※高城未来研究所【Future Report】Vol.461(2020年4月17日発行)より
今週も、那覇にいます。
沖縄は、ついに離島でも新型コロナウィルスの感染者が出ており、少しつづ、危機感に満ちてきたように思えます。
那覇を見渡すと、マスク率も7割近くになったように見えますが、いまだ県内最大の幹線道路58号線は、朝夕は大渋滞です。
さて現在、遺伝子を解析すると新型コロナウィルスには、数タイプあることがわかっています(http://dailym.ai/2XwvdQQ)。
現在、日本の主流は、どうやらBタイプ。
今後、最新型のCタイプの感染が広がると、ある日突然、重症化する人が増えるはずです。
ここからは僕の推測ですが、タイプ別に人の遺伝子=SNPsに変異があると、重症化する可能性が高まるのではないか、と考えます。
すでに、ヘルシンキ大学分子医学研究所(FIMM)の遺伝学者アンドレア・ガンナが、ACE2(angiotensin-converting enzyme 2)のSNPs変異には、明らかな疑いがあると述べています。
フィンランドには、500万人もの(フィンランドの人口の5%)DNAサンプルと健康データを保有していることもあって、相関関係を見つけやすいバックグランドがあります。
また、ACE2の変異は、ウイルスが細胞に侵入するのを容易にする可能性があると、国立アレルギー感染症研究所の免疫学者フィリップ・マーフィーも話し、シエナ大学の遺伝学者アレサンドラ・レニエリも、「遺伝的差異が重篤な急性肺炎に対する感受性の主要な要因であるというのが私の意見です」とコメントしています。
さらに、ロックフェラー大学の小児科研究者であるジャン=ローラン・カサノバは、「若い患者でも、重症化するのは、遺伝的根拠を持つ可能性が高い」と、インタビューに答えました。
ちなみに、このACE2の変異は、有色人種に多いことでも知られています。
このACE2受容体の遺伝的変異に加えて、ウイルスや細菌に対する免疫系の反応に影響を与えるヒト白血球抗原遺伝子の違いが、疾患の重症度に影響を与える可能性が高いことも徐々にわかってきました。
つまり、タイプ別の新型コロナウィルスに(例えばCタイプ)、それに特定の血液型(例えばA型)とSNIPsの変異(例えばACE2)、そしていつもお話しするビタミンDの受容体(VDR)等の掛け算による変数で、コロナの重症化リスクが判明すると、僕は考えています。
勿論、基礎疾患の有無や日常的な栄養から作られる免疫力が大事なのは言うまでもありません。
また、タイプが異なれば、一度免疫を獲得できても、別のタイプや今後の変異に対応できるとは限りません。
さて、僕のACE2は、SNPs検査によると変異があり、6段階評価で下から三番目。
VDRにも変異があります。
また、血液型はA型であることから、重症化リスクはそれなりに高く、いつも以上に免疫力を高めておかなければなりません。
かつて世界を席巻した1918年のスペイン風邪は、患者死亡率とその地域の7月のUVB日照量(=ビタミンD生成量)には、有意な逆相関が見られることが報告されています。
夏になるとウィルスの蔓延がおさまるのは、湿度だけでなく、強い太陽光に大いに関連あることが、もう100年前にわかっていたのです。
現在、沖縄は25度以上で日差しがかなり強い日々。
ここに長居しているのは、もしかしたら、僕のウィルス防衛本能なのかもしれません、という、もっともらしい南国滞在を引き延ばす言い訳を考えた今週です。
ここは、もう夏を感じます。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.461 2020年4月17日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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