれはできないと悟りました。
アーティストでもあり、思想家でもあるというのが、僕が持つ起業家のイメージ。『我が逃走』でも書いたように、僕は数年前にビジネスに失敗して、しばらくは全然違うことに意識が向いていました。そして今、一周回って戻ってきた感じがしています。僕の歴史はもともと起業から始まっているから。まぁもっと前をさかのぼると、絵描きになりたかった時期もあるけれど。
たいした経験はしてないけど、いろいろな経験をしていくなかで、同じところを繰り返し回っている気がする。だから、人生って螺旋のようだな、と最近思います。登っているのか降りているのか分からないけど。螺旋を進むなかで、前よりは少しでも上がってればいいな。
家入一真メールマガジン「家入学級」
2015年7月21日 Vol.42
>>>> 家 入 学 級 * 時 間 割 <<<<
1時間目:今日の授業「起業家現代のアーティスト/技術と発想の関係」
2時間目:【Q&A】起業と挫折
3時間目:「ギフト経済ラボ」インタビュー
4時間目:シェアリングエコノミー例
5時間目:メディア情報・活動予定/学級日誌/次号予告
ダメだけど、なぜかみんなに愛されてやまない連続起業家・家入一真が、4ヶ月の準備期間を経てメルマガ界に帰ってきました!(通算3度目) 学校嫌いだった著者が「学校では教えてくれない、この世を生きる術」について、ときにマジメに、ときにはゆるく語ります。日頃、twitterで寄せられる悩みに140字を超えて答えるコーナーや、ゲストを迎えた対談、講演録なども掲載。 自分の夢に向かって頑張っている人も、世の中にちょっと生きづらさを感じている人も。日本一自由な学び場メルマガ、「家入学級」に来たれ!
https://yakan-hiko.com/ieiri.html
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