名越康文
@nakoshiyasufumi

名越康文のメルマガ『生きるための対話(dialogue)』より

自分の心を4色に分ける——苦手な人とうまくつきあう方法

 

「自分の心」を4色に分ける

他人とコミュニケーションを取るためには自分の心を落ち着ける必要がある。そのとき、実践的に有効なのは、自分の心の状態をできるだけ正確に、しかも経時的にモニタリングするということです。

一番わかりやすい方法としては、自分の状態を4つに分類する。例えば「心が落ち着いたニュートラルな状態」を「白」、心が前のめりになってハイになっている状態を「黄」、嫉妬や不安で気分が沈んでいる状態を「黒」、怒りに燃え上がって冷静さを失っている状態を「赤」としてみましょう。

そうやって自分の心の状態を4色に分けて、認識できるようにしてみてください。もちろん、もっと細かくわけてもいいし、最初のうちは、落ち着いた状態が「白」、動揺している状態が「黒」と2つにわけるだけでもいい。とにかく、自分の心の状態がどの「色」になっているのかということを、リアルタイムに認識できるようにする。

4分類程度の精度でも、普段から丁寧に自分の心の状態をモニタリングできるようになってくると、だんだんと「他人とのコミュニケーション」にも、それほど不安なくチャレンジできるようになってくるはずです。

例えば、ちょっと苦手な人とコミュニケーションを取らなければいけないときには、できるだけ自分の心の状態を「白」にしてから会いに行く。もし話している中で、自分の心が黒くなってきた、赤くなってきた……ということを認識できたら、もう一度少し距離を置く。

そうやって、自分の心のモニタリングに基づいてコミュニケーションを取るようにしていれば、親しい人との時間はもちろんのこと、苦手な人とのコミュニケーションの中でも自分の学びを深めていくことができるはずです。

「この人と付き合うのは自分にとってプラスだろうか、マイナスだろうか」と考えるよりも、自分の心をモニタリングしながらコミュニケーションにチャレンジしていくという獅姿勢のほうが、長期的にはあなたの人生はずっと豊かになるはずです。

 

※この記事は「名越康文のメルマガ 生きるための対話(dialogue)」2013年8月19日 Vol.058<カウンセリングルーム>を元に再構成したものです。

 

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名越康文
1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学、龍谷大学客員教授。 専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:現:大阪精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。 著書に『「鬼滅の刃」が教えてくれた 傷ついたまま生きるためのヒント』(宝島社)、『SOLOTIME~ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である』(夜間飛行)『【新版】自分を支える心の技法』(小学館新書)『驚く力』(夜間飛行)ほか多数。 「THE BIRDIC BAND」として音楽活動にも精力的に活動中。YouTubeチャンネル「名越康文シークレットトークYouTube分室」も好評。チャンネル登録12万人。https://www.youtube.com/c/nakoshiyasufumiTVsecrettalk 夜間飛行より、通信講座「名越式性格分類ゼミ(通信講座版)」配信中。 名越康文公式サイト「精神科医・名越康文の研究室」 http://nakoshiyasufumi.net/

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