藤沢数希のメルマガ『週刊金融日記』第275号(2017年7月18日発行)より、冒頭部分をお届けします。
〘第275号 目次紹介〙
/ 週刊金融日記
// 2017年7月18日 第275号
// いまさら人に聞けないビットコインとブロックチェーン・テクノロジー
// 分裂騒動で暗号通貨ビットコインが暴落中
// 赤坂のシーフード・イタリアン
// 医師ですが在宅看取りなんてやめた方がいいです
// 他
こんにちは。藤沢数希です。
日本は三連休明けですね。みなさんリフレッシュできましたでしょうか。今日からお仕事がんばってください。僕は自営業なのであまり連休は関係ありません。
さて、九州では50年に一度の豪雨で、関東は20年ぶりの水不足だそうですね。地球温暖化の影響かどうかわかりませんが、気象の「ボラティリティ」は素人目には上がっているように思います。気候変動に関する研究者も、金融工学の分野では当たり前なボラティリティなどの時系列分析をすると面白い結果が出てくるかもしれませんね。
●朝倉市の中小河川「50年に1度の流量」大幅に上回る 気象庁の新システムで分析
http://www.sankei.com/life/news/170712/lif1707120004-n1.html
●梅雨はどこに? 関東地方で真夏日続く、熱中症に注意
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14HD4_V10C17A7CC0000/
先週発売されたビジネス誌の週刊SPA!で、『カーズ/クロスロード』の映画評が掲載されています。以前のメルマガでも紹介しましたが、なかなか面白い映画でした。公開されましたね。
『週刊SPA! 2017年 7/18・25合併号 人生の岐路に立つ車たちの決断』
http://amzn.to/2tzj7Uh
『週刊金融日記 第273号 歳を重ねるとは 〜恋愛プレイヤーたちの人生のクロスロード』
●「カーズ/クロスロード」予告編
今週も面白い投稿がいくつもありました。見どころは以下のとおりです。
―ローソンやファミリーマートがセブンイレブンに打ち勝つためにやるべきことは
―裾を出したまま着てカッコいいオーダーシャツは見つかりましたか
―これからの個人の時代は実名&顔出しのほうがいいのでしょうか
―フィリピンのセブ島で恋愛工学のフィールドワークをしてきました
―ハイスペ男性の時給に見合う素人女性とのセックスのコスト
―医師ですが在宅看取りなんてやめた方がいいです
―松居一代さんについて
―なぜ美人は薄命なのですか
それでは今週もよろしくお願いします。
1.いまさら人に聞けないビットコインとブロックチェーン・テクノロジー
最近というか、この2、3年ぐらい、ビットコインやその背後にあるブロックチェーンという仕組みについて、ニュースなどでよく聞くようになりました。値上がりによって億万長者が続出しており、あのサトシ・ナカモトは2000億円ほど儲けたと言われています。最近では、ICO(Initial Coin Offering)という、知らない人には仕組みがさっぱりわからないもので、小さなベンチャー企業、あるいは会社でもなく単なる個人のプロジェクトが何十億円、ときに数百億円を集めた、というニュースもよく聞くようになりました。
●ビットコインで億万長者になった人たち
http://investor-a.com/3384#i-7
●過去最高額!? 脅威のICO、Statusは3時間で350億円調達!
https://newspicks.com/news/2322927/
ネットなどを検索すると、ビットコインなどの暗号通貨の解説が山ほど出てきますが、おそらく、そのどれを読んでも仕組みがよくわからないのではないでしょうか。じつは、本を買っても、なかなかよくわからないようになっています。それは、技術的な難しさもありますが、解説を書く人たちのポジショントークによって、ところどころが歪められて書いてあるからです。
今回は、有用な参考文献を挙げるとともに、ビットコインやその背後にあるブロックチェーンという技術について解説しましょう。
まずは、みなさんがお金でものを買ったり、送金したりするときにどうなっているのか考えてみましょう。それは、銀行のデータベースの数字が変更される、ということです。たとえば、AさんがBさんに100万円送るとします。すると銀行のデータベースで次のことが起こります。
(1) Aさんの預金口座が100万円減る
(2) Bさんの預金口座が100万円増える
たった、これだけです。なぜこんな簡単にできるかというと、銀行が信頼できるから、あるいは銀行を信頼しているからです。銀行というのは、国家によって厳しく規制されており、いい加減な人では作れません。そして、銀行はシステムの安全性を保つために膨大な投資をしており、国家は法律で銀行での取引に関する不正行為を取り締まってくれます。行員が横領したら牢屋に放り込みますし、銀行が銀行強盗されたら、ちゃんと人月をかけて犯人を捕まえてくれます。
そもそもお金は、他の人がそれを価値があるものだと思っているから価値がある、というもので皮肉な言い方をすれば、こうしたお金こそがバーチャルなものですが、それでもモノやサービスは円で買えるようになっていますし、税金は日本だったら円で納めなければいけません。納めなければ、財産を没収され、場合によっては牢屋に入れられます。そして、お金の量は、中央銀行によってコントロールされています。お金の価値は、絶対的な権力を持つ国家により、ある程度は担保されているわけです。
お金をお金たらしめるためには、中央集権的な国家の存在が欠かせないものでした。しかし、インターネット上に、まったく管理者など存在せずに、お金を作ることが可能だと示したものが、ブロックチェーンという技術が応用されて生まれたビットコインという暗号通貨です。いまでは、ビットコイン(時価総額=3〜4兆円)だけではなく、イーサリアム(約2兆円)やリップル(約7000億円)などの暗号通貨が出回っています。
●CryptoCurrency Market Capitalizations
https://coinmarketcap.com/
(続きは藤沢数希のメールマガジン『週刊金融日記』第275号にてお読みください)
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