40代男性のアイデンティティは危機に瀕している

日本の40代男性のアイデンティティはいま崩壊の危機に瀕している……という話をしても、女性読者の方や、年代が違う方はあまり関心を持たないかもしれません。でも、40代男性の社会的影響力は、社会のどこにおいても決して小さいとは言えません。
「社会の屋台骨」と表現されることもあるこの世代の人たちがそれなりに明るく過ごすことができない社会というのは、必然的に不安定になります。
職場でのパワーハラスメント、鬱病、あるいは暴力や犯罪といったさまざまな問題の背景には、この世代のアイデンティティ問題がある。
ここでいう「アイデンティティ」とは、「自分はこういう人間だ」という自己規定、あるいはその「核」になるようなもののことです。それが特に40代男性を中心として不安定になってきている。そのことに、僕はちょっと危機感を覚えています。
なぜ「女性」ではなく、「男性」なのかというと、女性のほうが友人とのコミュニティや趣味でのつながりといった、社会での基本的な役割「プラスα」の部分を持っているからです。
特に40代ぐらいになると明らかに女性よりも男性において、文化的な時間は貧弱になっていきます。車文化も、ゴルフ文化も、景気が悪くなるとともに、急速に衰退しました。仕事すら、終身雇用というストーリーが崩れるなかで、人としてアイデンティティを託すには危ういものになりつつある。あるひとつの「レール」を外れただけでも、人格が崩壊してしまいそうな不安を抱えて生きている40代男性が増えている、というのが僕の見立てなんです。
その他の記事
|
「ラスト・ナイツ」ついに公開ーー苦労そのものに喜びがある(紀里谷和明) |
|
スルーカ! スルーカ!(小寺信良) |
|
やっと日本にきた「Spotify」。その特徴はなにか(西田宗千佳) |
|
責任を取ることなど誰にもできない(内田樹) |
|
「脳ログ」で見えてきたフィットネスとメディカルの交差点(高城剛) |
|
彼女を部屋に連れ込んでどうにかしたい時に聴きたいジャズアルバム(福島剛) |
|
年末企画:2019年度の「私的なベストガジェット」(高城剛) |
|
川端裕人×オランウータン研究者久世濃子さん<ヒトに近くて遠い生き物、「オランウータン」を追いかけて>第2回(川端裕人) |
|
DLNAは「なくなるがなくならない」(西田宗千佳) |
|
ひとりで「意識のレベル」を測る方法(高城剛) |
|
11月に降り積もる東京の雪を見ながら(高城剛) |
|
深まる米中対立の大波を迎える我が国の正念場(やまもといちろう) |
|
AIやロボットによってもたらされる不確実性時代の雲行き(高城剛) |
|
東京の広大な全天候型地下街で今後予測される激しい気候変動について考える(高城剛) |
|
ニュージーランドに第二のハリウッドを作る(高城剛) |












