やまもといちろうメルマガ「人間迷路」より

冠婚葬祭に思うこと



 今年は冒頭から偉大な人の物故、お世話になった方の旅立ちが立て続けに発生する一方、親しい友人の結婚が2件、離婚が2件、また出産が3件(加えて妊娠報告もあるよ)という状態で、人生の節目というものを強く印象付けられた序盤でありました。

 もっとも、年始の予定は吹き飛ぶわ、聞かされていなかった暗黙の事項のケツ拭きなどもあったりし、さらに親族の再入院と、親族の某大医学部の推薦が決まる(おめでとう)など、人の数だけ人生があり、会う人の数が増えれば消息もまた増えるというのは仕方のないことなのかもしれません。

 その中でも、死に際というのはまあなかなかむつかしいわけです。私などは家庭優先で人生を送る決断をしていますので騒動は少ないんですけど、やはり仕事と家庭の生きざまというのは大きく死に際に影響するように思います。家族葬に臨席し神妙な顔をして並んでいる横で奥さんと愛人の問題が勃発していたり、故人を偲ぶ会でご親族が遺産を巡って言い争いをしているのを関係者一同顔を見合わせながら耳をダンボにしていたりという事例は、やはりお世話になった側としても知りたくなかった内容ばかりです。笑顔で送りたいし、謹んで業績や人生を振り返りたいという気持ちはあります。

 逆に、若くしても大往生で風格と威厳のある葬儀になっていると、ああやはり偉大な人物で多くの人たちに愛されてきたのだなという寂寥感に浸ることになります。まあ、いいことも嫌なこともたくさんあったけど、最後はきちんと頭を下げてお送りしようという気持ちになれるかなれないかは、この生が映し出す死の間際の残像のようなものでしょうか。

 とかく「自分が死んだらどうなるだろうか」とか、いつ何があっても大丈夫なようにしておくべきという気持ちは持ちながら暮らす必要は感じます。私などは持病もありますし、リスクはリスクとして把握したうえで、整理しておかなければならないことはたくさんあります。また、そう遠くない将来、肉親も親戚も旅立っていくことも見えているわけですから、平常心こそが大事だという部分に立ち戻ります。

 やはり、人の死は、写し鏡のように自分の生のあるべき形を教えてくれるように感じます。

 また、節目を大事に迎えることが、これほど重要なことだと改めて思います。そういう生死も節目もあって、人間が織りなす社会なのだな、と。

 

やまもといちろうメールマガジン「人間迷路」

Vol.214 人の生き死にについてぼんやり思うこと、そして人工知能がもたらすさまざまな可能性について等々
2018年1月31日発行号 目次
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【0. 序文】冠婚葬祭に思うこと
【1. インシデント1】データサイエンス「産業」のバブルとそれ方面のイノベーションの未来
【2. インシデント2】テクノロジーと倫理のバランスが求められる時代に
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A

 
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やまもといちろう
個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。

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