高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

野菜はヘルシーフードどころか真逆の毒の塊?

高城未来研究所【Future Report】Vol.612(3月10日)より

今週も東京にいます。

ここ数年、晩秋から春先までmTOR遺伝子をスイッチングして蓄積モードにしておりますが、世の中で花粉が騒がれるようになると(季節が変わったゴングが聞こえると)、ゆっくりと食事を変え、再びスイッチングする時期の到来だと考えています。

何度かお伝えしましたが、1年のうち8カ月間(春から秋)はオートファジーをオンにして組織や細胞を「異化」(分解・破壊)して身体から不要物を取り除くことに注力し、残りの4カ月間はmTORをオンにして組織と細胞を同化(蓄積)します。
こうして冬眠に備える動物のように、季節によって食事内容(主に糖)をガラっと変えるのが、いまでは「通年の食事のサイクル」となりました。

この期間やスイッチングに関しては個々の体質(遺伝子)やライフスタイルによって様々だと思いますが、僕の場合は北半球の太陽光を利用して撮影が本格化する春から秋までの渡航の頻度が上がる前に、食事を選ぶことが出来る東京で上手くスイッチしておくのが合っているようで、結果、新型コロナウィルスの感染はもとより、最後に風邪を引いたのも覚えていません。
花粉症も大きく軽減され、なにより精神的な心地よさを得られるようになりました。

そこで、僕ならではの食事に関するご質問を多々頂戴するなか、今週は偏食の極みと言っても過言ではない「いったいなぜ、野菜をほとんど食べないか」につきまして、お話ししたいと思います。

昨年秋にリリースしました「BIO HACKING」でもお伝えしましたように、人によっては(SNPsによっては)、野菜を食べるのが向かない人がいます。
特にヒスタミンの問題は大きく、トマトやほうれん草などを食べることによって炎症を誘発する人が少なくありません。
スリランカやインドのアーユルヴェーダ施設でも、基本的にナス科の食材は提供されません。

同じく自著「333ウルトラデトックス」にも記しましたように、野菜に含まれるレクチンも大きな問題です。
米国の外科医として著名な医師スティーブン・R・ガンドリーによれば、大豆、豆腐、トマトなど、体に良いとされているヘルシー食材に含まれるレクチンが、腸管を覆っている粘膜細胞の間のタイトジャンクションをこじ開け、「腸漏れ」を引き起こす原因になっていると注意を促しています。
その後、レクチンは腸管周囲の組織、リンパ節、腺、血流など、本来いるはずのない場所に到達すると異種タンパク質として振る舞い、身体の免疫機構によって自らを攻撃します。

このような野菜特有の毒素は、動物と違って外敵から逃げることはできない代わりに微量の毒を含んで相手にダメージを与えるために保有して生き延びてきた、生物進化論によるものです。
生化学者ブルース・エイムスは長年の研究結果をまとめた論文のなかで、人が摂取する農薬および毒の99.9%は植物自体から出たものであり、食物に散布された農薬は0.1%にすぎないと発表。
グリホサートなどの農薬は人間に害を及ぼしますが、食事で摂取する量は植物由来の毒素の量と比べれば微々たるものであるとエイムスは述べています。
推定では、米国人ひとり当たり1日約1.5グラムの天然の野菜毒を摂取しており、これは残留合成農薬を摂取する量のおよそ1万倍にあたります。
こうした天然の野菜毒の人体への摂取には食事によって大きな差があり、当然ですが、ベジタリアンでは高くなるのは言うまでもありません。

例えば、キャベツのような無害に見える食物にも、少なくとも42種の毒性化合物があるとエイムスは述べており、こうした化合物が人間や動物の染色体異常を誘発し、DNAに損傷を与えることも判明しています。

つまり、遺伝子的に向かない人にとって、野菜はヘルシーフードどころか真逆の毒の塊なのです。
事実、農業革命が起きる前まで、何万年も人類は野菜を食べることなく、過ごしてきました。
現代社会において一番の問題が過食であることは言うまでもありませんが、いったい、世に言われる「健康食」とはなんなのだろうかと考えずにはいられません。

冬はそれなりに蓄積しないと東京でも寒さを感じますが、春の足音と共に、まるで衣替えするように体を変えはじめる今週です。
ちなみにスイッチング期間は、およそ3週間です!
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.612 3月10日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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