織田成果主義が崩壊したワケ
ただ、彼のしがらみの無さは、家中に静かな動揺をもたらした。そして彼自身、想像もしなかったような形でそれは顕在化してしまう。そう、本能寺の変だ。
「このままいけば織田家の天下統一は間違いない。でも、仕事が無くなったら、戦自慢の俺たちはどうなるの?」という疑問は、光秀でなくとも抱いただろう。
「いやあおまえたち、これまでよく頑張ってくれたね。長年の年功に応じて所領を分配するから、これからはゆっくり茶でも飲んで暮らしなさい」なんてことを信長が絶対に言わないであろうことは、家臣ならみんなよく分かっていたはず。
こうして、中途採用エリートの出世頭である明智光秀の謀反につながるわけだ。
そして、もう一つ、彼の成果主義には負の影響があった。彼の死後、織田家は他に例をみないほどのスピードで崩壊する。一応、(あまり出来のよろしくない)子供をそれぞれ担いで派閥争いという形を取ってはいたが、その後の家臣の争いは完全な覇権争いだ。事実、その争いを制した羽柴秀吉は、名実ともに天下人としての道を歩むことになり、かつて担いだ信長の嫡孫は田舎にポイ捨てされてしまった。
織田家は、年功序列という価値観が全否定された稀有な組織だ。だから信長という最強のストッパーが外れた後、誰も彼の「年功の残り」を担ぐ人がいなかったのだろう。そういう意味では、本能寺で信長が死んだ瞬間に、織田家も滅んだと言えるかもしれない。
余談だが、筆者はユニクロの柳井社長を見るたび、なぜか信長を思い出してしまう。
その他の記事
|
良い旅は、旅立つ前に決まるのです(高城剛) |
|
新型コロナウイルスのデマに立ち向かう方法、我が家の場合(本田雅一) |
|
週刊金融日記 第284号<ビットコインのおかげで生きたトレーディングの教科書ができました、安倍首相衆院解散か他>(藤沢数希) |
|
JAXAで聞いた「衛星からのエッジコンピューティング」話(西田宗千佳) |
|
【期間限定】『「赤毛のアン」で英語づけ』序文(茂木健一郎) |
|
トヨタが掲げるEV車と「それは本当に環境にやさしいのか」問題(やまもといちろう) |
|
画一化するネットの世界に「ズレ」を生み出すということ(西田宗千佳) |
|
ダイエットは“我慢することでは達成できない”というのが結論(本田雅一) |
|
夏休みの工作、いよいよ完結(小寺信良) |
|
人間の場合、集合知はかえって馬鹿になるのかもしれない(名越康文) |
|
ゲームを通じて知る「本当の自分」(山中教子) |
|
“美しい”は強い――本当に上達したい人のための卓球理論(下)(山中教子) |
|
「不倫がばれてから食生活がひどいです」(石田衣良) |
|
衰退する日本のパラダイムシフトを先導するのは誰か(やまもといちろう) |
|
超人を目指す修行の日々(高城剛) |











