若林理砂
@asilliza

自分で自分の体の声を聞く

『冷え取りごはん うるおいごはん』で養生しよう

「温める」「冷やす」「乾かす」「潤す」の4つのバランス

——食事に関する本は3冊目ですが、今回の『冷えと取りごはん うるおいごはん』はどういうコンセプトで書かれたんですか?

若林:中国医学の食養生というのは、私の解釈では、「温める」「冷やす」「乾かす」「潤す」というのが軸なんです。冷えてはいけない、のぼせてはいけない、乾燥してもいけない、湿気にやられてもいけない、というわけです。

ちょっと難しい言葉ですが、「清熱利尿」というと熱を冷ましておしっこだして湿気をとるということ、「生津止渇」は体の中に水分を与えて潤わすことです。いろいろな食物を区分して、ムズカシイ漢字4文字を使わないで東洋医学の冷温乾熱を自分なりに読み解いた本です。

つまり、この「温める」「冷やす」「乾かす」「潤す」の4つを意識しながらご飯を作って食べていれば自然と養生生活になるということですね。

——一般的に女性の敵は冷えといわれていて、冷え予防に靴下の重ね履きとか流行っていますが、そこの要望は大きいですか?

若林:はい、本のタイトルはそこらへんを狙ってキャッチーに(笑)。でも冷えというのは確かに女性に多い悩みですが、じつは冷えばっかりではないんですよ。太っている人はたいてい熱がこもってますからね。太っていて冷え性という人はあまりいません。たまにいますが、そういう人は湿気ていて冷えてるんです。いわゆる水太りですね。

——なるほど。そういう人は温めるよりも乾かすことが必要なんですね。ところで、実際の体温と冷えって関係があるんですか?

若林:ありません。平熱が低いからって冷え性ではないんですよ。平熱が高いほうがいいっていう本もありますけど、子供の体温をみていても36度前半から半ばですからね。これは西洋医学的な話しですが、36度以下なら低体温と言われ、自律神経系がやられている可能性が高い。37度まであげたほうがいいっていうのは極論だと思います。

——前作の本は自炊初心者向けを意識して書かれていましたが、今回の本のレシピ作りで工夫したところはどこですか?

今回の本はどちらかというと食養生に興味がある人向けなんです。だから基本、自炊ができる人向け。季節の食材をきちんと手に入れて料理をするというスタンスから外れていません。

1 2 3 4 5
若林理砂
1976年生まれ。鍼灸師・アシル治療室院長。高校卒業後に、鍼灸免許を取得し、エステサロンの併設鍼灸院で、技術を磨く。早稲田大学第二文学部卒。2004年、アシル治療室開院。現在3ヵ月先まで予約が埋まるほどの人気を集めている。

その他の記事

ストレスを数値化して自分の健康パフォーマンスを見極める(高城剛)
週刊金融日記 第285号<暗号通貨トレーディング失敗記録もぜんぶメルマガ読者にお見せします、株式市場は日米の政策期待に期待他>(藤沢数希)
3.11、iPS誤報問題で変わる、科学とのかかわり方(津田大介)
「自分で本を選べない人」が増えている? 書店を楽しみとスリルの現場にするために必要なこと(鏡リュウジ)
迂闊に「学んで」はいけない–甲野善紀技と術理 2017「内腕の発見」(甲野善紀)
『「赤毛のアン」で英語づけ』(2) 何げないものへの〝感激力〟を育てよう(茂木健一郎)
フリック入力が苦手でもモバイル執筆が可能に! ローマ字入力アプリ「アルテ on Mozc」(小寺信良)
今の京都のリアルから近い将来起きるであろう観光パニックについて考える(高城剛)
年の瀬に「私の人生はこのままでいいのか?」と思ったら読む話(名越康文)
「ルールを捨てる」とき、人は成長する 世界のトップビジネスパーソンが注目する「システマ」の効果(北川貴英)
未来を切り開く第一歩としてのkindle出版のすすめ(高城剛)
実は「スマート」だった携帯電話は、なぜ滅びたのか ーー10年前、初代iPhoneに不感症だった日本市場のその後(本田雅一)
東京と台北を比較して感じる東アジアカルチャーセンスの変化(高城剛)
意外に簡単に見られる新4K放送。だが課題も…(小寺信良)
古代から続くと言われるハロウィンの起源から人類の行く末を考える(高城剛)
若林理砂のメールマガジン
「鍼灸師が教える一人でできる養生法」

[料金(税込)] 550円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回発行(第2,第4月曜日配信予定)

ページのトップへ