※名越康文メールマガジン「生きるための対話(dialogue)」 Vol.102(2015年6月15日)より
実家の母親に譲ったお掃除ロボットを見ていて
先日、とある雑誌の企画で、いわゆる「お掃除ロボット」を使わせていただく機会がありました。正直、これまであまり必要性を感じたことはなかったのですが、使ってみると非常に興味深いしろものだと感じました。
ただ、僕の自宅で使い続けるにはひとつだけ、大問題がありました。それはお掃除ロボットが部屋を動き回るたびに、うちで飼っているインコの「おもち」が、引きつけを起こしそうなぐらいに怖がってしまうということ。お掃除ロボットも捨て難いけれど、「おもち」はまぁ義理のある以前からの同居人(鳥)ですからね。残念ながら我が家で使い続けるのは不可能! ということになり、大阪出張のついでに、母親に譲ることにしました。
私の母親も80歳を超えていて、僕としては「お掃除ロボットなんて、使い方わかるのかなぁ?」と半信半疑だったんですが、ふたを開ければすごく喜んでくれました。よく考えてみればうちの母親は掃除や洗濯といった家事が大の苦手。彼女にとっては、「勝手に掃除をしてくれるロボット」というのは、文字通り夢のような家電! ということなのでしょう。
実家で動き回るお掃除ロボットと、それを見ながら「がんばって!」「あ、そこじゃなくて、こっち!(を掃除して)」と楽しそうに声をかける母親を眺めていて、僕はふと、この「お掃除ロボット」というのは実はこれまでの「家電」の枠組みを打ち破る、革命的なしろものなのではないか、と感じたのです。
1 2
その他の記事
『エスの系譜 沈黙の西洋思想史』互盛央著(Sugar) | |
kindle unlimitedへの対応で作家の考え方を知る時代(高城剛) | |
教育経済学が死んだ日(やまもといちろう) | |
国民投票サイト「ゼゼヒヒ」は何を変えるのか――津田大介、エンジニア・マサヒコが語るゼゼヒヒの意図(津田大介) | |
「疑う力」を失った現代人(名越康文) | |
地味だが「独自色」が蘇った今年のCEATEC(西田宗千佳) | |
努力することの本当の意味(岩崎夏海) | |
サイエンスニュースPICK UP by カワバタヒロト(川端裕人) | |
【第4話】キャンプイン――静かな戦いの始まり(城繁幸) | |
何とかなった日韓GSOMIA「パーフェクトゲーム」の苦難(やまもといちろう) | |
アナログ三題(小寺信良) | |
玄米食が無理なら肉食という選択(高城剛) | |
YouTube広告問題とアドフラウド(やまもといちろう) | |
地域住民の生活が奪われるオーバーツーリズム問題(高城剛) | |
相場乱高下の幸せとリセッションについて(やまもといちろう) |