※この記事は本田雅一さんのメールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」 Vol.060「ソニーが新しい時代に向けて打つ戦略的な第一手」(2020年1月14日)からの抜粋です。
米ラスベガスで開催していた『CES2020』で、もっとも多くの注目を集めたのは基調講演を担当したデルタ航空やサムスンではなかった。SNSを流れるCESのトレンドで、もっとも多く発信され、リツイートされたのはソニー。それも商品化さえ行われていない『Vision-S』というコンセプトカーだった。
このコンセプトカーについては、多くの報道があるため、それ以上の言及は不要であろう。しかし、吉田社長への取材でわかったのは、このコンセプトカーは、“自動車産業への取り組みの第一歩”であると同時に、新たな時代の幕開けに向けた戦略の第一歩でもあることだ。
モビリティー時代のメジャープレーヤーを目指すソニーの戦略
ソニーが披露したVision-Sは、オーストリアの自動車開発企業マグナ・シュタイアとの協業でスクラッチからつくりあげた電気自動車だ。ソニー自身が繰り返しているように、この車は製品化を目指したものではない。実際に車をつくることで、ソニー自身がどのように自動車産業、そして5G時代に拡がる多様なモビリティー(個人向け移動手段、自動配送など)へと貢献できるか? などを知るためにつくった習作と言える。
実際、開発責任者を務めた川西泉氏(元ソニー・インタラクティブエンタテインメントエンジニアで、aiboの開発責任者)は、マグナ・シュタイアから“自動車としてあるべき設計”について多くを学んだという。一方で自動車のつくり方を学ぶことで、モノづくり企業としてのソニーの手法が使える部分も見えてきたと話していた。
では、ソニーの貢献できる分野とは何なのだろう? ソニー社長兼CEOの吉田憲一郎氏の目線の先にあったのは、モバイル時代の次に見えている“モビリティーによる社会変革”だった。
“モバイルの時代”の次に向けた行動
過去10年は、“モバイルの時代”へと変化していく社会変革の時代だった。事業環境、公共サービス、コミュニケーション、エンターテインメント、あらゆる要素がモバイルの時代に変化してきた。吉田社長は「モバイルの時代にイメージセンサーをはじめ、ソニーが貢献できている分野はある」と話す。
(この続きは、本田雅一メールマガジン 「本田雅一の IT・ネット直球リポート」で)
本田雅一メールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」
2014年よりお届けしていたメルマガ「続・モバイル通信リターンズ」 を、2017年7月にリニューアル。IT、AV、カメラなどの深い知識とユーザー体験、評論家としての画、音へのこだわりをベースに、開発の現場、経営の最前線から、ハリウッド関係者など幅広いネットワークを生かして取材。市場の今と次を読み解く本田雅一による活動レポート。
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