高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

梅雨時期に腸内環境の根本的な見直しを

高城未来研究所【Future Report】Vol.732(6月27日)より

今週も、バルセロナにいます。

この時期の東京とバルセロナの大きな違いは、ズバリ気候です。
高温多湿で雨が多い東京と、カラとして日陰が涼しい地中海性気候のバルセロナでは、快適感およびハッピー感がまるで違います。
僕がこの時期、人生の多くの時間を地中海沿岸で過ごしているのは、この気候に恋しているからです!と言っても過言ではありません。
なにしろ気分が良くなり、睡眠がグッと深くなるのはなによりも替え難く、その要因はカビにあると長年の経験から感じるところです。

近年、室内のカビ、特に湿気とセットで存在する「ダンプネス」 は、睡眠維持障害(中途覚醒)を含む多様な睡眠トラブルと有意に関連することが、疫学研究で繰り返し示されています。
半月以上の長期的カビの暴露は、副鼻腔炎などを呼び起こし、 夜間呼吸障害や交感神経優位になって、低濃度でも炎症性サイトカインが著しく上昇します。
これが覚醒系ホルモン(コルチゾール)の日内変動も乱し、早朝覚醒、寝汗、翌日の疲労感につながるのです。

この時期の食物から入ってしまうマイコトキシンなどによっても腸内カンジダが増殖し、腸脳相関からイライラを誘発して集中力が欠如します。
よく「地中海食がいい」「小麦が悪い」などと言われるのも、単にオリーブオイルやグルテンの影響だけでなく、乾燥した地中海とはまったく違う日本の環境下の高温多湿のなかで増えてしまうカビこそが、本当の天敵なのです。

ところが、腸内カンジダを、キチンと検査する手法がありません。
米国に検体を送る検査はいくつかありますが、駆除する機序が異なるカンジダ菌の詳細がわかる検査は、世界中にひとつもありませんでした。
有機酸検査(OAT)でも、腸内カンジダ過剰のサインはわかっても、菌の詳細はわかりません。

そこで、ちょうど一年前からはじめた8weeks.aiにあわせて、自社バイオラボで「腸内カンジダ精密検査」を作りました。
腸内には数百種類の細菌・真菌・ウイルスが共生しながら、バランスのとれた腸内環境が健康を支えていて、カンジダはその中に常在する真菌の一種ですが、抗菌薬の使用や免疫力の低下、ストレス、高糖質食、カビなどをきっかけに過剰に増殖すると、腸管の炎症やバリア機能の低下、他の菌とのバランスの乱れを引き起こします。

また、小腸での細菌の異常増殖であるSIBO(小腸内細菌過剰増殖)とも深く関係しており、カンジダが増殖するとSIBOとともに互いに悪化を引き起こす「悪循環」に陥り、こうしてお腹のハリや落ち着かない便と、様々な症状が頻発します。

このような背景から、カンジダの状態を正確に把握してマネージメントすることは、腸内環境の根本的な見直しに欠かせません。
それゆえ、カンジダの定量検査は、目に見えない腸内の真菌バランスを可視化し、体調不良の根本原因にアプローチする大切な手がかりとなるのです。

この検査を梅雨がはじまる前から、8weeks.aiメンバー以外にも「神宮前統合医療クリニック」で受診できるようにしましたので、もし、ご不安があるようなら、一度お問い合わせください。
種類によって異なる駆除方法も指導してくれます。

そして、これもまたどこでも調べていないけど、大問題なのが腸内の寄生虫です。
自社で調べたところ、およそ5%~10%の人たちに寄生虫がおりまして、これを見つけ出す「腸内寄生虫精密検査」も現在開発中です。

どうしても腸内環境が落ち着かない大人もお子さんも、一度寄生虫も徹底的にお調べいただいたほうがよろしいかと思います。
こちらはリリースまで、いましばらくお待ちくださいませ。
秋ごろを予定しています。

昨年の大規模コホート調査で、既往のカンジダ感染例は、食道がんリスクがおよそ二倍まで高まることがわかりました。
あわせてすべての腫瘍に低~高レベルの真菌が確認されており、また、慢性炎症の大きな原因であることも判明しています。

気候変動により、年々厳しくなる日本の夏。

どうかみなさま、梅雨時期の腸内にご自愛を。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.732 6月27日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 大ビジュアルコミュニケーション時代を生き抜く方法
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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