藤沢数希のメルマガ『週刊金融日記』第282号(2017年9月7日発行)より、冒頭部分をお届けします。
〘第282号 目次紹介〙
// 週刊金融日記
// 2017年9月7日 第282号
// 日本人主導のビットコイン・バブルは崩壊へのカウントダウンに入った
// 中国ICO規制でビットコインが乱高下
// 六本木で本格インドカレー
// ビットコインの税金について
// 他
こんにちは。藤沢数希です。
最近、夕方が涼しいというか、寒くなってきましたね。みなさん、風邪などひかないように気をつけてください。
さて、今週は、冒頭の論文で、ビットコインのバブル崩壊が迫っていることについてのレポートを書きました。週刊金融日記というタイトルに偽りなく、金融メルマガです(笑)。
しかし、先日、トップAV男優のしみけんさんと対談して、なかなか面白い恋愛工学の記事がありますから、金融に興味がない方は、こちらをお楽しみください。
●お金持ちはモテない、美人は幸せになれない しみけん×藤沢数希【特別対談】
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52685
それでは今週もよろしくお願いします!
1.日本人主導のビットコイン・バブルは崩壊へのカウントダウンに入った
9月4日に、中国政府が暗号通貨やその技術を使ったICO(Initial Coin Offering)による資金調達を突然禁止した。このニュースを受けてビットコインやその他の暗号通貨も1日で10~20%程度下落した。
●中国、ICOを全面禁止 「金融詐欺、ネズミ講」と強く非難
http://jp.techcrunch.com/2017/09/05/20170904chinas-central-bank-has-banned-icos/
しかし、その後、意外にもビットコイン価格はかなり値を戻すことになった。これは、ビットコインをはじめ暗号通貨の「実需」にかなり悪い影響のあるニュースであったにもかかわらず、だ。このビットコインの底堅さや、他のさまざまな情報を分析することにより、いま暗号通貨市場に起こっていることが、よく分かるのである。それは、主に日本のSNSを通した暗号通貨バブルの形成である。
さて、本稿では、今年、つまり、2017年のビットコインやその他の暗号通貨の爆発的な価格上昇と、その背後のバブル形成のメカニズムを解説し、今後、このバブルが時間の問題で破裂する可能性が極めて高いことを示す。
【ビットコインの歴史】
すでに多くの解説があるので、ここでは極めて簡単にビットコインや暗号通貨の歴史をおさらいする。
ビットコインは、管理者が存在しない、インターネット上に存在する暗号理論に基づく通貨としてデザインされている。それはよく知られているPeer-to-Peerの方式で運営されており、台帳はビットコインのプログラムを走らせているすべてのコンピュータで共有されている。つまり、中央で管理するサーバーがない。
このことは、法的なリスクを回避するためにも重要なポイントである。当然だが、ほとんどすべての国で、個人や企業が通貨を発行することは認められていない。それは国家が独占する、あるいは、しなければいけないものだからである。こうした、法律を回避するためにも、管理者が存在しないPeer-to-Peerモデルは必然であり、その発明者であるとされる、Satoshi Nakamotoが依然として匿名のままであることもうなずける。
2008年にビットコインの論文が発表され、2009年にはオープンソースコードのプロジェクトとして、ビットコインがはじまった。また、ビットコインを真似して、他にも多数の暗号通貨が誕生した。ビットコイン自体も、一部の開発者や採掘業者がスピンオフして、ビットコイン・キャッシュに分裂している。その点で、暗号通貨には、伝統的なゴールドなどの貴金属が持っている「希少性」は皆無である。
こうした暗号通貨は、長らく世間の注目を集めることはなかったのだが、2016年辺りから、デジタル・ゴールドとしての価値保存や、国際送金が低コストできるかもしれない、という可能性から多くの注目を集めはじめた。そして、今年、2017年、多くの暗号通貨の価格が爆発的に上昇した。
いわゆる基軸通貨であるビットコインは、この原稿を書いている9月6日現在で、年始から約5倍に上昇し、時価総額はすでに8兆円近くに達している。第2位のイーサリアムは年始からなんと約40倍になっている。その他の暗号通貨も軒並み、信じられないほどの価格の上昇を見せている。
これはビットコインの可能性を信じている、古くからの暗号通貨の愛好家たちにとっても驚くべき上昇であった。
●ビットコインの急騰、1990年代後半のテクノロジーバブルを圧倒
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-30/OVHD5H6TTDSU01
【典型的なバブルの形成、そして、崩壊の条件が整ってきた】
(続きは藤沢数希のメールマガジン『週刊金融日記』第282号にてお読みください)
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