ボノボにハゲはいない
岡崎 次、これもボノボで、なんせ真っ黒で。この後ろ髪のこの辺りがとてもフサフサしています。
名越 フサフサしてますねえ。
岡崎 「ボノボにハゲはいない」って言われてて。
名越 ボノボにハゲはいない(笑)。
岡崎 チンパンジーはものすごいハゲがいるんです。年を取るとハゲてくるのが多いんですけど、ボノボはとってもフサフサしているんですね。
名越 そうなんや。なかなかコメントしづらいけど(笑)。でも万が一人間で何かの傾向があればちょっと面白いですね。
岡崎 あー!どうなんでしょうね。では次の写真。この子たちもボノボなんですけど、やはり顔は真っ黒で。チンパンジーだと子供の顔がピンクなんです。だけどボノボは赤ちゃんのときからずーっと終始一貫まっ黒。その辺が大きな違いかなと思います。
名越 これはもう大人ですか?
岡崎 大人ですね。これが全体の感じなんですけど、やはり手足が長くて人間に近い感じですよね。これは大人のボノボなんですけど、とにかくもう黒光りしてるんですね。黒さが独特で、顔はどちらかと言うと細面というか、チンパンジーに比べるとすっきりしてて、体もすきっとスレンダーな感じがします。
名越 たしかにこの目の上のボコッがほとんどないですね。ただ、説明を聞いていなかったらチンパンジーだと思ってしまいそう。
放送禁止? ボノボの発情
岡崎 ボノボのメスって、1年の4分の3くらいは、性器が腫れて、巨大化するんです。だからお尻を後ろから見るとこういう感じで、すぐオスかメスかの違いがわかるんです。いかにも邪魔そうなんですよね。
名越 あ、おできみたい。
岡崎 ここに別物の何かがついてるのかなというくらいもっこりしてるんですね。
名越 すごいなあ。
岡崎 こうやって「ニセ発情」の時期を作って競合を緩和してるらしいんですけれど。
名越 ん? なんで性器が巨大化することで、競合を緩和することができるんですか?
岡崎 それはつまり、「いつでもOKよ」というメスがたくさんいるということになると、オスもそれほど慌てないで済む、ということですね(笑)。
名越 ああ、なるほど。争いを、好き好きモードで問題をうやむやに回避する、というやつですね。
岡崎 はい、とにかく「いつでもHできるから、まあまあ」と、あらゆる問題を回避しようとする、ということだそうです。
名越 はーーすごい話やなあ。
岡崎 次はオスですが、こっちも緊張すると、こんなふうに「いつでもオッケー」ってなっちゃう。
名越 ちょっと待ってください。ボノボのオスは緊張すると勃起するんですか?
岡崎 はい。この写真の子は、手にエサを持ってますよね。ご飯を食べるときは争いが起きやすいから、緊張感が高まるんです。そうするともう、あっちこちで性器を互いにこすり合わせて、緊張を緩和しようとするんですよ。この写真みたいな感じで。
名越 これで緊張を緩和してるんやね。
岡崎 もちろん、どう解釈するか、という問題はあるわけですが、一応、そう言われている、ということですね。
名越 食事のとき、すぐこういう行為が行われるんですか?
岡崎 もうあっという間に起きます。
名越 うーん、これは、テレビ的には、チンパンジーに比べてボノボが登場しにくい理由がよくわかるね(笑)。
岡崎 そうなんですね。だから日本の動物園にも、ボノボはいませんよね。あっという間にそういう状況になってしまうので、これを子どもに見せるのはいかがなものか、という話になるわけです。
名越 すごい話やねえ。
その他の記事
浜松の鰻屋で感じた「食べに出かける」食事の楽しみと今後の日本の食文化のヒント(高城剛) | |
【対談】乙武洋匡×山本一郎 自分の人生を使って、どんな絵を描くか(1)(やまもといちろう) | |
週刊金融日記 第274号 <小池百合子氏の人気は恋愛工学の理論通り、安倍政権の支持率最低でアベノミクスは終焉か他>(藤沢数希) | |
菅政権が仕掛ける「通信再編」 日経が放った微妙に飛ばし気味な大NTT構想が投げかけるもの(やまもといちろう) | |
自分らしくない自分を、引き受けよう(家入一真) | |
大麻によって町おこしは可能なのか(高城剛) | |
旧モデル利用者が「Qrio Lock」をチェックした(西田宗千佳) | |
ゆとり世代がブラック企業を育んだ(岩崎夏海) | |
友人知人との別れと世迷いごとの類(やまもといちろう) | |
アーミテージ報告書を読み解く――日本は二等国でいいの?(やまもといちろう) | |
「すべては2つ持て」–私の出張装備2015(西田宗千佳) | |
1級市民と2級市民の格差が拡がるフランスの実情(高城剛) | |
東芝「粉飾」はなぜきちんと「粉飾」と報じられないか(やまもといちろう) | |
お悩み相談室 スナックりさちゃんへようこそ!(若林理砂) | |
空港を見ればわかるその国の正体(高城剛) |