藤沢数希のメルマガ『週刊金融日記』第276号(2017年7月26日発行)より、冒頭部分をお届けします。
〘第276号 目次紹介〙
// 週刊金融日記
// 2017年7月26日 第276号
// ビットコインは本当に世界を変えるかもしれんね
// ビットコインは再び下落
// 高級食材のアラカルトがとても美味しい六本木の居酒屋
// 老人の住み慣れた自宅はゴミ屋敷である 最期は病院で
// 他
こんにちは。藤沢数希です。
最近、ビットコインをいろいろいじっているのですが、これはなかなか面白いですね。遅ればせながら、かなり可能性を感じております。今週号は、このことについてコラムを書きました。
コミック版の『ぼく愛』が連載されているアフタヌーンが発売されました。今月号はACSモデルについて解説されています。なかなか見ごたえがありますね。
『アフタヌーン 2017年09月号』http://amzn.to/2eN4Xxa
さて、今年の3月3日に発売された任天堂Switchですが、いまだにぜんぜん買えませんね。
Amazonやメルカリで転売屋から買うしかなく、2~3万円のプレミアムが付いています。Wiiが世界で1億台ぐらい売れたんですけど、Switchはそれぐらい売れるかもしれず、それにもかかわらず、日本でこれまでに売られたSwitchの台数は100万台ちょっとらしいです。工場フル稼働してると思うんですけど、これは年内に手に入れるのは難しそうですね。まあ、転売屋に3万円ぐらいあげればいいんですけど。でも、こういうときって、経済学通りに、任天堂はふつうに値段を2倍にしたらいいんじゃないでしょうかね。買い占めてる転売屋に3万円あげるより、任天堂に余分に3万円あげて、次のゲームの制作費にしてもらいたいと思っているファンも多いと思うんですけどね。Appleみたいに需要に合わせてえげつない価格にはできないんでしょうかね。
●『スプラトゥーン2』発売日 ビックカメラ 池袋本店には、本体同梱版の抽選販売に2000人以上が詰めかけた
https://www.famitsu.com/news/201707/21138148.html
今週も興味深い投稿がいくつもありました。見どころは以下のとおりです。
―新しい仮想通貨を勧誘されました
―ビットコインよりもリップルの方が有望では
―グルメ情報をまとめるという企画はどうなりましたか
―老人の住み慣れた自宅はゴミ屋敷である 最期は病院で
―安易に移民を受け入れると大変なことになるのでは
―事実婚に持ち込む戦略案
―相席ラウンジナンパについてお伝えします
―インスタナンパで19歳女子大生をゲット
―今後のビジネスでの英語の重要性について
―早漏の治し方をご教示ください
それでは今週もよろしくお願いします!
1.ビットコインは本当に世界を変えるかもしれんね
正直に白状すると、僕は昔は金融工学なんかやっていたし、ブログの名前も金融日記なんだが、最近良く聞くフィンテック(=金融とITの融合)なんかを冷ややかな目で見ていた。実際、フィンテックなんて、昔からやってるものに、単にラベル付けただけじゃねーか、と。それで、ビットコインなんかの暗号通貨(日本語では「仮想通貨」という名称が一般的だが、通に言わせればこっちが正しい。実際、英語では"Cryptocurrencies"である)はスルーしていた。
しかし、最近、ビットコインすげー、ブロックチェーンは金融産業に革命を起こす、また、国家という枠組みも変わっていく、と主張するエヴァンジェリスト的な人たちと話す機会があり、ホンマかいな、と思ったものの渋々とビットコインやブロックチェーンの勉強をはじめた、というわけだ。で、先週号に勉強がてら、メルマガに記事を書いてみた。
さっそく、ビットコイナー(ビットコインを愛する人、というような意味)にひとつお叱りを受けることになった。「ブロックチェーンという技術が応用されて生まれたビットコインという暗号通貨」と僕は書いたのだが、もちろん、これは僕が考えたわけではなく、ブロックチェーン関係の本をたくさん読み漁ったところ、ビットコインはブロックチェーンの応用のひとつに過ぎず、ブロックチェーンがこれから世界を変える、みたいな記述がたくさんあり、それに影響を受けて何となくそう書いたのだ。しかし、それはビットコインの歴史的意義を軽んじているし、謎の人物であるサトシ・ナカモトが成し遂げたとてつもないブレークスルーに対して十分な敬意が払われていない、というわけだ。確かに、ビットコイン以前にブロックチェーンというアイディアは存在しなかった。ビットコインという管理者が存在しないインターネット上に存在する通貨を創り出すために、ブロックチェーンという仕組みが考えられたわけだ。
フィンテックというのは、大きくわけてふたつあり、たとえば、このメルマガでもたびたび紹介したクラウド会計だとか、最近ではすっかり普及したSuicaなどの電子マネーや、あとはスマホで簡単に株や為替の取引ができるだとか、また、もちろん金融工学を応用したさまざまなリスク分析ツールなど、以前からある技術を洗練させたり、年々性能が上がり安くなるクラウドなどを利用して利便性を高めたりするものがそのひとつだ。そして、まったく新しい金融技術革命が起こりつつあるのがブロックチェーンを応用するさまざまな分野なのである。
いま、ベンチャー企業や金融機関、大学の研究者などが、こちらのブロックチェーン・テクノロジーに注目している。こうした人たちにしてみれば、大成功したビットコインには嫉妬するし、自分たちのテクノロジーがいかに革新的であるかを言いたくなるので、ビットコインはより大きなブロックチェーンという革新的なテクノロジーの単なる一応用に過ぎない、とほのめかしがちだということだ。
というわけで、僕もさっそくビットコインを買って、いろいろいじくってみることにした。世間ではPDCAサイクルを回すことが大事などと言われているが、我々にとっては常にDCAPサイクルである。まずはDo(実行)、つぎにCheck(評価)、そして、Act(改善)で、最後にPlan(計画)を練るのだ。金融日記コミュニティの基本はDCAPサイクルである。
とりあえず、業界1位のビットフライヤーという取引所が、経営陣も株主も信用できそうだったし、すでに立派な企業になっていたので、そこにアカウントを作った(僕はビットフライヤーには現時点でひとりも知り合いはおらず、ビットフライヤーの回し者ではない)。
●世界を変えるコイン。ビットコインは、ビットフライヤー
https://bitflyer.jp/?bf=qrnsepru
これがなかなか良くできたサイトで、メールアドレスだけでアカウントが作れる。これでビットコインを預けたり、送付できるいわばウォレットアカウントが作れる。秘密鍵は取引所で厳重に管理してくれるので、ユーザーは何も考えなくてもいい。しかし、ビットコインを売り買いするには、証券会社にアカウントを作るときと同様に個人情報の提出が必要だ。これもスマホで免許証の写真を取ってそのまま送るだけでできる。さすがに、日本の取引所を通してビットコインの売買をするのは匿名のままではできない。世界の先進国では、ビットコインのような暗号通貨は規制しないが(規制しようと思ってもできない)、取引所はある程度は規制する方向であり、いつも遅れている日本は、この分野に関しての法規制は、じつはいち早く対応している。
(続きは藤沢数希のメールマガジン『週刊金融日記』第276号にてお読みください)
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