鏡リュウジ
@Kagami_Ryuji

鏡リュウジのメルマガ『プラネタリー夜話』より

ハロウィン:あの世とこの世の境界線が曖昧になるとき

ハロウィンの日なら魔法がかけられる?

どちらの日も、「この世とあの世を隔てるヴェイルが薄くなるとき」であり、異界のものがこの世界に入ってきやすいと考えられていたのですね。

だから魔女や悪魔、妖精たちには要注意だし、逆にいえば、妖精に取り込まれたものたちを奪還するのに良いときだとされていました。

このような祝祭がキリスト教に習合されるようになったのでした。

またこのサオィンは占いにぴったりのときだとされてきました。なにしろ、異世界とこの世界が接近するのですから、霊感も発揮しやすいはずですから。

有名な占い方としては、りんごの皮を、切れないようにくるくると剥きます。そしてその皮を自分の肩越しに後ろに投げるのです。そうすると、その皮が将来の結婚相手のイニシャルのかたちに落ちる、というもの。

もちろん、こんな乙女チックな占いだけでなく、真剣なタロット占いなどをやってみるのもいいのではないでしょうか。

10月はOctober。以前にも書きましたが、8本足の生きものであるタコをオクトパスということからわかるように、オクトとは本来「8」を表わす言葉。ローマでは3月が1年の起点でしたから、もともとは「8番目の月」ということでした。

アングロ・サクソン語では、Blotmonathとよばれていましたが、これはもともと「屠殺の月」。このころに家畜を屠って、ハムやソーセージといった保存食にし、長い冬に備えるのでした。

たくさんの魂があの世にいくので、逆にこちらの世界にも返ってくる魂があるのではないか、というのが、おそらくハロウィン的な季節のイメージのルーツだったように思います。

秋の夜長。光に「闇」が勝ってくるこの季節です。何かマジカルなことが起こりそうな、そんな予感がします。

 

<この文章は、鏡リュウジのメルマガ『プラネタリー夜話』からの抜粋です。もし興味を持っていただけましたら、ご購読をよろしくお願いします>

1 2
鏡リュウジ
1968年3月2日生まれ。占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学卒業、同大学院修士課程修了(比較文化)。占星術・占いに対する心理学的アプローチを日本に紹介したことで、幅広い層から圧倒的な支持を受け、従来の『占い』のイメージを一新する。英国占星術協会、英国職業占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会理事。平安女学院大学客員教授。

その他の記事

仮想通貨はトーチライトか?(やまもといちろう)
心のストッパーを外す方法(岩崎夏海)
【第1話】日本型雇用の未来は君の肩に……(城繁幸)
高市早苗政権、何か知らんがほぼ満額回答でトランプさん来日首脳会談を乗り切る(やまもといちろう)
なぜ、旅人たちは賢者のような眼をしているのか–旅こそが最良のソロタイム(名越康文)
21世紀、都市の未来は「空港力」にかかっている(高城剛)
【第6話】闘志なき者は去れ(城繁幸)
週刊金融日記 第279号 <ビットコインはバブルなのか、トランプvs金正恩チキンレースで米朝開戦の危機他>(藤沢数希)
人生の分水嶺は「瞬間」に宿る(名越康文)
地方統一選から見える「安倍政権支持者」と「アベノミクス」受益者の錯綜(やまもといちろう)
海外旅行をしなくてもかかる厄介な「社会的時差ぼけ」の話(高城剛)
移動速度とアイデアは比例するかを考える(高城剛)
アナログ三題(小寺信良)
いまさらだが「川上量生さんはもう駄目なんじゃないか」という話(やまもといちろう)
お悩み相談室 スナックりさちゃんへようこそ!(若林理砂)
鏡リュウジのメールマガジン
「プラネタリー夜話」

[料金(税込)] 550円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回発行(第2,第4月曜日配信予定)

ページのトップへ