『静かなる革命のためのブループリント』発売記念インタビュー

宇野常寛が考える”社会と個人”を繋ぐ新しい回路とは

――インフラやウェブサービスの事業者たちが見据えているような大きな時代の変化に、宇野さんの抱えていた問題意識がシンクロしていたということかなと思いました。

 

宇野 結果的に、僕自身も予想していなかった需要があったのだから、そうかもしれないね。 こういう問題意識のあり方は、そもそも僕の批評のモチーフと強く関わっているんだよ。例えば、僕は特撮が好きなのだけど、あれは「現実には存在しないキャラクターを一度造形物に落とし込んで半現実化したものを映す」という形でしか成立しない映像表現なんだよね。

一方で僕は、「現実そのものを映したもの」にも、「現実とは完全に断絶した虚構を映したもの」にも興味が持てない。本当に興味があるのは、特撮のように「まだ存在していないけど、これから存在する可能性があるもの」なの。それは個人的な趣味嗜好にも反映していて、だから特撮以外でも、絵画よりも立体造形物の方が好きで、模型も大好き。

このあいだ反響があったレゴ対談も、こうした興味の延長線上で作られている。

▼関連記事 【対談】根津孝太(znug design)×宇野常寛「レゴとは、現実よりもリアルなブロックである」

 

僕自身は、こういう感性というのは、現実に商品やサービスを制作して、それによって新しい文化やビジネスを生み出していくような動きにどこか親和性がある気がするんだよね。実際、イノベーションやマーケットの力というのは、まさに「まだ存在していないけど、これから存在する可能性があるもの」に力を与えていくものなわけでしょう。

1 2 3 4 5

その他の記事

信仰者の譲れない部分(甲野善紀)
夏休み工作、今年の「音友ムック」はQWT型!(小寺信良)
新型コロナウイルスが浮き上がらせる様々な物事の本質(高城剛)
初夏のような沖縄で近づいてきた「転換期」を考える(高城剛)
ICT系ベンチャー「マフィア」と相克(やまもといちろう)
年末企画:2019年度の「私的なベストガジェット」(高城剛)
大きな社会変革と技術的飽和点の第一歩はそう遠くない(高城剛)
世界遺産登録を望まない、現代の隠れキリシタンたち(高城剛)
パワーは正義。USB Type-C PDで変わるモバイル(小寺信良)
国民投票サイト「ゼゼヒヒ」は何を変えるのか――津田大介、エンジニア・マサヒコが語るゼゼヒヒの意図(津田大介)
ITによって失ったもの(小寺信良)
可視化されているネットでの珍説や陰謀論に対するエトセトラ(やまもといちろう)
コロナとか言う国難にぶつかっているのに、総理の安倍晋三さんが一か月以上会見しない件(やまもといちろう)
「政治メディア」はコンテンツかプラットフォームか(津田大介)
GAFA+Nの存在感、その価値の本質(本田雅一)

ページのトップへ