※高城未来研究所【Future Report】Vol.257(2016年5月20日発行)より

今週は、トンガのババウ島にいます。
この島は入り組んだ地形が美しい天然の良港として知られ、島の南部にあるネイアフは、トンガの首都ヌクロファに続く第二の都市がある「北の玄関口」と言われています。
確かにババウにはそれなりの町があり、インターネットも快適なのですが、はじめて来て驚いたことは、この島はそこらじゅう豚だらけな事です!
豚と申しましても、野生の豚ではなく、誰かが買っている豚でして、その豚がペットの犬同様、島じゅうに放し飼いされています。
しかも、ビーチでくつろぎ、浅瀬で遊び、時にはムール貝を見つけて頬張り、少なくとも、この島に訪れる観光客より数も多く、楽しそうなことは間違いありません。
その上、道路を平気で横切り、街角で遠慮なく授乳していますので、その様相は「素行の悪い観光客」のようにも見えます。
ただし、観光客やペットの犬と違うことが、たったひとつだけあるのです。
それは、やがてこの豚は、飼い主に食べられてしまうことなんです!!
なんでも、放牧のように街中で放し飼いして自由に運動させ、海中の美味しい貝やカニなどの獲れたてのシーフードを食べている豚は、ただ、囲いの中であまり動かず、草ばかり食べている豚より格段に美味しいそうで、特別なセレモニーの日に提供されるそうです。
僕は、少し驚いて宿屋のお嬢さん(高校の先生でした)に、ペット同然に買っていた豚を食べることについてお尋ねすると、「あなた、なに言ってるの! ここでは、つい最近まで人肉食べてたんだから!」とサラリと言われれてしまいました。
一応、200年ぐらい前までの風習だったと言われていますが、実際は「つい最近まで」だそうです。
その上、人肉を巻いて食べるのに合う葉っぱがあるようで、 南方熊楠ではありませんが、南太平洋はまだまだ奥深いことを今週は実感しています。
さて、ババウ島を中心としてババウ諸島には、40を超える島々があり、美しい島も多くあります。
100種以上の熱帯魚やマンタ、エイ、ウミガメやイルカなどが生息し、フィヨルドのように入り組んだ独特な海岸線と自然の濃い緑に覆われた内海は、風、波とも非常に穏やかなため、南太平洋をロングクルージングするヨットにも人気の寄港地となっています。
その理由は、珊瑚礁のラグーンによって守られているタヒチなどと違って、背の高い小島群によって独特の地形が作られ、アンカリングに適した深さもありながら、強風が吹いても波が立ちにくいという理想的な場所だからのようです。
それゆえ、飛行機で訪れる観光客より、船でやってくる船乗りが多い印象で、小さな町はタフな海の男たちで溢れています。
タフな海の男たちと放し飼いにされた豚が溢れる島を、パッと聞いただけではなかなかイメージしづらいと思いますが、それは僕とて同じで、来てみなければわからない南の島が世界にはまだまだあるわけで、気分はちょっとしたガリバー旅行記です。
南太平洋を巡る旅は、もう少しだけ続きます。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.257 2016年5月20日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. マクロビオティックのはじめかた
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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