高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

観光バブル真っ直中の石垣島から

高城未来研究所【Future Report】Vol.419(2019年6月28日発行)より

今週は、石垣島にいます。

この島のホテル建設ラッシュは異常な速度で、ここ2年間だけみても、ホテル2000室以上が開業に至りました。

静かでのんびりできるのが本来の魅力だった石垣島は、すでに6月末から大混雑。
その理由は、梅雨明けで台風前の良いシーズンであるのと、7月から航空運賃が上がるため、「沖縄通」はこの時期を見逃さない点にあります。
東京からの便も満席が相次ぎ、街の中心地は人だらけ。
もう夏、真っ盛りです!

しかし、どこのホテルも実態は酷い有様。

今週、10人を超える同行者を従え、新規オープンのホテルを中心に5軒の宿に別れて宿泊しましたが、一軒として、良いと思った宿屋はありませんでした。

僕が泊まったホテルは、今年4月にオープンしたばかりの大阪に本社を構える破竹の勢いの新興ホテルグループ最新館ですが、分譲マンションのような作りに、朝ごはんはパンとスープだけで朝食代が2000円!!
暖かい飲み物は、日本茶も紅茶もなくヌルいコーヒーだけで、別料金で500円。
どうやら、このホテルはコーヒーを売りにしているようですが、とても飲めた代物ではありません。

他のホテルもまわりましたが、清掃が行き届いてないどころか虫も多く、食事もとても価格に見合うものではありませんでした。
まさに「粗製濫造」で、しかし、これはホテルに限りません。

数年前に、本メールマガジンでお伝えしましたように、この島の最大の名物石垣牛の販売総量が、出荷量を遥かに上回っている状態が何年も続いており、偽物が跋扈しています。

これを看破することができず、ついにJAによる「石垣牛Gメン」が各店舗の実態調査に乗り出し、結果、この1年で有名店を含む20店舗以上が「石垣牛」を謳う看板を剥奪された島事情があります。
確かに毎週10-12頭しか出荷されない上に、石垣以外にも那覇や東京、大阪で奪い合いが続き、もはやなにが本物かもわかりません。

つまり、この島の現在は、自分たちの良いところを見失った完全なバブル状態にあります。

事実、少し前まで石垣北部の坪2000円だった土地が、東京の不動産ファンドに100万円以上で売却されており、いまも数年前の100-500倍を超える値付けを見かけます。
また、建設ラッシュにより、工事現場の労働者も不足しており、東京を遥かに凌ぐ日当5-7万円で働いている人も少なくありません。

この結果、肝心の観光客が泊まるホテルのサービスや食事の原材料に影響を与え、パンとスープだけで2000円(コーヒー別)のような朝食が、平然とまかり通る現状があるのです。
果たして、観光バブルが弾けずに、このまま進むのか?
それとも、かつての熱海のように、自身を見失っていつしか寂れていくのでしょうか?

民放テレビ局の中継局が開通して、まだ25年。
先島諸島と呼ばれる宮古・八重山列島は、沖縄の「田舎」です。

夕日に映える黄金色の海岸線は、いまや良くも悪くもゴールド以上の価値をつけ高騰しているのです。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.419 2019年6月28日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

その他の記事

川端裕人×オランウータン研究者・久世濃子さん<ヒトに近くて遠い生き物、「オランウータン」を追いかけて >第1回(川端裕人)
『魔剤』と言われるカフェイン入り飲料、中高生に爆発的普及で問われる健康への影響(やまもといちろう)
出口が見えない我が国のコロナ対策の現状(やまもといちろう)
自分の身は自分で守るしかない時代(高城剛)
今村文昭さんに聞く「査読」をめぐる問題・前編(川端裕人)
日産ゴーン会長逮捕の背景に感じる不可解な謎(本田雅一)
重要な衆院三補選、戦いが終わって思うこと(やまもといちろう)
「英語フィーリング」を鍛えよう! 教養の体幹を鍛える英語トレーニング(茂木健一郎)
NFCでデータ転送、パナソニックの血圧計「EW-BW53」(小寺信良)
日本の「対外情報部門新設」を簡単に主張する人たちについて(やまもといちろう)
日大広報部が選んだ危機管理の方向性。“謝らない”という選択肢(本田雅一)
広告が溢れるピカデリー・サーカスで広告が一切ない未来都市の光景を想像する(高城剛)
嗤ってりゃいいじゃない、って話(やまもといちろう)
Googleの退職エントリーラッシュに見る、多国籍企業のフリーライド感(やまもといちろう)
タワマン税制の終わりと俺たちの税務のこれから(やまもといちろう)
高城剛のメールマガジン
「高城未来研究所「Future Report」」

[料金(税込)] 880円(税込)/ 月
[発行周期] 月4回配信(第1~4金曜日配信予定。12月,1月は3回になる可能性あり)

ページのトップへ