高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

「代替」ではなく「補完」することで「統合」する医療の時代

高城未来研究所【Future Report】Vol.420(2019年7月5日発行)より

今週は、沖縄本島の恩納村にいます。

僕が尊敬する西洋医療の医師と東洋医療の才人と3人で、ホテルの施設内から一歩も出ずに、徹底したグルテンフリーの食事をとり、日々レクチャーと討議、そして治療を施しあいながら、「次の医療」を模索しています。

僕が考える「次の医療」とは、コンベンショナルと呼ばれる一般的な西洋医療、バイオロジカル検査に代表される先進医療、これらを補完する代替医療、そして、これから期待される量子医療を組み合わせた「次世代の統合医療」です。

この時代、食事や環境の変化から、コンベンショナルな西洋医療だけで健康を維持するのは難しく、一方、代替医療に傾倒しすぎても、根本治療とは言い切れません。

米国メリーランド州にある「国立補完統合衛生センター」(NCCIH=National Center for Complementary and Integrative Health)によれば、「統合医療」とは「従来の医学と、安全性と有効性について質の高いエビデンスが得られている補完・代替療法とを統合した療法」とされ、「一般的に従来の通常医療と見なされていない、さまざまな医学・ヘルスケアシステム、施術、生成物質など」を組み合わせた治療法と定義されています。

当初、「国立補完統合衛生センター」では、研究対象は「代替医療」(Alternative Medicine)でしたが、時代の変化とともに「代替医療」から「補完医療」に変わり、名称も「国立補完代替医療センター」から「国立補完統合衛生センター」に変わりました。
いまや「代替」ではなく、「補完」することで、「統合」する時代なのです。

しかし、まだまだエビデンスこそは明確化できませんが、病気になったり、 不調を感じるとき、目に見えない量子力学レベルにおいて、微細な波動の変化が生じて問題が起きているのは、どうやら間違いないようです。
東洋では、古くから「気」と呼ばれ、さらに人知を超えた「大きな気」があることも、徐々にわかってきました。
これらのエネルギーを調整することで、「根本のさらに奥にある根本治療」を行うのが、量子医療なのです。

現在、量子医療は「怪しい」と呼ばれることも多々ありますが、20年前には、ヨガは「怪しい」と、多くの人に考えられていました。
果たして、20年後に量子医療は、現在のヨガ同様のポジションまでたどり着くことができるのでしょうか?

さて、3人ともホテルのなかから一歩も出てませんが、決して思いつくままダラダラ過ごしているわけではなく、実は、UCLAの心理学教授で医学博士のダニエル・シーゲルによる時間の最大限の使い方を、実践的に取り組んでいます。

まず、24時間を「睡眠時間」「瞑想する時間」「運動する時間」「社交の時間」「何もしない時間」「創造的な遊びの時間」「集中する仕事の時間」「食事の時間」に分けます。
そして、それぞれのことをするときには、それだけを行い、他はなにもしない(スマートフォンを見ない)ことで、ひとつひとつを、より堪能できると実感しました。

かつて、男3人集まれば、ファッションや車、美食について長い時間語りあったものですが、いまや興味は「生存力」。

「次世代の統合医療ハッカソン」のような数日は、
霊験あらたかな時と空間を僕に与えてくれた今週です。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.420 2019年7月5日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

その他の記事

残暑の中で日本だけに定着したマスク文化を考える(高城剛)
「ローリング・リリース」の苦悩(西田宗千佳)
歴史が教えてくれる気候変動とパンデミックの関係(高城剛)
「スポンサードされた空気」のなかでどのように生きて行くべきなのか(高城剛)
資本家・事業にとってだけ有利なデジタル革命、シェアリングエコノミー問題(やまもといちろう)
変化が予測できない時代(本田雅一)
「民進党代表選」期待と埋没が織りなす状況について(やまもといちろう)
東京新聞がナビタスクリニックの調査を一面で報じたフェイクニュース気味の事態の是非(やまもといちろう)
なんでもアリのハイレゾスピーカー「RS-301」を試す(小寺信良)
(ある意味で)巨星・石原慎太郎さんを悼んで(やまもといちろう)
ジェームズ・ダイソンのイノベーション魂(本田雅一)
遺伝子と食事の関係(高城剛)
6月のガイアの夜明けから始まった怒りのデス・ロードだった7月(編集のトリーさん)
執筆スタイルが完全に変わりました(高城剛)
人生は長い旅路(高城剛)
高城剛のメールマガジン
「高城未来研究所「Future Report」」

[料金(税込)] 880円(税込)/ 月
[発行周期] 月4回配信(第1~4金曜日配信予定。12月,1月は3回になる可能性あり)

ページのトップへ