【変わらぬ好評! 春の新生活はこれを読んでから!】
『部屋を活かせば頭が良くなる』
夜間飛行、2014年11月
人の才能に大差なし。
脳力は環境が育てます!
い くらモノを捨てて掃除をしても、すぐに散らかり元通り…そんな自分に嫌気がさしている人は多いのではないでしょうか。努力なしできれいな部屋をキープでき る画期的な方法「ヘヤカツ」なら、部屋がきれいになるだけでなく、あなたの記憶力、発想力、プレゼン力もアップします!
前著『部屋を活かせば人生が変わる』から、さらに人の「脳力アップ」に焦点をあてたヘヤカツ本第二弾、ここに登場!
『部屋を活かせば人生が変わる』
夜間飛行、2014年11月
部屋を考える会 著
あなたのやる気の99%は、部屋の「流れ」が決めている!!
あなたではなく、部屋が変われば、あなたの意思は自然に強くなり、眠っていた能力が引き出されます。
近年は時代の変化が激しくなっている。移り変わるスピードがどんどん早くなっている。
それは、とりもなおさずインターネットの影響だ。情報の流通するスピードが速くなったおかげで、それが廃れるスピードも早くなった。そうして、時代が次から次へと移り変わるようになったのだ。
象徴的なのが、他ならぬインターネット業界で起きている事象だろう。
日本のインターネットでは、2006年、ミクシィが上場して大きな話題となった。創業者は一夜にして億万長者になり、ジャパンドリームを実現した。日本において、ミクシィはSNSの代名詞となり、多くの人々がそこで交流した。
しかし、そんな隆盛を誇ったミクシィは、今や見る影もない。近年では、その利用者が激減していることとか、広告収入が減って赤字が膨らんでいることなど、ネガティブな話題しか聞こえてこない。
あるいは、グリーが大きな売り上げを記録して話題になったのは2010年の頃だった。一時期は、テレビにおける広告出稿量でナンバーワンとなり、日本人なら知らない人はいないような会社になった。
そんな隆盛を誇ったグリーが、2012年、コンプガチャが景品表示法違反であると消費者庁から指摘を受けたのをきっかけに、一転、経営を悪化させた。今年も赤字続きで、大きなリストラを断行したことが話題となった。
そんなふうに、今の時代はたとえ隆盛を極めた会社であっても、ほんの一瞬で大きな赤字を記録するような状態へと転落してしまうのである。一寸先は闇で、ちょっとした失敗が経営難につながる。
流行は一瞬で消え去り、すぐに新しいものに取って代わられる。そうして、古くなったものにしがみついたままでいると、あっという間に沈んでしまうような社会状況となった。
そうしたことから読み取れるのは、「今は変化の時代だ」ということだ。その意味でも、インターネットが社会に及ぼした影響はとてつもなく大きい。時代の流れというものを加速度的に速めてしまった。そんな状況において時代を読み取ろうとするならば、まずはその「変化の早さ」を念頭に置いておく必要があるだろう。
そのうえで、時代を読もうとする際には、人々が何気なく行っていること――無意識の行動に着目することが肝要となる。生活習慣や消費活動、あるいは暮らし方などに着目していく。
例えば、人々の電車の乗り方に着目してみる。なぜなら、そこに時代を読み解くためのヒントがあるからだ。今、人々はどういうふうに電車に乗っているか?――それを分析することによって、読めてくる時代というものがあるのである。
今、電車に乗っている人々を見てみると、その多くがスマホをいじっている。
もちろん、ケータイをいじっている人は昔からいたが、数年前まではゲーム機をいじっている人も多かった。任天堂DSやPSPなど、電車の中では遊んでいる人がよく目についたものだ。
しかし今は、携帯ゲーム機をいじっている人は少なくなった。代わりに、スマホをいじっている人がとても多くなった。その中には、もちろんゲームをしている人もいるだろうが、インターネットやメールをしている人が目立つようになった。
そういう現象の中に、時代を読むためのヒントが隠されている。
まず、「人々がなぜ電車の中でスマホをいじるか?」ということを考えると、それは「手持ち無沙汰をいやがるため」という答えが出てくる。多くの人が、電車の中のちょっとした空き時間でも有効活用したいと思っているのだ。
ではなぜ、人々はちょっとした空き時間でも有効活用したいと思っているか? それは、多くの人が仕事や生活に追われ、手持ち無沙汰であることに耐えられなくなっているからだ。始終何かをしていないと、気が済まなくなっているのである。ひまができると不安に陥るような体質になってしまっているのだ。
それで、スマホをいじる人が増えたのだ。そうしてそこから、「今の時代は人々が時間に追われ、ますますせわしなくなっている」という変化が読み取れる――というわけである。
さらに、商店における人々の消費活動でも、時代の変化を読み取れる。
今、都心の家電量販店に行くと、ほとんど人がいない。平日の昼間など、都心のお店でもがらがらだったりする。
なぜかといえば、最近の人々は物を買わなくなったからだ。「若者の○○離れ」というの言葉はよく聞くが、その中でも特に深刻なのが「物離れ」だろう。
その代わり、何かが台頭してきたかといえば「気持ち」である。人々は「気持ち」に重きを置くようになった。気持ち良かったり楽しかったりすることに、これまで以上に価値を見出すようになった。「物より思い出」というCMのコピーがあるが、まさにそういうふうな状態へと変化してきたのである。
そうした中で注目されているのが、生活の基盤である衣食住――中でもとりわけ「住」を気持ちよくするというムーブメントである。
例えば、以前は「住むところなんて寝に帰るだけなんだから最低限の機能さえ整っていればいい」という向きは少なくなかった。そのため、住宅設備のショールームやインテリアショップに行くのは、一部の好事家に限られていた。
しかし今では、空間がもたらす喜び――部屋の美しさや居心地の良さなどを重視する人が増えたため、家電量販店と反比例するように、住宅設備のショールームやインテリアショップは、普通の人々で溢れかえるようになった。
そうした変化の象徴が「スターバックス」である。
スターバックスは、美味しいコーヒーを飲めるところとして認知されているように見えるが、実はスターバックス以上に美味しいコーヒーを飲めるところは少なくない。ではなぜスターバックスがいつも多くの客で賑わっているかといえば、それはスターバックスが提供する空間の快適さに、多くの人々が「お金を払う価値」を見出しているからである。
人々は、コーヒーの美味しさももちろん重視するものの、それ以上に、その空間の居心地良さとか、リラックスできる度合いを重視するようになった。以前に比べ、その比重が高くなったのである。そして、そういう時代のニーズに対応しているお店だからこそ、スターバックスは人気なのだ。多くの人々がそこに価値を見出しているために、お店へと足を運ぶのである。
そうした事象から、人々の関心は今、「空間」に向けられているのだと知ることができる。そして、そういうニーズが読み取れれば、それに対応したビジネスというのも展開することができる。そうして、競争時代を生き抜くことができるというわけだ。
『部屋を活かせば人生が変わる』『部屋を活かせば頭が良くなる』といった書籍で紹介した「ヘヤカツ(部屋活)」というのは、そういう時代のニーズに対応したコンセプトだ。これが誕生した背景には、「時代を読む」という行為があったのだ。
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岩崎夏海
1968年生。東京都日野市出身。 東京芸術大学建築科卒業後、作詞家の秋元康氏に師事。放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』など、主にバラエティ番組の制作に参加。その後AKB48のプロデュースなどにも携わる。 2009年12月、初めての出版作品となる『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(累計273万部)を著す。近著に自身が代表を務める「部屋を考える会」著「部屋を活かせば人生が変わる」(累計3万部)などがある。
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