小寺・西田の「金曜ランチビュッフェ」より

一から作り直した「非バッファロー的なもの」–『新おもいでばこ』の秘密

※メールマガジン「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」2015年3月20日 Vol.027 <観点の整理号>より

先週3月13日に行なわれた、バッファローのデジタルフォトアルバム「おもいでばこ」のファン感謝祭で、新モデルが発表された。かなり大がかりな発表会だったので、すでに記事等をご覧になった方もあるかもしれない。

当日は残念ながら出席できなかったが、後日おもいでばこプロジェクトシニアプロダクトプロデューサーの根本将幸氏に、直接詳しい話を伺う機会に恵まれた。

新おもいでばこをハードウェアとして旧モデルと比較すると、小さくなりました、容量増えました、速くなりました、ぐらいにしか見えない。だがその奥まで探ると、これまでの商品とはまったく違うという真の顔が見えてくる。

我々PC/IT系ユーザーから見れば、バッファローはPC/ネットワーク周辺機器の大手メーカーである。量販店に行けば、あの赤いロゴを冠したコーナーがあり、多くのストレージ製品が並んでいる。

一方あたらしいおもいでばこのボディには、バッファローのロゴが一切ない。リモコンにもない。ついでに説明書にもないのだ。箱にはかろうじて小さく付いているが、これだけバッファロー色が消えた商品も珍しい。

・製品にバッファローロゴ一切なし
103602

つまりおもいでばこがターゲットとするユーザーは、赤いバッファローロゴの威力が「効かない」人たちなのだ。初期のアップルが標榜した " The Computer forthe Rest of Us "、すなわちコンピューターギークではない普通の人たちのためのものという考え方がある。まさにおもいでばこは、" Strage for the Rest ofUs " な商品だ。

1 2 3

その他の記事

第9回情報法制シンポジウムで議論される、日本の情報収集・分析体制の現在地(やまもといちろう)
百貨店、アパレル、航空会社… コロナで死ぬ業種をどこまでゾンビ化させるべきか(やまもといちろう)
「リボ払い」「ツケ払い」は消費者を騙す商行為か(やまもといちろう)
スマホv.s.PC議論がもう古い理由(小寺信良)
メガブランドの盛衰からトレンドの流れを考える(高城剛)
「愛する人にだけは見せたくない」顔を表現するということ(切通理作)
甲信越の山々を歩いて縄文の時代を想う(高城剛)
なんでもアリのハイレゾスピーカー「RS-301」を試す(小寺信良)
選挙の行方はカネとネットの話がほぼすべてという時代における公職選挙法整備のむつかしさ(やまもといちろう)
高解像度と景気の関係(高城剛)
米国大統領とテカムセの呪い(高城剛)
僕ら“ふつうのおじさん”が理解できないこと(本田雅一)
週刊金融日記 第280号 <Instagramで女子と自然とつながる方法 〜旅行編、米朝核戦争に備えビットコインを保有するべきか他>(藤沢数希)
仕事とは「何を」するかではなく「どう」するかだ(岩崎夏海)
高2だった僕はその文章に感情を強く揺さぶられた〜石牟礼道子さんの「ゆき女聞き書き」(川端裕人)

ページのトップへ