津田大介
@tsuda

津田大介のメルマガ『メディアの現場』より

テレビと政治の関係はいつから変質したのか

◇政権交代さえも消費の対象になる時代

郵政選挙の次の09年は政権交代選挙になり、民主党が政権につきました。さらに、ご存知のように、昨年の総選挙では自民党が圧勝します。00年代の入ってからの選挙は、常に一方に逆風が吹き、もう一方を圧勝させています。テレビメディアが政治に大きく影響を与えていることは疑いもない事実でしょう。

しかし、そろそろテレビメディアと政治との関係を深く議論する必要が出てきたと感じます。05年には自民党の圧勝で小泉チルドレンが誕生し、09年には民主党の圧勝で小沢ガールズが誕生し、12年に選挙では自民党が圧勝し議員の返り咲きがありました。

このように、政権交代、あるいは政局自体が消費の対象になってしまっています。

メディアは安定した視聴率を稼ぐ一方で、政党及び政治家はどんどん消耗し、政権は短命でどんどん終わっています。しかも、短命で終わっているのは総理だけではないのです。議員の平均年数も風向き次第で大きく影響を受けています。たとえば、連続で10年勤めている衆議院議員は調べてみてもそうはいないと思います。少なくとも、小選挙区連続当選者はほとんどいないのではないでしょうか。

昨年の総選挙で民主党の有能な若手の多くがバッジを外すことになりました。実務能力の高い若手が多く、順当にいけば、何期か後には政策遂行の経験を積むことで、政治のリーダーになれる可能性があったにもかかわらずです。多くは再起を期していますが、テレビメディアの作り出す風に対し、政治家は試行錯誤しているのが現実なのです。

 

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▼鈴木寛(すずき・かん)

1964年、兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、1986年通産省に入省。中央大学講師等を経て、慶應義塾大学環境情報学部助教授に就任。2001年参議院議員に初当選し、現在2期目。民主党政権下では文部科学副大臣に就任し、スポーツ基本法などを制定した。超党派の「2020東京オリンピック・パラリンピック招致議員連盟」の事務局長、中央大学客員教授、大阪大学招聘教授なども務める。民主党を担う政策通、論客として注目されている。

公式サイト:http://suzukan.net/

ツイッターID:@suzukan0001

 

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津田大介
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース非常勤講師。一般社団法人インターネットユーザー協会代表理事。J-WAVE『JAM THE WORLD』火曜日ナビゲーター。IT・ネットサービスやネットカルチャー、ネットジャーナリズム、著作権問題、コンテンツビジネス論などを専門分野に執筆活動を行う。ネットニュースメディア「ナタリー」の設立・運営にも携わる。主な著書に『Twitter社会論』(洋泉社)、『未来型サバイバル音楽論』(中央公論新社)など。

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