武術研究者・甲野善紀氏のメールマガジン「風の先、風の跡――ある武術研究者の日々の気づき」に届いた、若者からの一通のメールによって始まった、哲学と宗教、人生を考える往復書簡。メールマガジン読者の間で話題となった連載をプレタポルテで公開します。
<甲野善紀氏の新作DVD『甲野善紀 技と術理2014 内観からの展開』好評発売中!>
一つの動きに、二つの自分がいる。
技のすべてに内観が伴って来た……!!
武術研究者・甲野善紀の
新たな技と術理の世界!!
武術研究家・甲野善紀の最新の技と術理を追う人気シリーズ「甲野善紀 技と術理」の最新DVD『甲野善紀 技と術理2014――内観からの展開』好評発売中! テーマソングは須藤元気氏率いるWORLDORDER「PERMANENT REVOLUTION」!
「狂信」と「深い信仰」の違い
【田口慎也から甲野善紀へ】
甲野善紀先生
お手紙ありがとうございました。先生から頂戴したお手紙を拝読しながら、いくつか私のなかにも気づきが起こりましたので、それについて書かせていただきたいと思います。
大本教の草創期を描いた『大地の母』は、甲野先生が薦められていることを知り、2年ほど前に最初から最後まで読み通しました。今回、改めて11巻の部分を読み直しながら、私は「狂信」と「深い信仰」の違いについて考えました。
甲野先生はよく「『大地の母』の11巻目の部分を読んでいれば、あれだけ多くの若者がオウム真理教にのめり込むことはなかったのではないか」と仰っていますが、私もこの部分を読んでオウム真理教の事件や、自分自身の「狂信への恐れ」について改めて考えました。
私は昔から宗教や信仰といったものに関心がありましたが、そのような自分の性質を知っているがゆえに、私が一番恐れていたことは「自分自身が知らぬ間に狂信者や原理主義者のようになってしまうのではないか」ということでした。
といいますのも、私が小学校高学年の時に起こったオウム真理教の一連の事件のことが頭から離れなかったからです。彼等の中には「近代科学などに対する憧れが破れて信仰の道に進んだ」人々もいたといいます。
「高い理想を掲げて大学に入学したが、その理想が破れ、その『内面の隙間・空虚感』を埋めるために宗教を求めた」という人々です。そうした面は私の中にもあり、彼らの行動が「他人事」だとは思えなかったためです。
それを防ぐにはどうしたらよいか…10代のころは「自分が狂信や原理主義に陥らないようにするにはどうすればよいのか」ということを自分なりに考えて、とにかく「相反するもの・相反する考え方に同時に触れよう」と思い定めました。
「自分の考え方のバランスを取る」方法として、当時の私にはそれ以外のやり方が思い浮かばなかったのです。とにかく、当時の自分から見て「相反する思想」、たとえば「徹底的な無神論を説く書物」と「信仰や宗教を肯定する立場を取る書物」とを同時に読み、とにかく自分の思考に揺さぶりをかけ、自分の思考が凝り固まらないように、自分の思考が「居付かない」ようにするよう、必死に努力していました。
そうしたなかで、私は「科学」と「宗教」についても自然と考えるようになり、「狂信的な信仰者や原理主義者」と「深い信仰者」の違いは何か、どこにその差が生まれてしまうのかについて、自分なりに考えてきました。
そして今は、「狂信」と「深い信仰」の違いは「対立するもの・矛盾するものを抱え込むことが出来るかどうか」という点にあるのだと思っています。
その他の記事
|
20世紀の日米関係がいまも残る基地の街(高城剛) |
|
ピダハンから考える信仰における「ほんとう」について(甲野善紀) |
|
週刊金融日記 第296号【魑魅魍魎たちが跋扈する暗号通貨市場を生き抜く、多数のイベントが待ち構える12月のビットコイン他】(藤沢数希) |
|
成功を導くのは、誰からも評価されない「助走期間」だ–天才を育む「ひとりぼっちの時間」(ソロタイム)(名越康文) |
|
私的録音録画の新しい議論(小寺信良) |
|
株式会社ピースオブケイクのオフィスにお邪魔しました!(岩崎夏海) |
|
スマホVRの本命「Gear VR」製品版を試す(西田宗千佳) |
|
週刊金融日記 第272号<高級住宅地は子育てにまったく向かないという話 他>(藤沢数希) |
|
太陽が死によみがえる瞬間を祝う(高城剛) |
|
シアトルとアマゾンの関係からうかがい知る21世紀のまちづくりのありかた(高城剛) |
|
宗教学たん執筆の記事とメルマガ『寝そべり宗教学』について(夜間飛行編集部) |
|
世界はバカになっているか(石田衣良) |
|
元は取れるのか!? 定額衣装レンタル「bemool」を試してみた(小寺信良) |
|
世界中の観光地を覆いつつあるグローバリゼーションの影(高城剛) |
|
突然出てきた日本維新の会4兆円削減プランって実際どうなんだよ(やまもといちろう) |












