「自分の心」を4色に分ける
他人とコミュニケーションを取るためには自分の心を落ち着ける必要がある。そのとき、実践的に有効なのは、自分の心の状態をできるだけ正確に、しかも経時的にモニタリングするということです。
一番わかりやすい方法としては、自分の状態を4つに分類する。例えば「心が落ち着いたニュートラルな状態」を「白」、心が前のめりになってハイになっている状態を「黄」、嫉妬や不安で気分が沈んでいる状態を「黒」、怒りに燃え上がって冷静さを失っている状態を「赤」としてみましょう。
そうやって自分の心の状態を4色に分けて、認識できるようにしてみてください。もちろん、もっと細かくわけてもいいし、最初のうちは、落ち着いた状態が「白」、動揺している状態が「黒」と2つにわけるだけでもいい。とにかく、自分の心の状態がどの「色」になっているのかということを、リアルタイムに認識できるようにする。
4分類程度の精度でも、普段から丁寧に自分の心の状態をモニタリングできるようになってくると、だんだんと「他人とのコミュニケーション」にも、それほど不安なくチャレンジできるようになってくるはずです。
例えば、ちょっと苦手な人とコミュニケーションを取らなければいけないときには、できるだけ自分の心の状態を「白」にしてから会いに行く。もし話している中で、自分の心が黒くなってきた、赤くなってきた……ということを認識できたら、もう一度少し距離を置く。
そうやって、自分の心のモニタリングに基づいてコミュニケーションを取るようにしていれば、親しい人との時間はもちろんのこと、苦手な人とのコミュニケーションの中でも自分の学びを深めていくことができるはずです。
「この人と付き合うのは自分にとってプラスだろうか、マイナスだろうか」と考えるよりも、自分の心をモニタリングしながらコミュニケーションにチャレンジしていくという獅姿勢のほうが、長期的にはあなたの人生はずっと豊かになるはずです。
※この記事は「名越康文のメルマガ 生きるための対話(dialogue)」2013年8月19日 Vol.058<カウンセリングルーム>を元に再構成したものです。
名越康文メールマガジン「生きるための対話」
テレビ、ラジオなど各種メディアで活躍する精神科医・名越康文の公式メルマガです。メルマガ購読者とのQ&A、公開カウンセリング、時評、レビューなど盛りだくさんの内容を隔週でお届けします。
「ぼ くらが生きているのは、答えのない時代です。でも、それはもしかすると、幸福なことなのかもしれません。なぜなら、答えのない問いについて対話し続けるこ とではじめて開ける世界があるからです。皆さんと一緒に、このメルマガをそんな場にしていきたいと思っています」(名越康文)
【 料金(税込) 】 540円 / 月 <初回購読時、1ヶ月間無料!!>
【 発行周期 】 月2回発行(第1,第3月曜日配信予定)
ご購読・詳細はこちらから!
驚く力―さえない毎日から抜け出す64のヒント
毎日が退屈で、何をやってもワクワクしない。
テレビを見ても、友達と話していても、どこかさびしさがぬぐえない。
自分の人生はどうせこんなものなのだろう――。
そんなさえない毎日を送るあなたに足りないのは「驚く力」。
現代人が失ってきた「驚く力」を取り戻すことによって、私たちは、自分の中に秘められた力、さらには世界の可能性に気づくことができる。それは一瞬で人生を変えてしまうかもしれない。
自分と世界との関係を根底からとらえ直し、さえない毎日から抜け出すヒントを与えてくれる、精神科医・名越康文の実践心理学!
amazonで購入する
その他の記事
|
クラウドにデータを委ねるということ(本田雅一) |
|
除湿、食事、温灸……梅雨時のカラダ管理、してますか?(若林理砂) |
|
実態は魑魅魍魎、美味しいと正しいの間に揺れる飲食業界(高城剛) |
|
ウクライナ問題、そして左派メディアは静かになった(やまもといちろう) |
|
空港の無償wifiサービス速度が教えてくれるその国の未来(高城剛) |
|
パニック的なコロナウイルス騒動が今後社会にもたらすもの(やまもといちろう) |
|
円で請求される燃油サーチャージに隠されたおかしな仕組み(高城剛) |
|
玄米食が無理なら肉食という選択(高城剛) |
|
迷走する吉本興業の問題が“他人ごと”だけでは済まない理由(本田雅一) |
|
あらゆる気候変動を想定しなければならない時代(高城剛) |
|
中国発・ソーシャルゲーム業界の崩壊と灼熱(やまもといちろう) |
|
土建国家の打算に翻弄される南アルプスの美しい山並(高城剛) |
|
400年ぶりの木星と土星の接近が問う「決意と覚悟」(高城剛) |
|
所得が高い人ほど子どもを持ち、子どもを持てない男性が4割に迫る世界で(やまもといちろう) |
|
リモートワーク時代のエンタメを考える(本田雅一) |











