【質問】良いリーダーになるにはどうすればいいですか。理論的かつフェアな人間になって社会を引っ張ることができるようになりたい。それから、大馬鹿上司の対応に困っています。どうすればうまく付き合えるようになれるでしょうか。
家入:良いリーダーの定義もなかなかですけどね。どう思われますか? 理論的かつフェアな人間。
上祐:やっぱりリーダーとなると慢心というものが問題になってくると思うんですよね。地位や権力を持ちながら、自分が普通の人間だと思いとどまることができるかどうか。
家入:やっぱそこを突破しちゃう人がいるってことですよね。
上祐:私が尊敬している松下幸之助は「100人だったら命令すれば動くけど、1000人、1万人になると、拝むほどに感謝しないと動かない」というようなことを言ってました。やっぱり自分だけの力じゃなにも出来ない。それを心得ているかどうかってのは大事ですね。
家入:謙虚であれってことですかね。
上祐:謙虚といえば、まさに謙虚です。その背景に「自分だけじゃ何もできない」という、当たり前の認識があるかどうか。言葉で言うと感謝。感謝と謙虚っていうのは結びつくものがあるから。
家入:まぁフェアな人間っていうのもなかなか難しいですよね。
上祐:そうですね。
家入:僕はいくつかの会社の経営者なので、一応リーダーですよね。トップでやってきましたけど、結局周りに助けられてますね。僕は本当にダメな人間なので、ダメであればあるほど、周りが育つ。
上祐:うん。それは周りの力を生かすってこと。
家入:だから、ダメになればいいと思いますよ。
会場:(笑)
家入:僕、本当に時間とか守れなかったりするんですが、そうすると、会議に遅刻しないだけで喜ばれるんです。ダメ人間ブランディングができれば、みんな僕抜きで組織を作らなきゃって思うようになる。これはある意味良いリーダーなんじゃないかと。いなくていい。「亭主元気で留守がいい」って言葉もありますけど。
質問者:「大バカ上司の対応に困っています。どうすればうまく付き合えるでしょうか?」
家入:僕は、人と人って絶対わかり合えないと思っています。わかりあえない状態で、自分が相手に対してどうするかだと思うんですよ。だから、その大馬鹿上司とわかり合おうとか、仲良くなろうとかはせずに、上司に対して自分がどういう態度を表明するかってこと。そうしてるうちに、たぶん上司から「あぁ、こいつ俺のこと嫌ってるな」って離れていくだろうし、それでいいんじゃないかな。どうでしょうかね。
上祐:その人から逃げられないならば、自分がその人を上司にもったという条件をなるべく生かすようにする。忍耐の訓練とかね。それに、本当に大馬鹿だったら、辛抱していれば5年でいなくなる。麻原(彰晃)だって87年から95年までですから7年しか持たなかった。本当に馬鹿だったら放っていても自分で転ぶと思いますよ。
家入:自然といなくなる。
上祐:おのずと去っていく。そうでもなかったら、やっぱり自分の方にも問題があるかもしれない。周りから見ると上司も自分も両方とも似たような性格ってこともあるんじゃないかな。
家入:そうですね。
上祐:そこは、やっぱりさっき言った「謙虚」。そういう場合は、反面教師みたいに捉えたらいいんじゃないかな。
家入:なるほど。いい話だな。

その他の記事
![]() |
そんなに「変」じゃなかった「変なホテル」(西田宗千佳) |
![]() |
ビジネスに「自己犠牲」はいらない! ーー私たちが「社員満足度経営」にたどり着いた理由(鷲見貴彦) |
![]() |
ライター業界異変アリ(小寺信良) |
![]() |
Apple、SONY……「企業の持続性」を考える(本田雅一) |
![]() |
メディアの死、死とメディア(その3/全3回)(内田樹) |
![]() |
「いま評価されないから」といって、自分の価値に疑問を抱かないためには(やまもといちろう) |
![]() |
22年出生数減少の「ですよねー」感と政策の手詰まり感のシンフォニーについて(やまもといちろう) |
![]() |
サイボウズ青野社長の手がける「夫婦別姓裁判」高裁門前払いの必然(やまもといちろう) |
![]() |
人生を変えるゲームの話 第1回<「負ける」とは「途中下車する」ということ>(山中教子) |
![]() |
「銀座」と呼ばれる北陸の地で考えること(高城剛) |
![]() |
目下好調の世界経済にバブル崩壊のシナリオと対処法はあるのか(やまもといちろう) |
![]() |
「減りゆく日本人」出生数低迷と政策的手詰まり(やまもといちろう) |
![]() |
極めてシンプルでありながら奥が深いシステマ小説(西條剛央) |
![]() |
「本質を学ぶ場所」を作る(西條剛央) |
![]() |
医師専任キャリアコンサルタントが語る「なぜ悩めるドクターが増えているのか?」(津田大介) |