名越康文
@nakoshiyasufumi

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)より

【対談】類人猿分類の産みの親・岡崎和江さんに聞く『ゴリラの冷や汗』ができたわけ(1)

テレビ東京「ガイアの夜明け」でも話題の性格分類「類人猿分類」。ゴリラ、オランウータン、チンパンジー、ボノボび4種の類人猿タイプに分類することでパフォーマンスが上がるということで、診断サイト(http://yakan-hiko.com/gather/)や書籍『ゴリラの冷や汗』が話題となっている。この対談では、類人猿分類の産みの親である岡崎和江さん(Team GATHER Project代表、株式会社YPYエデュケーション代表取締役社長)に、精神科医の名越康文先生が聞き手となって、その秘密を伺っています。
ape_cover_shop
『ゴリラの冷や汗』
http://amzn.to/1flXSbx

実は類人猿分類の出発点は「性格分類」ではなく、岡崎さんが趣味ではじめた大型類人猿たちの生態観察であったとのこと。名越康文メールマガジン「生きるための対話」では、今回から数回に分けて対談の模様をご紹介します。見所は類人猿たちの貴重な写真と動画。見ているだけで「あ、これってあの人っぽい!」と思わされます。

※この記事は名越康文メルマガVol.083<【対談】類人猿分類の産みの親・岡崎和江さんに聞く『ゴリラの冷や汗』ができたわけ 第1回>の抜粋です。

 

 

gori

 

私たちはみな、違う世界を生きている

岡崎 岡崎と申します。よろしくお願いします。今日は『ゴリラの冷や汗』の刊行記念ということで、実際の類人猿や、私どもの社員のインタビュー映像などを見ていただきながら、類人猿分類について、本ではなかなかお伝えできなかった部分をお伝えできればと思っています。

私たちは自分が見ているものは、他の人も見ているものと思い込んでいます。でも、実際には、他の人が自分と同じように見ているとは限らないわけです。

同じ事象、同じ仕事、同じ指示の仕方をしても、受け取る人によって、その受け取り方は違う。そんなことは普通わかっていそうなものなんですが、実はその「差」というのは想像以上に大きいんだよ、ということが、私たちの言いたいことなんです。その結果としていろんな人間関係の亀裂が産まれているんじゃないか、という問題意識から、この類人猿分類は生まれたといってもいいと思っています。

今日は最初に、類人猿分類に出てくる大型類人猿たちの映像を見ていただこうと思います。例えば皆さん、実際のチンパンジーとボノボがどんな風に違うのかっていうあたりからして、あんまりご存じないのかなと思うんです。

名越 確かにね。チンパンジーは見たことあっても、ボノボの映像を見たことがある人は少ないでしょう。楽しみです。

 

チンパンジーとボノボの見分け方

岡崎 私たちは一昨年、ヨーロッパのオランダとベルギーとイギリスに行って、直接ボノボの群れを見てきました。最初にこの写真、これ、なんだかわかりますか?


撮影:岡崎和江(以下、特に注記がなければ同じ)

名越 えーと、これは黒いからボノボ?

岡崎 これはチンパンジーなんです。チンパンジーで特徴的なのは、この眉の上のところがボコってなってるところですね。

名越 はいはい、そうやったね。思い出しました。でも岡崎さん、前に聞いたとき「顔が黒いのがボノボ」って言ってましたよね?(笑)

岡崎 それはそうなんですけど、これくらいの黒さだと、チンパンジーもいるんです(笑)。というより、ボノボとチンパンジーはよく似ているんですね。区別するポイントとしては横から見ると眉の上のところが出ているのがチンパンジー。この写真がわかりやすいかもしれません。

名越 なるほど。でもさっきのとは違うね。やっぱり同じチンパンジーでも個人差があるんやね。

岡崎 あります、あります。で、次。ここからボノボなんですけど、基本ボノボって頭が「真ん中分け」って言われてるんですね。『ゴリラの冷や汗』に出てくるボノちゃんも、そのへんにこだわって真ん中分けのキャラにしています。

ボノちゃんbonochan

ボノボの「ボノちゃん」(書籍『ゴリラの冷や汗』より)

 

名越 だから真ん中分けなの? そういうことだったんや。

岡崎 眉のところ、チンパンジーほどはがっつり出てないのがわかりますかね?

名越 わかるわかる。ボノボも横向きの写真で比べたいところやけど、これでも違いはよくわかります。

1 2 3
名越康文
1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学、龍谷大学客員教授。 専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:現:大阪精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。 著書に『「鬼滅の刃」が教えてくれた 傷ついたまま生きるためのヒント』(宝島社)、『SOLOTIME~ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である』(夜間飛行)『【新版】自分を支える心の技法』(小学館新書)『驚く力』(夜間飛行)ほか多数。 「THE BIRDIC BAND」として音楽活動にも精力的に活動中。YouTubeチャンネル「名越康文シークレットトークYouTube分室」も好評。チャンネル登録12万人。https://www.youtube.com/c/nakoshiyasufumiTVsecrettalk 夜間飛行より、通信講座「名越式性格分類ゼミ(通信講座版)」配信中。 名越康文公式サイト「精神科医・名越康文の研究室」 http://nakoshiyasufumi.net/

その他の記事

Amazon Echoのスピーカー性能を試す(小寺信良)
平成の終わり、そして令和の始まりに寄せて(やまもといちろう)
注目のスーパーフード、食用大麻で腸内環境の改善を目指す(高城剛)
どうも自民党は総体として統一教会と手を切らなさそうである(やまもといちろう)
日印デジタル・パートナーシップの裏にある各国の思惑を考える(高城剛)
アメリカでスクーター・シェアを「見てきた」(西田宗千佳)
小笠原諸島の父島で食文化と人類大移動に思いを馳せる(高城剛)
英語圏のスピリチュアル・リーダー100(鏡リュウジ)
結局Apple WatchとAndroid Wear搭載Watchは何が違うのか(小寺信良)
「朝三暮四」の猿はおろかなのか? 「自分の物語」を知ることの大切さ(福岡要)
「報道されない」開催国ブラジルの現在(宇都宮徹壱)
「人間ドック」から「人間ラボ」の時代へ(高城剛)
自民党、まさかの派閥解消からの安倍派処分の強硬手段で政治資金ネタを有耶無耶にしてしまう(やまもといちろう)
IT・家電業界の「次のルール」は何か(西田宗千佳)
私的な欲望で天災が大災害へつながることを実感するカリブの小さな島(高城剛)
名越康文のメールマガジン
「生きるための対話(dialogue)」

[料金(税込)] 550円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回発行(第1,第3月曜日配信予定)

ページのトップへ