高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

ストレスを可視化しマネージメントする

高城未来研究所【Future Report】Vol.691(9月13日)より

今週も東京にいます。

今までになかったパーソナル・ヘルスケアサービス「8weeks.ai」をスタートしてから、もうじき三ヶ月が経とうとしています。
この間、多くの方々が採血等のためクリニックへお越しになり、その後、カウンセリングをお受けになられて、食事写真やヘルスケアデータなどもお送りいただきました。
現在、このお一人づつのデータを僕とスペシャリストたちが多角的に解析しておりまして、多くのクリニックでは見つかることがない問題をお伝えするようレポートに落とし込んでいます。

一般的に言われる不定愁訴には、疲労感、頭痛やめまい、食欲不振、胃腸の不快感、不安感、イライラ、睡眠障害などが挙げられますが、どんなに有名な大学病院に行っても保険診療の中では問題を見つけること、つまり病名をつけられないのが現状です。
なぜなら、多くの医療機関が見ているのは人ではなく疾病(保険診療に見合った病名)だからです。

実は、これら不調のスタートは、自律神経の乱れから生じています。
そこで、皆さんに送っていただきましたヘルスケアデータに基づき、僕なりの見方で自律神経、ひいてはストレスレベルに注視しています。

特に心拍数と心拍変動に注目し、例えばストレスフルな出来事(過度な仕事や人前に出るプレゼンテーション、そして良好とは言えない人間関係まで)に直面すると、心拍数は高まって心拍変動(HRV)は低くなります。
低いHRVは、慢性疾患や心理的問題のリスクを高め、心血管疾患、不安障害、うつ病などのリスクは、低HRVと明白な相関関係があると報告され、ストレスが持続すると交感神経の過剰な活動が心血管系に負担をかけるため、心疾患リスクが増加することも明らかになっています。
この病に至る過程で、疲労感、頭痛やめまい、食欲不振、胃腸の不快感、不安感、イライラ、睡眠障害などがはじまるのです。
これらの症状、いわばご自身の体の訴えを見逃してはいけません。

自律神経系は、交感神経と副交感神経のバランスによって制御されており、ストレスがかかると交感神経が優位に働き、HRVが低下します。
このメカニズムは、体が「闘争・逃走反応(fight or flight)」を起こし、自覚なくとも強いストレスを持つ人々は自律神経系を常に緊張状態にさせ、慢性期的リラックスできない状態を引き起こします。

事実、先週もお伝えしたように、大半の方々が本来の人間的生活と徐々にかけ離れてしまった結果、交感神経と副交感神経のスイッチングが上手くいっておりません。
こうして、1日のバイオリズムに狂いが生じ、あらゆる疾病のスタート地点となる不定愁訴が起きるのです。

アーユルヴェーダでは、自律神経を整えるため「ディナチャリヤ」と呼ばれる自然のリズムに従った生活習慣を実践するように諭されることからはじまります。
例えば、日の出の96分前に起床し、舌掃除やオイルプリングなどを行うことで体内を浄化し、交感神経と副交感神経のスイッチングを促します。

また、各人によって違うヴァータ、ピッタ、カパという3つのドーシャに合わせた時間の過ごし方が重要とされ、「リトゥチャリヤ」と呼ばれる季節ごとのリズムに調和させた生活を送ることがバイオリズムを整える鍵だと考えられ、季節に応じた食べ物や運動、活動量を変えることで、ドーシャのバランスを保ち、体内のリズムを最適化していきます。

8weeks.aiでは、各人によって異なる体質を血液を始め、バイオロジカルデータから読み解き、またApple Watch等のヘルスケアデータから人間的生活の乱れを確認します。
現在、第一次メンバーの方々に送る個別レポートを作成中ですが、どうやらご自覚なきストレスをお抱えの方が大変多く、その方々には僕なりの心拍変動を高めるコツを伝授するようにしました。

既に各種データをご提出いただいた方は、月内にレポートをお届けできると思いますので、良くも悪くも現在の「本当の自分」を見つける足掛かりにしてください。
この時代、ストレスを可視化し、マネージメントすることが快適に生き抜く秘訣のひとつなのですから。

もうじき季節が変わります。
あわせて、この機会にご自身も大きくスイッチしましょう!
まるで昨日までの自分と決別するように。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.691 9月13日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 大ビジュアルコミュニケーション時代を生き抜く方法
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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