『媚びない人生』刊行記念インタビュー

「野良猫」として生きるための哲学

一番気に入っていたタイトルになった

ジョン・キム ――『媚びない人生』は、先生の著書としては2冊目の本になりますよね。この本を執筆されたきっかけと、どんな思いを込められたのかについてお聞かせください。

この本は、僕のゼミを卒業し、社会に旅立つゼミ生に向けてまとめた「贈る言葉」がもとになっています。

3.11の震災後、「我々の人生はいつ終わってもおかしくない。そこで残された生とどう向き合っていくかについて考えなければいけない」と改めて思いました。人生と向き合う際の材料を提供したい、というとおこがましいですが、自分とどう向き合うべきなのか、他者とどう向き合うべきなのかを、自分なりにまとめてみたいと思ったんです。

それで、2011年の6月に震災のチャリティー講演で登壇したとき、『媚びない人生』というタイトルで生まれて初めて人生論について話をしたんです。それを一番前で聞いていた編集者の方からご連絡をいただいて、本書刊行につながりました。

タイトル案は15個くらい出たんですけれども、最終的に『媚びない人生』に決まりました。僕はこのタイトルが一番気に入っていたので、嬉しかったですね。

――「真っ白」な装丁が非常に先生らしいなと思いました。

ジョン・キム:書店の方に聞いたら「通常、白は店頭で埋もれてしまうという意味でリスキーなんですが、この本に関しては白がいいと思います」とおっしゃっていましたね(笑)。

ちなみに、6月に出た新刊『真夜中の幸福論』は、夜のイメージなので表紙デザインが真っ黒。『媚びない人生』とは対照的になっています。『真夜中の幸福論』は、このメルマガやカフェ・ゼミをやってきた中で特にインスパイアされた内容を書き綴ったものです。

――読んだ方が、カフェ・ゼミに参加してくださるようになるのが楽しみですね。

1 2 3 4 5
ジョン・キム
慶応大学特任准教授・韓国生まれ。日本に国費留学。米インディアナ大学、英オックスフォード大学、ドイツ連邦防衛大学、米ハーバード大学を経て2004年から現職。アジア、アメリカ、ヨーロッパ等、3大陸5ヶ国を渡り歩いた経験から生まれた独自の哲学と生き方論が支持を集める。

その他の記事

人生は長い旅路(高城剛)
一年のサイクルが循環して再びスタートする冬至を迎えて(高城剛)
憂鬱な都知事選(やまもといちろう)
米大統領選に翻弄されるキューバのいま(高城剛)
英国のシリコンバレー、エジンバラでスコットランド独立の可能性を考える(高城剛)
気候変動や環境毒のあり方を通じて考えるフェイクの見極め方(高城剛)
新陳代謝が良い街ならではの京都の魅力(高城剛)
「中華大乱」これは歴史的な事項になるのか(やまもといちろう)
死をどのように受け止めるか(甲野善紀)
「奏でる身体」を求めて(白川真理)
ソニー復活の秘密(本田雅一)
週刊金融日記 第310号【教育工学も基本は恋愛工学と同じ、米中貿易戦争勃発、目黒駅の安くて美味しい立ち飲みビストロ他】(藤沢数希)
日本の30代以上だけが気づいていない「ノーリスクのリスク」(城繁幸)
「Kindle Unlimited」日本上陸でなにが起きるのか(西田宗千佳)
「定額制コンテンツサービス」での収益還元はどうなっているのか(西田宗千佳)
ジョン・キムのメールマガジン
「媚びない人生の作り方」

[料金(税込)] 660円(税込)/ 月
[発行周期] 月4回配信(第1~4水曜日配信予定)

ページのトップへ