――インフラやウェブサービスの事業者たちが見据えているような大きな時代の変化に、宇野さんの抱えていた問題意識がシンクロしていたということかなと思いました。
宇野 結果的に、僕自身も予想していなかった需要があったのだから、そうかもしれないね。 こういう問題意識のあり方は、そもそも僕の批評のモチーフと強く関わっているんだよ。例えば、僕は特撮が好きなのだけど、あれは「現実には存在しないキャラクターを一度造形物に落とし込んで半現実化したものを映す」という形でしか成立しない映像表現なんだよね。
一方で僕は、「現実そのものを映したもの」にも、「現実とは完全に断絶した虚構を映したもの」にも興味が持てない。本当に興味があるのは、特撮のように「まだ存在していないけど、これから存在する可能性があるもの」なの。それは個人的な趣味嗜好にも反映していて、だから特撮以外でも、絵画よりも立体造形物の方が好きで、模型も大好き。
このあいだ反響があったレゴ対談も、こうした興味の延長線上で作られている。
▼関連記事 【対談】根津孝太(znug design)×宇野常寛「レゴとは、現実よりもリアルなブロックである」
僕自身は、こういう感性というのは、現実に商品やサービスを制作して、それによって新しい文化やビジネスを生み出していくような動きにどこか親和性がある気がするんだよね。実際、イノベーションやマーケットの力というのは、まさに「まだ存在していないけど、これから存在する可能性があるもの」に力を与えていくものなわけでしょう。
その他の記事
|
週刊金融日記 第265号 <日本社会で多夫一妻制が急激に進行していた 他>(藤沢数希) |
|
「不倫がばれてから食生活がひどいです」(石田衣良) |
|
タバコ問題を考えなおす(川端裕人) |
|
夜間飛行が卓球DVDを出すまでの一部始終(第3回)(夜間飛行編集部) |
|
東京15区裏問題、つばさの党選挙妨害事件をどう判断するか(やまもといちろう) |
|
喜怒哀楽を取り戻す意味(岩崎夏海) |
|
週刊金融日記 第313号【カード自作とSpaced Repetitionによるパワフルな暗記メソッド、トランプさんに振り回される世界経済他】(藤沢数希) |
|
世界のクリエイターに愛されるノートの物語(ロバート・ハリス) |
|
自分の身は自分で守るしかない時代(高城剛) |
|
コロナが終息しても、もとの世界には戻らない(高城剛) |
|
テレビと政治の関係はいつから変質したのか(津田大介) |
|
アップル固有端末IDの流出から見えてくるスマホのプライバシー問題(津田大介) |
|
なかなか技あり、行列を緩和する「イベントアプリ」(西田宗千佳) |
|
ハロウィン:あの世とこの世の境界線が曖昧になるとき(鏡リュウジ) |
|
ようやく到着 ポータブル原稿書きマシン「Gemini」(小寺信良) |










