高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

スマホから充電、という新発想〜巨大バッテリー搭載のK10000

高城未来研究所【Future Report】Vol.252(2016年4月15日発行)より

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今週は東京にいます。

少し遅くなりましたが、今年も花見に行こうと考えまして、友人たちと定宿のそばの新宿御苑に出向くと、噂どおりに海外からのゲストでいっぱいでした。

その海外ゲストの人たちは、圧倒的に中国人かと思いましたが、実は台湾人ばかり。

新宿の街で爆買いをしているのは、本土から来た中国人がほとんどですが、新宿御苑で花見をしている多くの人々は、台湾人なのです。

たぶん、日本人から見たら台湾人も本土から来た中国人も一緒に見えるのかもしれませんし、その上、日本の大手新聞社の記事を見ても「新宿御苑に中国人花見客殺到」と書いてあって驚きますが、少なくとも、その報道は正しくありません。

東アジアから遠く離れた南米のウルグアイの新聞社が、日本人と韓国人と中国人を同じに見てしまうのと訳が違い、近隣諸国への理解を、もう少し深める必要があると花見をしながら実感した今週です。

さて、ここ最近、そんなアジア諸国を毎週のようにまわっておりまして、実は、僕なりの「密かなるお楽しみ」があります。

それは変わったAndroidの発掘なんです。

期待していたWindows10が、タブレットもモバイルもあまりに企画倒れで、Appleが自社史上もっとも原価率が低い=余った部材で作ったiPhoneSEを高々に販売しているのに辟易し、まるで漂流するように辿り着いた先が、Androidです。

いままでも何台もAndroidを所有してきましたが、僕が考える最大の問題はバッテリーの持ちで、iOSのようにネイティブOSではありませんので、その分バッテリー効率は悪く(時には酷いほどに)、しかし最近、そんな問題を解決するような機種がいくつも発売されました。

その解決方法とは、なんと巨大バッテリーを搭載するという単純なアイデアです。

今週入手した新機種OUKITELという聞いたことがないメーカーの最新モデルK10000は、その名の通り、バッテリーが10000mAh搭載されており、充電しなくても1週間以上動作するのが自慢です。

バッテリー容量で考えると、iPhoneSEの6倍! 以上にあたります。

その上、出力が5Vだけでなく7Vや9Vに昇圧するようで、新しいマックブック「を」スマホ「から」充電できるのです。

ええ、新しいマックブック「から」スマホ「を」充電ではなく、新しいマックブック「を」スマホ「から」充電です。

少し効率悪いですけど。

さすがに僕も、スマートフォンでノートを充電するような日が来ようとは思いもよりませんでしたが、公式サイトには、このK10000を10台つなげて、ラーメンを作る映像がアップされています(https://goo.gl/RYNKgr)。

ここまで来るとかなり意味不明で、中華スマホで中華麺を作る洒落(もしくは本気)は、Androidの懐の深さを見せつけます。

また、いまの日本のメーカーで、自社スマホを大量に並べて、「うどんを煮込む」ような映像を作る楽しい企業は見当たりません。

最近、日本のメーカーが他のアジア諸国のメーカーに買収されてしまうのも、このあたりの「余裕」から理解できるところで、OUKITELも今後の製品開発と企業としての成長が楽しみな企業です。

もちろんK10000は、ノートを充電したり、ラーメンを作る以外にも、電話をかけたり、メールを見たり、いわゆるスマホとしての機能は兼ね備え(当たり前ですけど)、また、デュアルSIM仕様ですので、グローバルSIMと訪れた地のローカルSIMを同時に入れて、テザリング機としても活用できます。

なにより、この機種が「マルチ」という言葉の幅を広げ、僕にとって「スマート」の意味を別方向に変えたことには違いはありません。

新宿御苑で花見に興じる台湾人やアジア全般からのゲストは、皆さん、スマホで写真や映像を撮っておりまして、もはやその機種を見るだけで、どこの国から来た人なのか、僕なりに判断できるくらいandoroidの理解度が高まりました。

そう遠く無い日に、周囲のスマホを集めて、お茶を沸かす人もきっと現れることでしょう。

旅先の桜の木の下で。

 
 
 

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┃高┃城┃未┃来┃研┃究┃所┃【Future Report】

Vol.252
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/ 2016年4月15日発行 /

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. マクロビオティックのはじめかた
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

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高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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