やまもといちろうメルマガ「人間迷路」より

被差別属性としての「キモくて金のないおっさん」とは何か

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ヘイトスピーチやLGBT問題以降、マイノリティに対する社会的攻撃に歯止めをかけようという議論が盛り上がっていましたが、ある意味で切り札とも言えるネタがウェブ上に出てきておりまして、それが本件「キモくて金のないおっさん」です。

決して救われない社会的弱者「キモくて金のないおっさん」について語る
http://togetter.com/li/824984

ネタとしては乾いた笑いを誘発するタイプの中身ですが、実際に起きていることはかなり熾烈なものであって、本当にどうしようもない独り身の中年・高齢男性が社会で浮いたとき、どこにも辿り着けないという救いのない現象を指摘するものです。

もちろん、コメント内でも指摘のあるとおり、心身の病気や失業など個別の事情でどうしようもなくなるケースがたくさんあり、必ずしも「おっさん」だけでなく「おばさん」「メンヘラ」といった属性がここに入ってもおかしくはない内容ではあります。しかし、駄目なおっさんとしてみた場合、社会から脱落したあとで誰からもどこからも同情を引き出すことができないというのは分かっていたこととはいえ重要な指摘です。おそらく今後の日本で重大な景気後退やら経済破綻があったときに、真っ先にしわ寄せが行く先が、この「キモくて金のないおっさん」だろうと思うのです。

貧乏な中年男性は「そうなったのが自業自得」と思われる部分、また権利主張をしようにも貧困対策の枠内でしか救済されないという点で、浮上の目はなかなかないのも事実として言えると思いますし、社会変革を考える上でもこのあたりが真の「サイレントマジョリティ」になるのかしらと感じる次第です。

何より、読んでいてこのあたりは腰が抜けました。

https://twitter.com/1yagiryow5/status/601390936111775744

[引用] キモくて金のないオッサンが溢れて乱闘になったのが明治維新
-ここまで-

お、おう…。

 

やまもといちろうメールマガジン「人間迷路

Vol.129<そろそろスマホ向けアプリのブースト(リワード広告)はいい加減アレでしょう、ということも踏まえてマイナンバーなども語る回>

2015年5月25日発行号
目次
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【0. 序文】被差別属性としての「キモくて金のないおっさん」とは何か
【1. インシデント1】アプリ界隈の問題行為、ブースト、リセマラ、売上粉飾がそろそろやばいことに
【2. インシデント2】マイナンバーもいずれは漏洩する覚悟で合理的な運用を期待したいものです
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A

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やまもといちろう
個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。

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