ふるまいよしこ
@furumai_yoshiko

ふるまいよしこメルマガ『§ 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな』より

粉ミルク規制問題から見えた「中国vs香港」の図式

ミルク規制関連ツイート

この件に関して、中国側、香港側、海外在住者がどのようなツイートをしているのか、参考までにピックアップしておこう。

 

<中国側>

@王爍(経済誌「新世紀」副編集長)「香港が刑事罰で大陸の『ミルク背負い族』(粉ミルク缶をバックパックに入れて持ち帰ることで呼ばれる俗称)を威嚇することは、良心に欠けた、豚の脳みそレベルの判断だ。『ミルク背負い族』の出現はもともと偶然の賜物で、香港の粉ミルクの供給に短期的なプレッシャーをもたらしたのは確かだが、すぐに世界の乳業関連企業が香港市場の需要をシステム的に再評価して状況は緩和されるはずだ。香港の生命力は中国と世界の橋梁としての役目にかかっているのに、管理者は自分からそれを遮ろうと手段を採った。香港の理念、良心、智力は跡形もなく消え去った。それでどうやって香港は立身の地を見出そうというのだ?」(3月1日 新浪微博)

@一毛不抜大師「ぼくらのいるところは長い間健康的な公共政策討論が許されてこなかったために、ぼくらのような自由主義市場を信奉している人間は『市場がそれを解決してくれる』と簡単に思ってしまい、現実における取引コストや供給問題がもたらす問題解決の難しさを忘れてしまってはいないだろうか。優良な牛乳供給源のアップグレードもまさにそれだろう。王爍クン、面白いことに、貴誌『新世紀』は昨年の47号のテーマ報道で牧場規模拡大の難しさに触れていたのではなかったかな」(3月2日 新浪微博)

@潘石イ(著名不動産業者)「大陸の子供が飢えている時、香港の同胞が粉ミルクを送ってくるのは当然のことではないか。なのに、このような法律を施行し、粉ミルクを持ち出す人を2年の懲役に処すという。『香港立法会』よ、再考してこの悪法を改定すべきだ」(3月2日 新浪微博)

@kaifulee/李開復(台湾出身の元グーグル副総裁)「香港から2缶以上の粉ミルクを中国に持ち込んだら2年以上の懲役判決を受けるかもしれないという、新しい法律を施行した。恥を知れ、香港」(3月2日 Twitter)

 

<香港側>

@廖偉棠(香港人作家)「香港のスーパー職員の書込みをここに貼っておく。彼は商業機関のトップなんかじゃない人間だ。『ぼくはスーパーで働いている。沙田(香港と中国を結ぶ鉄道沿線上にあるベッドタウン)の各大型スーパーでは、キミたちがよく知っている著名ブランドの、出生から1歳までの子どもたち向け粉ミルクは品切れの状態がもう2ヶ月も続いているんだ! たとえ入荷しても1日のうちに売り切れてしまう。中国からの買い付け客がほぼ毎日やってきては問い合わせをし、もし入荷していれば仲間を連れてきて一人4缶に限ってもその日のうちに全部買い込んでしまうんだ』」(3月3日 新浪微博)

@張堅庭(香港の映画監督)「香港の粉ミルク規制にいろんな非難の声が飛び交っているが、なぜ粉ミルクの業者に直接中国国内に供給させないんだ。もし高すぎるというのなら、関税を引き下げて外国の供給者たちに競争力で国内の乳製品業者と競争させればいい。不安な親たちがわざわざ香港まで行って買い漁って、香港の正常な製品供給を乱す必要はないはずだ。誰が毒ミルクを国内に蔓延させているんだ? その罪を香港政府のせいにするのは止めてくれ。本末転倒だ」(3月5日 新浪微博)

@沈大飛「自由貿易港の原則を破っただって? 新条例にはきちんと書いてあるぜ、香港工業貿易署の批准を得て、来源証明を提出し、通関手続きを履行すれば、百万千万缶の粉ミルクを中国へ持ち込んでも香港は文句は言わないぜ。さらに無!税!だ!よ! 粉ミルクは依然として自由に持ち出すことができる。何十社の貿易会社はそうしている。邪魔されることはない。だが、自由貿易の旗を上げて、国内の関税や増値税、販売税を回避して、香港の子どもたちの利益を損ねて顔色も買えない。そんな奴らはただの無頼だ」(3月5日 新浪微博)

 

<さらに海外在住者>

@timeresolve(オランダ在住)「もともとここでは粉ミルクはずっと利潤を生む製品ではなく、福利としてコストよりも低く売られており、差額はオランダ政府が補助してきた。だから総量はそれほど多くなかった。今では中国人が大量に買い込んで、タオバオや貿易の形式で中国国内に売って差額を儲けてるようになり、品薄になってしまったので、オランダでも去年から中国人に対する購入制限を始めた」(3月5日 新浪微博)

 

<この文章はふるまいよしこメルマガ『§ 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな』から抜粋したものです。もしご興味を持っていただけましたら、ご購読をお願いします>

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ふるまいよしこ
フリーランスライター●北九州大学(現北九州市立大学)外国語学部中国学科卒。1987年から香港中文大学で広東語を学び、雑誌編集者を経て独立●現在は北京を中心に、主に文化、芸術、庶民生活、日常のニュース、インターネット事情などから、日本メディアが伝えない中国社会事情をリポート、解説●東京新聞の土曜日朝刊「本音のコラム」担当●「Newsweek Japan ウェブ」にコラム「中国 風見鶏便り」を連載●著書『香港玉手箱』(石風社)、『中国新声代』(集広舎)●共著『艾未未読本』(集広舎)、『中国超入門』(阪急コミュニケーションズ)

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