名越康文
@nakoshiyasufumi

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)より

これからの日本のビジネスを変える!? 「類人猿分類」は<立ち位置>の心理学

※名越康文メールマガジン 生きるための対話より

類人猿分類、ブレイク!

先日(6月23日)、テレビ東京の「ガイアの夜明け」で、類人猿分類の生みの親である岡崎和江さんらのスーパー「エブリイ」が紹介されました。エブリイは、広島県福山市にある会社で、15期連続2桁増収、8期連続増益という、この混迷の時代には珍しい大躍進企業です。

番組では、その大躍進を支える秘密として、僕も監修者として関わった性格分類である「類人猿分類」が紹介されました。皆さんはご覧になりましたか? たまたまスケジュールが空いていたので番組を見たのですが、非常にすばらしい作りでした。ある売り場担当者(チンパンジータイプ)にスポットをあて、おそらく1か月以上取材して作った力作でした。

それまで職場の仲間とギクシャクしており、売り上げを落としていたチンパンジーさんが、エブリイ社内の研修で、類人猿分類を学んだ。最初のうちは半信半疑だったチンパンジーさんですが、類人猿セミナーを受けるうちに、自分が勝ち負けを重視し、積極的にコミュニケーションを取ろうとするチンパンジータイプであること、そして仲間たちがそれぞれ、ゴリラやオランウータン、ボノボなど、自分とは異なるタイプであることを理解し、その強みを生かそう、と考えるようになった。

その結果、なんと売り上げが1日平均、20万円以上アップした、というんですね。

にわかには信じられないぐらいすごい話です。でも、番組を見ていると「ああ、そうだろうなあ」と納得させられる。それくらい、スポットのあたったチンパンジーさんはもちろん、他の仲間たちの行動や表情、態度、声色の変化みたいなものから、ビンビンとリアリティが伝わって来る映像でした。

時間にすると、おそらく25分ぐらいでしょうか。でもたったそれだけの時間でも、類人猿分類というものが持つ潜在力や、実際に企業に取り入れると何が起きるのか、ということがよく伝わった、すばらしいドキュメンタリーだったと思います。

実は僕はこの番組制作にあたって30分ほど取材を受けていたのですが、すべてカットされていました(笑)。ただ、そんなことがまったく気にならないぐらい、すばらしい作りだった。

だから、でしょう。翌日から、類人猿分類を紹介した書籍『ゴリラの冷や汗』の売り上げが急上昇しまし。僕が見た限りでは最高で総合2位、ビジネス書ランキングで1位という快挙を達成したのです。

ape_cover_shopゴリラの冷や汗
Team Gather Project著
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やっと来たか!

類人猿分類については、岡崎さん親子から相談を受け、世に出してからかれこれ5年ほどになるでしょうか。それがついに「跳ねた」という感じですね。

でも僕は、このブレイクに喜びはあっても、驚きはないんです。あるのは「やっとわかってくれたか!」という気持ちだけ。ようやくお前ら、俺の言っていることに追いついてきてくれたか! という感慨だけがある(笑)。

というのも、僕は常に「未来」のことをやりたい、と思っているから。皆さんも、いま名越が口にするとこ、やっていることに「ポカーン」としているかもしれないけれど、それは全部5年後か、10年後にはドーンと「来る」ものばかりなんです。いまからチェックをしておいて損はないですよ!(笑)

……さて、冗談はともかく、類人猿分類というものの可能性を、僕がずっと信じて疑わなかったのは、この性格分類が「グループ(チーム)の中の自分の立ち位置」というものにスポットライトをあてた性格分類だったからです。

これは、10種類にタイプを分けて、ここのタイプの感覚世界に深く分け入っていく体癖論の考え方とはまったくといっていいほど違う考え方です。

「立ち位置」というのは、チームやマネジメントということを考える上で、非常に面白いキーワードです。少なくとも僕ら日本人は、立ち位置とか役割というものが決まってはじめて、その人が持つ力を百パーセント発揮することができる民族なんですね。

たぶん、「野球」と「ベースボール」は違う、ということがよく言われるのもそのあたりにあると僕は考えています。つまり、欧米人にとってのチームというのは、もともとスペシャリティ(専門性)を持った人が集まって作るものなんですが、日本のチームというのは違う。まず、チームがある。そしてチームの中でそれぞれの立ち位置をはっきりさせることによって、それぞれの個性が際立って生きてくる。そういう文化なんですね。

立ち位置というのは、日本人なら直感的にわかる話ですが、おそらく、欧米の方には理解しづらい感覚だと思います。でも、この「立ち位置」というものが持つ力には、これからの時代、日本人だけではなく、世界の経済において、大きな可能性が秘められていると思います。もちろんこれがマイナスに働くと、人が持って生まれた個性を潰す方向に働いてしまうわけですが、プラスに働けば「専門家の集合」よりもずっと強い、有機的なチームをつくる鍵になる。

実際、ビジネスやスポーツだけではなく、芸能界でも、お笑いでも、うまくいっているグループやチームというのは、だいたい「立ち位置」にうまく人がはまっています。

じゃあ、どうやってその人が持って生まれた個性をつぶさない「立ち位置」を作ることができるか。そう考えたときには、類人猿分類というのは最高のツールになるんじゃないか。僕が、岡崎さんたちから類人猿分類について相談を受けたときに直感したのは、まさにそういうことでした。だからこそ、「ぜひやってください!」と推したのです。

そういう意味では、類人猿分類というのは、体癖論の焼き直しではなく、まったく別の目的をもったツールなんです。その目的とは「グループ、あるいは集団の中で、個人の力をどう活かしていくか」ということです。つまり、類人猿分類というのは、「集団としての人間のパフォーマンスを高めていくためのツール」なのです。

僕は、この類人猿分類というツールは、人口減少時代に突入しつつある日本はもちろんのこと、世界的にも、これからの人類が生き延びていくうえで、大いに貢献しうるツールとなるのではないか、と考えています。

類人猿分類公式サイト
http://gorihiya.yakan-hiko.com/

簡易診断アプリ「類人猿診断」
http://yakan-hiko.com/gather.php

『類人猿分類公式マニュアル2.0  人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ』

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http://amzn.to/1RpGnhS

テレビ東京系「ガイアの夜明け」(2015年6月23日放送分「快進撃スーパーの裏側 驚きの人材力! 」)、「とくダネ! 」などテレビ、メディアで話題沸騰!

15期連続2桁増収、8期連続増益の食品スーパー「エブリイ」。従業員の個性を活かす人事の秘密「類人猿分類」のすべてを解説する決定版マニュアル!

 

名越康文
1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、京都精華大学客員教授。 専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:大阪府立精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。 著書に『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』(角川SSC新書、2010)、『毎日トクしている人の秘密』(PHP、2012)、『自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン』(医学書院、2012)、『質問です。』(飛鳥新社、2013)、『驚く力 さえない毎日から抜け出す64のヒント』(夜間飛行、2013)などがある。 名越康文公式サイト「精神科医・名越康文の研究室」 http://nakoshiyasufumi.net/

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